1. 物件概要
日本のビジネスおよび商業の中心地である港区新橋エリアに位置する、中高層ビルの4階貸店舗(建物一部)物件です。専有面積30.98㎡のコンパクトな空間ながら、備考欄に「旅館業・民泊におすすめ」「シャワールームあり」と明記されており、宿泊事業への転用を視野に入れた募集がなされています。
新橋・汐留・御成門の3駅が徒歩圏内という圧倒的な交通利便性を誇る一方、本物件は「店舗(商業用ビル)」としての契約となるため、一般的な住宅系賃貸とは異なる初期費用構造や月額の維持コストが発生します。インバウンドやビジネス客の宿泊需要が極めて高いエリアで、このサイズ感に見合う収支バランスをいかに構築できるかが鍵となる案件です。
-
物件名: 藤ノ木ビル 御成門駅 貸店舗(建物一部)
-
物件URL: https://house.goo.ne.jp/rent/bb/detail/0/13103/6991034966/00611817/x06991034966.html
-
賃料 / 管理費等: 22.67万円/月 / 管理費等:30,921円/月(※貸店舗契約のため、表記金額に対する消費税の有無は要確認)
-
敷金 / 礼金: なし / 1ヶ月(22.67万円)
-
保証金: 3ヶ月(68.01万円)
-
使用部分面積: 30.98㎡(坪単価:2.42万円)
-
建物構造 / 所在階: 鉄骨造 / 6階建の4階部分
-
築年月: 2004年8月(築21年11ヶ月)
-
現況 / 引渡可能時期: 空 / 2026年6月下旬
-
契約形態 / 期間: 定期借家契約 / 3年
-
アクセス:
-
都営三田線「御成門」駅 徒歩7分
-
JR山手線・東海道線等「新橋」駅 徒歩9分(新橋レンガ通り沿い)
-
ゆりかもめ・都営大江戸線「汐留」駅 徒歩10分
-
-
インフラ設備・特徴: 24時間セキュリティ(セコム)、エレベーターあり、飲食店可、冷暖房、エアコン、給湯、バス・トイレ別、シャワールームあり、適格請求書(インボイス)発行可
-
契約諸条件特約: 賃貸保証等加入要(初回保証料あり)、火災保険等要、維持費等としてセコム料6,600円/月、仲介手数料不要
-
初期物件取得費用(目安):
-
礼金1ヶ月(22.67万)+保証金3ヶ月(68.01万)+前家賃・管理費1ヶ月(約25.76万)= 最低約116.44万円〜(※ここに初回保証料、火災保険料、消費税精算分などが加算されます。仲介手数料は不要となっています)
-
-
情報更新日: 2026年6月8日
2. 物件のアドバンテージ:「新橋・汐留・御成門」の強力な立地
-
インバウンド・国内出張者を網羅する卓越したアクセスと認知度: 最大の強みは「港区新橋5丁目」という圧倒的な立地条件です。JR山手線をはじめ多数の幹線が乗り入れる新橋駅から徒歩9分、羽田空港へのアクセスが良い都営浅草線や大江戸線・ゆりかもめが使える汐留駅も徒歩圏内です。東京観光の拠点として外国人旅行者への訴求力が極めて高く、また周辺のオフィス街を訪れるビジネスパーソンの出張(ビジネス泊)需要も365日通じて見込めるため、集客のフックとしては申し分のないロケーションです。
-
初期投資を圧縮できる「シャワールーム設置済」の店舗スペック: 元々「旅館業・民泊におすすめ」と謳われている通り、ビル店舗でありながら既にシャワールームやバス・トイレ別の構造、給湯設備が備わっています。通常、スケルトンの貸店舗から宿泊施設へコンバージョン(用途変更・改装)する場合、最もコストがかかるのが水回りの配管・防水工事です。この基盤が既にあるため、内装の装飾や家具・家電の配置に予算を集中させることができ、初期の設備投資を大幅に抑えることができます。
3. 運営に向けた実務チェックポイント(店舗契約による固定費の重さと限られた面積での集客戦略)
