物件情報と民泊適正評価
■評価のポイント
この物件の最大の魅力は、家賃の安さと圧倒的な設備・自由度です。
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良い点: 賃料8万円でこの規模の施設と敷地を確保できるため、固定費リスクが極めて低い点が最大の強みです。DIY・間取り変更可能という自由度は、他物件との差別化に直結します。
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悪い点: 地方の郊外(江吉良駅からの距離不明)で、車が必須の立地であるため、立地が不便な場合は集客が難しいという地方特有のハンデを抱えます。また、築年数が不明で、現況はリフォーム途中の可能性があるため、初期の修繕コストや手間がかかるリスクがあります。
契約前に確認するポイント
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賃料値上げの幅とタイミング: 「徐々にリフォームしてくので綺麗にはなっていきますが、家賃は上がっていきます」とあるため、将来的な家賃の上限と、値上げのタイミングを事前に書面で確認することが非常に重要です。値上げ幅によっては、収益計画が破綻するリスクがあります。
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民泊許可の可能性: 「民泊などビジネスをしたい方」を推奨していますが、羽島市で民泊を行う際の具体的な行政への届出要件(住宅宿泊事業法に基づくか)と、倉庫や駐車場を事業として利用する際の建築基準法・消防法上の問題がないかを事前に確認すべきです。
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セルフDIYの範囲: 間取り変更を含むDIYが可能とされていますが、給排水管や電気配線などのインフラ部分の変更について、オーナーの許可範囲と費用負担の切り分けを明確にしましょう。
周辺地域の平均稼働率と想定年間利益
羽島市は、岐阜市内のような主要な観光地ではありません。そのため、地方の郊外物件の目安である稼働率を採用し、巨大な施設規模を活かした高単価戦略でシミュレーションを行います。
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現実的な年間平均稼働率: 45%(年間約164日稼働)
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平均宿泊単価(設定): 40,000円/泊(巨大施設・体験型施設として高めに設定)
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月間固定費: 80,000円
この前提で収益をシミュレーションすると、以下の結果になります。
【結論】 この物件は、賃料が安いため「家賃が高すぎる場合は利益が出にくい」というリスクは非常に低いです。地方の稼働率でも、年間342万円という高い利益が見込めます。この利益を確定させるためには、**高単価設定(4万円/泊)**を維持できるだけの施設づくりと、リフォーム後の賃料値上げ幅を抑えることが必須となります。
想定利益を改善するためのアイデア
この物件の最大の特徴である「巨大倉庫」と「100坪駐車場」を最大限に活かし、地方のハンデを吹き飛ばす戦略を構築します。
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「体験型」複合施設化による高単価設定: 単なる宿泊施設ではなく、**「サウナ」と「イベント」**を軸とした施設にDIYで進化させます。
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倉庫を活用: 倉庫をDIYで大型のBBQ場や、プロジェクターを設置したシアタールーム/イベントスペースに改造。
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駐車場を活用: 100坪の駐車場の一部に本格的なプライベートサウナ(コンテナ型など)と外気浴スペースを設置し、「貸切サウナ付き宿泊施設」として単価を5万円/泊以上に引き上げます。
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地域のビジネス需要を確保: 岐阜羽島ICから車で7分という立地を活かし、広大な駐車場と倉庫を求めている法人の社宅・研修所や、イベント業者の一時的な資材置き場としても並行して提供することで、民泊の閑散期(オフシーズン)の稼働を補い、安定した収入源を確保します。
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DIYをアピール: 「セルフDIY可能」という点は、内装を自作したいという**国内の個性的な旅行者(DIY好き、クリエイターなど)**を集めるフックになります。SNSでDIYの過程を公開するなど、集客に繋がるストーリーを発信することで、不便な立地という欠点を「個性」に変えることが可能です。