物件情報
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物件種別: 一戸建て
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所在地: 滋賀県大津市梅林
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最寄駅: JR東海道本線(琵琶湖線) 大津駅 徒歩圏内
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家賃: 80,000円
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初期費用: 敷金1ヶ月分、礼金2ヶ月分(事業用利用の場合別途消費税)
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特徴:
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民泊利用が可能
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最寄りの大津駅まで徒歩圏内の好立地
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室内が解体されており、リフォームが自由
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築年数・専有面積の記載なし
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民泊適正評価
この物件は、「民泊可」と明確に記載されており、民泊運営の最大のハードルの一つであるオーナーの許可を事前に得ている点が大きな強みです。また、最寄りの大津駅まで徒歩圏内であるため、京都や大阪へのアクセスも比較的良好で、観光客の需要も見込めます。さらに、「室内は老朽化が激しいので、室内解体して...お使いください」と記載されており、内装が自由にカスタマイズできるため、運営者のコンセプトに合わせてユニークな宿泊体験を提供できる点は、競合物件との差別化を図る上で大きなメリットです。
しかし、デメリットも明確です。最大の課題は多額の初期費用です。家賃の8万円に加え、敷金1ヶ月分、礼金2ヶ月分(合計24万円)と、事業用利用の場合はこれに消費税が加算されるため、民泊運営を始める際の初期投資が非常に高額になります。さらに、内装が全て解体されている状態からスタートするため、リフォーム費用が数百万円単位でかかる可能性があり、多額の資金を準備する必要があります。
契約前に確認するポイント
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行政の審査と許可: 貸主が民泊を承諾していても、最終的な運営の可否は、消防署や行政(保健所など)の審査によって決まります。用途地域や建物の構造・設備が許可要件を満たしているか、行政書士などの専門家にも相談して確認しましょう。
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初期費用の詳細: 「事業用利用の場合は賃料、礼金に別途消費税がかかります」と記載されているため、具体的な金額を不動産会社に確認してください。
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リフォーム費用と範囲: リフォームが自由とは言っても、建物の構造に関わる部分(壁の撤去など)は制限される場合があります。また、老朽化が激しい場合、想定以上のリフォーム費用がかかるリスクがあります。事前に専門業者に見積もりを取るなど、費用をしっかりと把握しておきましょう。
周辺地域の平均稼働率
大津市は京都から近く、琵琶湖の観光拠点でもあるため、民泊需要が一定数見込めます。Google検索で確認したところ、大津市周辺の宿泊施設の客室稼働率は60%〜70%程度と見込まれますが、民泊の稼働率はそれより低くなる可能性があります。特に、京都からの観光客は京都駅周辺に滞在する傾向が強いため、滋賀県特有の観光客(琵琶湖周辺のアクティビティなど)をターゲットにすることが重要です。
運営した場合の想定年間利益
この物件で民泊を運営した場合の収益を、現実的な数字でシミュレーションしてみましょう。 ※リフォーム費用は含んでいません。
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月額費用:
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家賃: 80,000円
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光熱費・水道代(ゲスト使用分): 約15,000円
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Wi-Fi費用: 約5,000円
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消耗品費(アメニティ、清掃用具など): 約5,000円
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清掃委託費: 1回6,000円(月7回清掃と仮定): 42,000円
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合計月額費用: 147,000円
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月間売上(想定):
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リフォーム費用をかけて内装を充実させた場合、1泊あたりの宿泊料金を15,000円に設定します。
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月間稼働率を30%(年間109泊)と仮定。
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月間売上: 15,000円 × 30日 × 30% = 135,000円
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想定年間利益:
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月間売上135,000円 - 月間費用147,000円 = 月間利益 -12,000円
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年間利益: -12,000円 × 12ヶ月 = -144,000円
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想定利益が低い場合の改善アイデア
上記のシミュレーションでは、月間利益がマイナスになるという厳しい結果となりました。これは、高い家賃に加え、内装が未完成であるための集客難と清掃費用の高さが原因です。この物件で利益を出すためには、以下のアイデアを検討してみてください。
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コンセプトを明確に:
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リフォームが自由であるため、ゲストがSNSで共有したくなるようなユニークな内装やコンセプト(例:レトロモダン、北欧風など)を施し、集客力を高めましょう。
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徹底したコスト管理:
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高額な清掃委託費を削減するため、自己清掃に切り替えるか、より安価な業者を探しましょう。
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光熱費を抑えるため、省エネ家電を導入するなど、節約できる部分を徹底的に見直しましょう。
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ニッチなターゲット層の開拓:
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琵琶湖でのアクティビティ目的の旅行者や、京都のホテルが満室で安価な宿泊先を探しているゲストなど、特定の層に絞ってアピールすることで、稼働率を上げられる可能性があります。
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この物件は、立地の良さやリフォームの自由度といった強みがある一方で、高額な初期費用とリフォーム費用が収益化の大きなハードルとなります。安易に手を出さず、詳細な事業計画を立てた上で判断することが成功の鍵となるでしょう。