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【富士山ビュー】高稼働・築浅・一棟貸し宿泊施設|投資1.6億円の価値は妥当か?辛口で検証

物件情報

  • 所在地:山梨県南都留郡富士河口湖町

  • 譲渡価格:1億6,000万円

  • 売上:年間1,000万〜3,000万円(詳細非公開)

  • 建物:2019年築の一棟貸し宿泊施設 2棟(所有権)

  • 稼働率:2024年実績 92%

  • 運営:宿泊代行会社に委託済

  • 人員:現場管理パート1名(契約終了可能)

  • 販売ページBatonz掲載ページ


民泊適正評価

 

項目 評価
立地 ★★★★★(富士山ビュー・河口湖・観光地徒歩圏)
家賃 所有物件のため不要
建物状況 ★★★★★(築浅・大規模修繕リスク低)
競合状況 ★★★☆☆(富士山周辺は宿泊施設多数)
初期費用 ★★☆☆☆(投資額が非常に大きい)
収益性 ★★★☆☆(利回りは並、資産性は高い)

総合評価:★4.0/5

長期資産形成・節税効果を狙う投資家向け。短期で利益を上げたい人には不向き。


想定利回りと投資回収シミュレーション

 

【前提条件】

  • 年間売上:仮に上限3,000万円で試算

  • 運営代行費:売上の20%(相場)

  • 清掃・光熱費・ランニングコスト:約500万円/年

  • 固定資産税:約80万円/年

  • その他経費:約100万円/年

【年間経費】
運営代行費:600万円
清掃・光熱費:500万円
固定資産税:80万円
その他経費:100万円

合計:約1,280万円/年

【年間営業利益】
売上3,000万円 - 経費1,280万円 = 約1,720万円/年

【想定利回り】
1,720万円 ÷ 1億6,000万円 × 100 = 約10.75%(表面利回り)

※売上が1,000万円の場合は赤字。

【投資回収期間】
約9.3年

 


競合状況とリスク

  • 富士山エリアは全国屈指の宿泊施設激戦区。特に河口湖は国内外の民泊・ホテル投資家の人気エリアで、新規参入も続いている。

  • 一棟貸し宿は年々増加しており、差別化ポイント(高級インテリア、景観、SNS映え)が維持できないと、価格競争に巻き込まれる可能性大

  • 現状は広告をほとんどしていないとのことだが、逆に言えば集客は完全にOTA頼りで、リピーターが減れば一気に稼働率が落ちる危険性もある。


契約前に必ず確認すべきポイント

  • 売上・利益の詳細(証憑確認必須)

  • 施設の正確な所在地と現況

  • 固定資産税、保険料などの年次コスト

  • 運営代行会社の契約条件(手数料率、契約年数)

  • 将来的な修繕履歴と修繕積立の有無

  • リピーター比率とレビュー内容(OTAの実際のページ確認)

  • 将来の宿泊単価下落リスク


総評

 

 メリット

  • 富士山ビューという強力な資産価値

  • 高稼働実績(92%は驚異的)

  • 築浅・所有物件で資産として残る

  • 外部委託済みでほぼ「オーナー投資型」

  • 節税効果あり(減価償却活用可)

 デメリット

  • 譲渡価格が非常に高い(1.6億円)

  • 売上上限3,000万円では、利回りは「そこそこ」レベル

  • 富士山周辺は今後の競争激化が必至

  • 施設2棟分の稼働が落ちた場合、一気に収益悪化リスク

  • OTA依存度が高く、集客力が自走型ではない可能性


結論:

 

この案件は、短期転売目的やキャッシュフロー狙いの投資家には不向きです。
一方で、資産価値の高い土地建物を所有し、節税を活用しながら長期運用したい投資家には十分検討価値があります。

オーナーの手離れが良く、管理は外注済み。さらにコロナ禍でも稼働を維持した実績は高評価ですが、投資額が大きい分、「万が一」のリスクも大きく、購入には精密な財務確認と現地視察は必須です。