-
客室面積30.98㎡に対して「月額約26万円超」の維持固定費を回収する算段: 本物件は家賃22.67万円に加え、管理費が30,921円、セコム料が6,600円かかるため、家主側に支払う固定費だけで毎月「264,221円」が発生します(※ここに店舗契約に伴う消費税が加算される場合、さらに約2.6万円上乗せされます)。 水道光熱費やWi-Fi、運営代行手数料などを考慮すると、清掃費を除く月間の総固定費は32万〜35万円前後に達すると予測されます。専有面積30.98㎡というサイズは、宿泊施設としては「2〜3名定員(最大でも4名)」のスモールサイズとなるため、収容人数による客室単価の一挙な引き上げが難しい側面があります。高い客室稼働率(85%以上など)を維持し続けるか、1人あたりの単価を高められるハイクラスな内装戦略をとらなければ、固定費に売上が負けてしまう不稼働赤字のリスクを慎重に見極める必要があります。
-
用途地域と「定期借家契約3年」による投資回収期間の制限: 本物件は「定期借家契約 3年」となっています。一般的な普通借家契約と異なり、3年が経過した時点で契約が終了し、再契約には家主側の同意が必要となります。 初期の改装費用や家具家電の購入費に仮に200万〜300万円を投じた場合、3年(36ヶ月)という限られた期間内でその初期投資を完全に回収し、さらに十分な純利益を積み上げられるかというROI(投資利益率)の計算を極めてシビアに行う必要があります。
-
商業ビルにおける「旅館業法・簡易宿所」取得時の建築・消防法規の確認: 「店舗」としての募集であるため、用途地域は商業地域や近隣商業地域などの営業許可が取りやすいエリアである可能性が高いですが、ビル全体としての消防設備(スプリンクラーの要否、自動火災報知設備の連動など)が宿泊施設の基準を満たしているかを港区の保健所および消防署で事前に精査する必要があります。4階部分という所在階の特性上、避難経路(二方向避難等)の確認も必須となります。
4. 行うべき実務アクション
本物件の検討を進めるにあたり、行うべき具体的な手続きは以下の通りです。
-
ステップ1:港区の保健所・消防署での「簡易宿所(旅館業法)」取得要件の事前確認 新法民泊(住宅宿泊事業法)での運営も選択肢にありますが、年間180日制限を受けると月額約26万円の固定費回収が非常に厳しくなるため、365日営業が可能な「簡易宿所(旅館業法)」の許可が下りるかを最優先で調査します。ビルの図面を持ち込み、現在の4階の仕様で営業許可が取得可能か、追加で必要な消防設備(誘導灯や非常用照明など)の有無を確認します。
-
ステップ2:30.98㎡の「有効レイアウト」の作成と最大収容人数の確定 30.98㎡の空間の中に、ベッド(または布団)の配置、シャワールームやトイレの導線、荷物置き場を配置し、「ゲストが快適に過ごせる最大人数」を割り出します。仮に3名が限界である場合と、工夫して4名収容できる場合では、月間の最大想定売上に大きな開きが出るため、家具のレイアウト図面を事前に作成します。
-
ステップ3:損益分岐点(BEP)と3年間の回収シミュレーションの構築 毎月の総固定費(賃料+管理費+光熱費+システム費等)を33万円と仮定し、3年間の定期借家期間内で黒字化するためのシミュレーションを行います。 月間稼働率を新橋エリアの実績値に近い「80%(24日稼働)」とした場合、
プラットフォーム(AirbnbやBooking.com等)の手数料や清掃原価を考慮すると、1泊あたり「平均1.8万〜2.2万円以上」で販売し続ける必要があります。新橋駅から徒歩9分の2〜3名向けコンパクト民泊として、この単価設定が周辺のビジネスホテル(アパホテルやコンフォートホテル等)の競合に対して優位性を持てるか、冷静にマーケットを比較リサーチします。
