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【港区・新橋/御成門】新築一棟ビルで民泊運営?高額家賃とリノベ費用の壁を越えられるかが勝負の分かれ目

物件情報

 

  • 物件名:ル・グラシエルBLDG.62

  • 所在地:東京都港区新橋6丁目

  • 交通アクセス

    • 都営三田線「御成門駅」徒歩2分

    • JR山手線「新橋駅」徒歩10分

    • 都営大江戸線「大門駅」徒歩9分

  • 賃料:月額 2,800,800円(管理費なし)

  • 契約条件

    • 敷金・礼金:なし

    • 保証金:賃料の8ヶ月分

    • 償却:解約時 2.00ヶ月

  • 契約期間:定期借家契約 5年

  • 面積:280.58㎡(地下1階〜地上7階の一棟貸し)

  • 築年月:2025年12月完成予定(新築)

  • 現況:未完成(B1-1Fはスケルトン渡し、2F-7Fは事務所仕様渡し)

  • 詳細URLhttps://house.goo.ne.jp/rent/bb/detail/0/13103/6988475219/00611817/x06988475219.html


 

民泊適正評価

 

総合評価:★★☆☆☆(2.0/5.0) 立地と建物スペックは最高ランクですが、コスト構造が非常に厳しいため、初心者には手が出せない「プロ向け」かつ「ハイリスク」な物件です。

 

【メリット】

 

  1. 圧倒的な好立地 東京タワーや増上寺が近く、銀座・新橋も徒歩圏内。インバウンド観光客にとってもビジネス利用にとっても最高のロケーションです。御成門駅徒歩2分は強烈な強みです。

  2. 新築一棟のブランディング 「新築ホテル」として売り出せるため、清潔感を重視する層に高く評価されます。一棟丸ごとのため、他テナントへの騒音配慮などが不要(自分のお店以外)な点も運営しやすいポイントです。

  3. 高単価が狙えるエリア 港区のホテル単価(ADR)は急上昇しており、内装次第では1泊3万〜5万円以上の設定も可能です。

 

【デメリット(ここが重要)】

 

  1. 賃料単価が商業店舗並み 坪単価は約3.3万円です。これは宿泊施設としてはかなり高額で、本来は高回転の飲食店が入るような賃料設定です。宿泊業の利益率でこの家賃を支えるには、常に満室に近い稼働が必要です。

  2. 改装費用の負担が大きすぎる B1-1Fはコンクリート打ちっぱなし(スケルトン)、2F-7Fはオフィス仕様です。ここに「7組分の宿泊設備(シャワー、トイレ、洗面、ベッド)」を作る必要があります。特にオフィスフロアに水回りを増設する場合、床上げ工事や配管工事で1フロアあたり数百万円が飛びます。

  3. 5年の定期借家契約 これが最大のリスクです。5年後には再契約できない(または家賃が上がる)可能性があります。数千万円かけて内装を作っても、たった5年で原状回復して退去しなければならないリスクがあり、投資回収期間が極端に短いです。


 

契約前に確認するポイント

 

  1. 給排水・ガス容量の確認 7室同時にシャワーを使った場合、オフィスビル仕様の水道管(通常20mm〜25mm)では水圧が足りなくなる可能性があります。引き込み管の増径工事が必要か、ガス給湯器を何台設置できるか、事前に設備業者に見てもらう必要があります。

  2. 避難経路と消防設備 7階建ての宿泊施設となると、消防法の基準が非常に厳しくなります(特定用途)。2方向避難の確保や、スプリンクラー、排煙設備の設置義務があるか確認してください。これだけで1000万円単位の費用が変わります。

  3. 再契約の可能性 「定期借家5年」が絶対なのか、協議により再契約可能なのかを確認してください。もし5年確定なら、内装にお金をかけすぎると回収できません。


 

周辺地域の平均稼働率と想定収益

 

 

周辺稼働率(港区ホテル市場)

 

  • 平均稼働率:80%〜85% (参考:東京都内のビジネスホテル・シティホテルの2024〜2025年実績データより推計) ※インバウンド需要が旺盛なため、新橋周辺は平日も高稼働です。

 

想定年間利益シミュレーション

 

【前提条件】

  • 客室数:7室(各フロア約30㎡〜35㎡のスタジオスイート想定)

  • 宿泊単価(ADR):30,000円(新築・港区相場)

  • 稼働率:85%(かなり優秀な運営をした場合)

1. 月間売上予測 30,000円 × 7室 × 30日 × 稼働率85% = 5,355,000円

2. 月間運営コスト(ランニングコスト)

  • 家賃:2,800,800円

  • 看板料・セコム等:約162,800円

  • 水道光熱費:約350,000円(7室フル稼働時)

  • 清掃・リネン費:約800,000円(売上の約15%)

  • OTA手数料(Airbnb/Booking等):約640,000円(売上の約12%)

  • Wi-Fi・消耗品等:約50,000円 コスト合計:約4,803,600円

3. 月間営業利益(手残り) 売上 5,355,000円 - コスト 4,803,600円 = 551,400円

4. 想定年間利益 551,400円 × 12ヶ月 = 約661万円


 

シミュレーションの「落とし穴」と改善アイデア

 

上記の計算を見て「年間660万円利益が出るなら良いのでは?」と思った方は要注意です。ここに初期投資の回収が含まれていないからです。

【初期費用の壁】

  • 保証金(8ヶ月):約2,240万円

  • 仲介手数料・礼金:0円(物件情報より)

  • 内装・設備工事費:約5,000万円(7フロア分の浴室・トイレ新設、消防設備、家具家電)

  • 合計初期費用:約7,240万円

【最終収支判定】 年間利益660万円で、7,240万円を回収するには約11年かかります。 しかし、契約期間は5年しかありません。 つまり、普通に運営すると、契約終了時に約4,000万円の赤字が残る計算になります。

 

改善するためのアイデア(赤字回避策)

 

この物件で利益を出すには、以下のいずれかの施策が必須です。

  1. 宿泊単価を5万円以上に引き上げる 単なる「部屋」ではなく、高級家具やサウナ付き客室など、「体験」にお金を払う富裕層向け施設にする必要があります。ADRが5万円になれば、月間売上は約890万円になり、年間利益は約4,000万円まで跳ね上がります。これでようやく2年で回収可能です。

  2. 1階・地下1階で別収益を作る 宿泊だけの売上では家賃負けします。1階を人気のカフェやバーとして運営し、宿泊客以外からの収益(月商200〜300万目標)を確保する必要があります。

  3. 簡易宿所ではなく「民泊(180日制限)」+「マンスリー」の併用はNG 家賃が高すぎるため、180日しか営業できない住宅宿泊事業法(民泊新法)では絶対に赤字になります。必ず「旅館業法」の許可を取得し、365日営業することが大前提です。

結論: 家賃と工事費のバランスを見ると、非常に難易度が高い物件です。「新橋で自社ビルホテルを持ちたい」という広告塔としての意味合いが強い企業向けであり、純粋な投資目的の個人・中小事業者にはおすすめできません。