物件情報
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物件種別: マンション
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所在地: 東京都葛飾区金町3丁目
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最寄駅: JR常磐線 金町駅 徒歩5分
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民泊時賃料: 165,000円(税込)
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管理費等: 9,000円
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初期費用: 敷金1ヶ月(償却)、礼金2ヶ月
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特徴:
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民泊相談が可能(別途契約条件)
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2DK(48㎡)の広さ
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築38年
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最上階、2面バルコニー
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ペット相談可
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民泊適正評価
この物件は、**「民泊相談可」**と明確な条件が提示されており、民泊運営の最大のハードルであるオーナーの許可を事前に得ている点が大きな強みです。JR金町駅から徒歩5分というアクセスは、上野駅まで乗り換えなしで行けるため、都内観光の拠点として非常に魅力的です。48㎡の2DKという広さは、ファミリーや友人同士のグループ旅行に最適で、高い単価を設定できる可能性があります。最上階の角部屋で、2面にバルコニーがあることも、ゲストにとって大きなアピールポイントとなります。
しかし、デメリットも明確です。最大の課題は、民泊時の月額16.5万円という非常に高額な家賃です。管理費を含めると月額約17.4万円となり、この固定費を回収するには、高い稼働率と高単価を常に維持しなければなりません。また、築38年という築年数の古さも、水回りや内装の老朽化が進んでいる可能性が高く、リフォーム費用を考慮に入れる必要があります。
契約前に確認するポイント
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民泊時の賃料・条件の確認: 「民泊相談可/条件変更有」とあるため、民泊利用時の正確な賃料や敷金、礼金、契約期間などを必ず書面で確認しましょう。
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行政の審査と許可: 貸主が民泊を承諾していても、最終的な運営の可否は、行政(保健所など)の審査によって決まります。物件が「住宅宿泊事業法(民泊新法)」や「旅館業法」の要件を満たせるか、事前に確認することが不可欠です。
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初期費用の確認: 敷金1ヶ月償却、礼金2ヶ月という条件は、初期費用が多額になることを意味します。事前に必要な費用を正確に把握しておきましょう。
周辺地域の平均稼働率
東京都葛飾区は、都心から少し離れていますが、柴又帝釈天など観光地も有しており、一定のインバウンド需要があります。都心部の高級物件と比べると単価は下がりますが、駅近という強みから、ある程度の需要は見込めます。このエリアの民泊年間平均稼働率は**60%**程度が現実的なラインでしょう。
運営した場合の想定年間利益
この物件で民泊を運営した場合の収益を、より現実的な数字でシミュレーションしてみましょう。
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月額費用:
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家賃+管理費: 174,000円
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光熱費・水道代(ゲスト使用分): 約10,000円
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Wi-Fi費用: 約5,000円
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消耗品費(アメニティ、清掃用具など): 約5,000円
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清掃委託費: 1回7,000円(月6回清掃と仮定): 42,000円
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合計月額費用: 236,000円
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月間売上(想定):
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1泊あたりの宿泊料金を15,000円に設定します。
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月間稼働率を60%(年間219泊)と仮定。
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月間売上: 15,000円 × 30日 × 60% = 270,000円
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想定年間利益:
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月間売上270,000円 - 月間費用236,000円 = 月間利益 34,000円
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年間利益: 34,000円 × 12ヶ月 = 408,000円
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想定利益が低い場合の改善アイデア
上記のシミュレーションでは、年間約40万円という、初期投資を回収するのに時間がかかる厳しい結果となりました。この利益を安定させ、さらに伸ばすため、以下のアイデアを検討してみてください。
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徹底したコスト管理:
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清掃委託費が運営コストの大きな割合を占めているため、自己清掃に切り替えることで、コストを大幅に削減できます。
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コンセプトを明確に:
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ペット可という特徴を前面に押し出し、ペット用の設備を充実させることで、ペット連れの旅行客に特化した高単価の施設にすることも可能です。
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長期滞在プランの提供:
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出張や旅行客向けに、お得な長期滞在プランを用意することで、稼働率を安定させ、清掃コストを削減することができます。
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この物件は、高額な家賃というリスクがある一方で、抜群の立地とオーナーの理解という強みがあります。しかし、収益を確保するためには、徹底したコスト管理と、物件の個性を活かしたマーケティング戦略が不可欠です。安易に手を出さず、慎重に検討するべき物件と言えるでしょう。