物件情報
-
物件名: 多目的戸建(詳細名称不明)
-
所在地: 大分市打合せ1丁目1036番1
-
間取り/面積: 3K / 47.98㎡
-
家賃: 2.9万円
-
管理費等: なし
-
初期費用: 敷金なし / 礼金3ヶ月分(8.7万円)
-
建築年数: 築57年
-
交通: JR日豊本線(門司港~佐伯) - 大分駅(最寄り駅や徒歩時間は不明だが、大分市の住宅街に位置)
-
特記事項: 民泊ご相談ください、ペット5匹まで可、外国人技能実習、生活保護、高齢者など多目的利用歓迎。
民泊適正評価
良い点(集客・運営の強み)
-
家賃が極限まで安い: 月々2.9万円は、民泊の固定費を圧倒的に抑えられ、極端に稼働率が悪くなければ赤字にはなりにくい最大の強みです。
-
初期費用も非常に安価: 礼金3ヶ月分(8.7万円)のみで、初期投資を低く抑えられ、事業参入のリスクを軽減できます。
-
競合との強烈な差別化(ペット): 戸建であり、ペットが5匹まで可という条件は非常に希少価値が高く、ペット連れの家族や多頭飼いのゲストというニッチな市場を独占できる可能性があります。
-
多目的利用によるリスクヘッジ: 万が一民泊事業が立ち行かなくても、社宅や住居として別ルートの長期賃貸に切り替えられる柔軟性があります。
悪い点(集客・運営の課題)
-
築古による競争力の低さ: 築57年という古さは、水回りや設備、内装の古さがゲストのレビューで悪影響を及ぼしやすく、高い稼働率や単価を維持することが非常に難しいです。
-
戸建としては手狭な間取り: 3Kで47.98㎡という面積は、一般的な戸建民泊と比べて手狭です。大家族や大人数の団体客の集客は難しく、集客対象が限定されます。
-
立地のアピール力: 大分市上野丘・岩田町は閑静な住宅街で、主要な観光地(大分駅、別府、湯布院など)から離れています。観光客を集めるには、車でのアクセスや駐車場などの情報が必須ですが、物件情報からは不明です。
-
修繕リスク: 築年数が古いため、水漏れ、給湯器、屋根など建物の主要部分の故障リスクが高く、その際の修理費用が安い家賃による利益を吹き飛ばす可能性があります。
契約前に確認するポイント
-
民泊事業の許認可: 契約前に、大分市での民泊(住宅宿泊事業法など)の届け出が可能な物件であることを大家さんと必ず書面で確認しましょう。築古の場合、消防法などの要件が問題になることがあります。
-
修繕責任の所在: 築年数から故障リスクが高いため、入居後の主要な設備(給湯器、エアコンなど)や建物の修繕費用を誰が負担するのかを契約書で明確に規定しておくことが極めて重要です。
-
内装と設備の状況: 写真だけでなく内見を必須とし、特に水回り(浴室・トイレ)の清潔感と動作、そしてプロパンガスか都市ガスかを確認しましょう。プロパンガスの場合、ランニングコストが割高になります。
周辺地域の平均稼働率
大分市中心部から離れた住宅街という立地と、**「築古・狭小」というマイナス面、そして「超低家賃・ペット可」**というプラス面を総合的に考慮し、現実的な稼働率を想定します。
-
現実的な目標稼働率: 15%〜25%
-
(理由:アクセスと築年数の古さから、一般の観光客を集めるのは困難です。ペット可というニッチな需要と、ビジネス利用・帰省などの長期滞在需要でのみ、一定の稼働を見込みます。)
-
想定平均客単価
大分市内のホテルや民泊相場(1泊1名あたり4,000円〜10,000円)を参考に、3名利用を想定し、9,000円/泊と設定します。
運営した場合の想定年間利益(現実的な数字)
極端に家賃が安くても、稼働率が低いと利益を出すのは難しいです。この物件を運営した場合の年間利益の想定は以下の通りです。
-
想定年間売上(稼働率20%の場合): 約66万円(年間73日稼働、9,000円/泊で算出)
-
年間家賃: 34.8万円(29,000円/月 × 12ヶ月)
-
年間運営費(清掃費・消耗品・手数料等): 約20万円(売上の約30%で概算。清掃費用や予約サイト手数料などを含む)
-
年間光熱費・通信費: 18万円(15,000円/月で概算。滞在が少ないため最低限の維持費を想定)
-
想定年間利益: 約-6.8万円(売上から経費を差し引いた額)
【結論】家賃の安さをもってしても、この立地・物件スペックでは赤字になるリスクが高いです。 想定される年間利益はマイナス約7万円となり、家賃が安いことで浮いた資金は、低い稼働率と運営経費で相殺されてしまいます。
想定利益が低い場合の改善するためのアイデア
この物件で利益を出すためには、コストを徹底的に削減し、ニッチな長期滞在需要を掘り起こすことに注力すべきです。
-
ターゲットをペット連れ長期滞在に限定(稼働率向上):
-
「ペット5匹可」という強みを最大限に活かし、最低5泊以上の予約に限定します。清掃費の発生回数を極力減らし、運営コストを最小限に抑えるのが最優先です。
-
-
清掃コストの完全削減(利益確保):
-
年間運営費を大きく圧迫する清掃費をゼロにするため、オーナー自身が清掃・管理を全て行うことが必須です。
-
-
付加価値の提供(単価向上):
-
築古を隠すのではなく、「レトロ」「古民家風」といった切り口でアピールし、ペットが快適に過ごせる設備(ペット用ベッド、ケージ、おもちゃなど)を充実させることで、ニッチ層からの客単価向上を狙います。
-
-
賃貸への切り替えを前提とする(リスクヘッジ):
-
民泊事業が軌道に乗らない場合は、すぐに外国人技能実習生の寮や事務所・倉庫など、もともとの募集内容にあった長期賃貸に切り替えることで、赤字を家賃収入で補填する戦略が最も現実的です。
-