物件情報
民泊適正評価
契約前に確認するポイント
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水回り設備の状況と修繕責任: 築60年の物件であるため、給湯器、配管、トイレ、浴室などの老朽化は避けられません。これらの設備が故障した場合の修繕費用を誰が負担するか(オーナー/借主)を、契約書で詳細に確認し、書面で残すこと。
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駐車場の確保: 駅徒歩22分のため、ゲストは車で来る可能性が高いです。近隣駐車場(月7,000円)の空き状況と、物件敷地内に一時的な駐車スペースを確保できるかを確認する。
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火災保険と保証会社の加入: 火災保険(テナント火災)と家賃保証会社の加入が必須とされているため、初期費用や月額費用を正確に見積もる。
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短期解約時の違約金: 1年未満の解約で家賃の2ヶ月分、1年〜2年未満で家賃の1ヶ月分の違約金が発生するため、事業計画の期間とリスクを慎重に検討する。
周辺地域の平均稼働率
北九州市全体の民泊稼働率の公式データは限られていますが、戸畑区のこの物件は駅から遠く、主要観光地からも離れたエリアに位置します。
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現実的な年間平均稼働率: 35%(年間約128日稼働)
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理由: 立地の不便さが大きなマイナス要素となり、小倉中心部の平均よりも低い水準と設定します。ただし、一棟貸しの希少性とDIYによる差別化が成功することを前提とします。
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運営した場合の想定年間利益
(賃料9万円、平均稼働率35%、平均宿泊単価40,000円/泊でシミュレーション)
【結論】 本物件は、広さと賃料の安さというメリットを活かし、1泊あたりの単価を高める戦略が成功すれば、年間214万円程度の利益を達成できる可能性があります。しかし、稼働率が30%を下回ると利益は急激に目減りし、家賃が高く感じる構造になります。このリスクを理解した上で、いかに集客できるかがカギとなります。
想定利益をさらに改善するためのアイデア
想定利益は出ますが、立地のハンデを完全に克服し、事業を安定させるために、集客と費用削減の両面から以下のアイデアを提案します。
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ニッチな層に特化した超大型貸し切り需要の獲得:
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ターゲット: 撮影スタジオ、企業の研修・合宿、学校の部活動の遠征宿、外国人技能実習生の長期寮など。
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戦略: 5DK住居と4つの2Kアパート部分という複雑な構造を逆手に取り、「住居+研修室」や「ホストの居住空間+レンタルスペース」など、民泊の枠を超えた複合的な用途を打ち出し、超長期(数週間〜数ヶ月)の安定した予約を取り込む。
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DIYによるユニークな付加価値の創出:
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広範なDIYが可能なため、宿泊単価4万円に見合うだけの**「体験型」の付加価値**を加える。例として、アパートの一部を潰して大型のBBQスペースやサウナ(要許認可確認)を設置し、近隣の競合にはない強烈な魅力を創造する。
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費用削減と効率化:
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アパート部分の4室は間取りが2Kで、全てを民泊として使うと清掃・管理コストが高くなります。リフォーム済みの5DK住居部分をゲスト用とし、2Kアパート部分の1〜2室を清掃スタッフの控室や倉庫に割り当てることで、清掃動線を最適化し、管理費用(清掃費、光熱費)の無駄を削減する。
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