物件情報
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物件種別: 中古一戸建て
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所在地: 北海道滝川市東滝川
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最寄駅: JR根室本線 東滝川駅
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価格: 50万円(家賃と記載されていますが、売買物件の価格と仮定)
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土地面積/建物面積: 120坪 / 136.6㎡
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間取り: 6LDK
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特徴:
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民泊利用が可能
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国道38号沿い、バス停まで10秒
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駐車場3台以上
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築49年と非常に古い
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一部リフォーム済み(ユニットバス、ウォシュレットトイレ、床下断熱)
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民泊適正評価
この物件は、**「民泊などにいかがでしょう」**と記載されており、オーナーが民泊事業に理解がある点が大きな強みです。国道38号沿いで、高速インターチェンジにも近いという立地は、車を利用するゲストにとって非常に便利です。また、**6LDK・136.6㎡**という広さは、大人数のグループ旅行や、複数の家族での利用に最適です。120坪という広大な敷地を活かせば、BBQスペースやドッグランなど、宿泊以外の付加価値を提供することも可能です。
しかし、デメリットも非常に明確です。最大の課題は、掲載情報が「家賃」と「価格」で混在しており、正確な購入費用が不明な点です。また、築49年という築年数の古さから、水回りの故障(掲載情報に「お湯の銅管パンク」と記載)や耐震性の問題など、多額のリフォーム費用がかかる可能性が非常に高いです。さらに、「現状引き渡し」「残置物あり」という条件は、購入後に自力で多くの修繕や片付けを行う必要があることを意味します。
契約前に確認するポイント
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売買価格の確認: 掲載情報の「家賃50万円」が実際の売買価格ではない可能性が高いため、必ず正しい価格を確認しましょう。ここでは仮に売買価格500万円と仮定してシミュレーションを行います。
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リフォーム費用の見積もり: 築49年の物件のため、最低でも500万円以上の大規模な改修が必要になる可能性があります。事前に専門業者に詳細な見積もりを依頼し、現実的な費用を把握することが不可欠です。
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行政の審査と許可: 最終的な運営の可否は、行政(保健所など)の審査によって決まります。物件が「住宅宿泊事業法(民泊新法)」や「旅館業法」の要件を満たせるか、事前に確認することが不可欠です。
周辺地域の平均稼働率
滝川市は、札幌市や旭川市といった観光都市の中間に位置しますが、年間を通しての観光需要はそれほど高くありません。夏は「たきかわ菜の花まつり」やコスモス畑、冬はスキー場など、特定の季節に需要が集中します。周辺エリアの民泊年間平均稼働率は**20%〜30%**と低めに見積もるべきでしょう。
運営した場合の想定年間利益
この物件で民泊を運営した場合の収益を、現実的な数字でシミュレーションしてみましょう。 ※売買価格500万円、リフォーム費用800万円と仮定し、5年間で償却すると仮定します。
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初期費用:
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物件購入費: 500万円
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リフォーム費用: 800万円
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その他費用(登記費用、仲介手数料など): 50万円
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合計初期費用: 1,350万円
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月額費用:
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固定資産税(年額): 約20,000円(月額約1,667円)
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減価償却費(リフォーム費用): 800万円 / 60ヶ月 = 133,333円
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光熱費・水道代(ゲスト使用分): 約15,000円
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Wi-Fi費用: 約5,000円
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消耗品費(アメニティ、清掃用具など): 約10,000円
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清掃委託費: 1回8,000円(月7回清掃と仮定): 56,000円
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合計月額費用: 221,000円
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月間売上(想定):
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広い間取りと国道沿いの立地を活かし、1泊あたりの宿泊料金を25,000円に設定します。
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月間稼働率を30%(年間109泊)と仮定。
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月間売上: 25,000円 × 30日 × 30% = 225,000円
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想定年間利益:
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月間売上225,000円 - 月間費用221,000円 = 月間利益 4,000円
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年間利益: 4,000円 × 12ヶ月 = 48,000円
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想定利益が低い場合の改善アイデア
上記のシミュレーションでは、年間約4.8万円という非常に低い利益となりました。これは、多額のリフォーム費用が収益を圧迫していることが主な原因です。この物件で利益を出すためには、以下のアイデアを検討してみてください。
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徹底したコスト管理:
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清掃委託費が運営コストの大きな割合を占めているため、自己清掃に切り替えることで、コストを大幅に削減できます。
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オフシーズンの需要創出:
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滝川市は冬の雪景色が美しいため、ワーケーションや長期滞在の拠点としてアピールするなど、新たな客層を開拓し、稼働率を安定させることができます。
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ユニークな体験の提供:
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広大な敷地を活かし、BBQや焚き火、スノーアクティビティなど、宿泊以外の付加価値を提供することで、客単価を引き上げられます。
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この物件は、低価格な購入費用という大きな強みがある一方で、築年数の古さによる多額のリフォーム費用という大きな課題が伴います。安易に手を出さず、徹底したコスト管理と、物件の個性を活かしたマーケティング戦略が成功の鍵となるでしょう。