物件情報
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物件種別: 平屋の一軒家(築56年)
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所在地: 茨城県土浦市鳥山
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間取り: 3K(洋10帖・洋6帖・洋6帖)
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家賃: 55,000円
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初期費用: 約101,000円〜(保証会社費用、火災保険料など)
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特徴:
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民泊可能、大家から直接募集のため仲介手数料無料
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広い庭(100平米以上)とガレージ付き
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ペット飼育可(大型犬もOK)
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外壁や内装がリフォーム済みで、新品設備も多数導入
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駐車場2台分あり
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民泊適正評価
この物件は、家賃が非常に安く、初期費用も抑えられるため、民泊運営の初期投資を抑えたい方にとって魅力的な選択肢です。特に、オーナーが民泊に協力的である点は大きなメリットです。築古物件ですが、リフォーム済みで状態が良く、広い庭とガレージは、都心ではなかなか見つからないユニークな強みとなります。ファミリーやペット連れの旅行客、長期滞在を希望するゲストにアピールできるでしょう。
しかし、デメリットもしっかりと理解しておく必要があります。最大の課題は、立地と交通の不便さです。最寄りの荒川沖駅までは車で8分、土浦駅やつくば駅からも車で15分以上かかります。最寄りのバス停も徒歩9分と、公共交通機関でのアクセスは良いとは言えません。民泊の利用者は、駅から徒歩圏内や、観光地へのアクセスが良い場所を好む傾向にあります。この物件の場合、ゲストは自家用車やレンタカーを利用することが前提となるため、ターゲット層が限られてしまう可能性があります。
また、近隣にコンビニやスーパーがあるものの、全て車での移動が必要です。生活の利便性を求めるゲストにとっては不便に感じられるかもしれません。立地が不便な分、料金を安く設定しないと集客が難しく、結果的に収益性が低くなるリスクも考慮する必要があります。
契約前に確認するポイント
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民泊運営の具体的な条件: 大家さんが民泊に協力的でも、運営時間や騒音、ゴミ出しなど、トラブル防止のためのルールが設けられている可能性があります。運営を開始する前に、これらの条件を文書で明確に確認しましょう。
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家具や備品の搬入・設置: 平屋のため搬入はしやすいですが、広い庭やガレージをどのように活用するか、具体的なイメージを持っておくことが大切です。
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周辺住民との関係: 民泊は近隣住民とのトラブルに発展するケースも少なくありません。特にこの物件は住宅街にあるため、挨拶回りをするなど、事前に良好な関係を築く努力が必要です。
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Wi-Fi環境の整備: ゲストにとって、高速なインターネット環境は必須です。この物件には記載がないため、自身で回線を契約し、整備する必要があります。
周辺地域の平均稼働率
茨城県土浦市周辺の民泊稼働率は、都心部と比べると高くない傾向にあります。観光地へのアクセスが限定的であることや、ビジネス利用の需要も限られているためです。民泊データサイトなどによると、土浦市やつくば市周辺の民泊の年間平均稼働率は20%〜30%程度と見込まれます。特に駅から離れた郊外物件では、この水準を下回る可能性も考慮に入れるべきでしょう。
運営した場合の想定年間利益
この物件で民泊を運営した場合の収益を、現実的な数字でシミュレーションしてみましょう。
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月額費用:
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家賃: 55,000円
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光熱費・水道代(ゲスト使用分): 約15,000円
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Wi-Fi費用: 約5,000円
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消耗品費(アメニティ、清掃用具など): 約5,000円
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清掃委託費: 1回5,000円(月5回清掃と仮定): 25,000円
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合計月額費用: 105,000円
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月間売上(想定):
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近隣の宿泊相場は、一泊あたり1人5,000円~8,000円程度。この物件は最大6〜8人程度まで収容可能と想定し、1泊20,000円に設定。
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月間稼働率を25%(年間91泊)と仮定。
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月間売上: 20,000円 × 30日 × 25% = 150,000円
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想定年間利益:
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月間売上150,000円 - 月間費用105,000円 = 月間利益45,000円
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年間利益: 45,000円 × 12ヶ月 = 540,000円
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初期費用を考慮すると、回収に約3ヶ月かかります。
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想定利益が低い場合の改善アイデア
上記のシミュレーションでは、月間利益は4.5万円、年間利益は54万円と、十分な収益とは言えない結果となりました。特に立地の問題を抱えるこの物件で利益を最大化するためには、以下のアイデアを検討してみてください。
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ターゲット層の絞り込み:
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ペット同伴の旅行者: 大型犬も可能な広い庭は、都心では稀有な物件です。ペット連れに特化したサービス(ドッグランやケージの提供、ペットアメニティの充実など)で高単価を設定し、差別化を図りましょう。
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ファミリー層: 広い庭とガレージは、子ども連れの家族にとって魅力的です。BBQセットや遊具を設置するなど、ファミリー向けの設備を充実させると集客力が上がります。
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自転車旅行者: 霞ヶ浦周辺はサイクリングロードが整備されており、サイクリストにとって人気のエリアです。ガレージを自転車のメンテナンススペースとして提供するなど、サイクリスト向けのサービスをアピールするのも有効です。
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ユニークな体験の提供:
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古民家体験: 築56年の古民家であることを強みとし、日本の伝統的な暮らしを体験できるようなコンテンツを提供しましょう。囲炉裏を囲んでの食事や、昔ながらのおもちゃを用意するなど、他の物件にはない体験価値を提供することで、集客と高単価につなげることができます。
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地域連携: 近隣の飲食店や土浦魚市場、霞ヶ浦総合公園と連携し、特典付きのプランや体験ツアーを提供することで、集客とリピーター獲得を目指しましょう。
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この物件は、立地のデメリットを上回る「ユニークさ」や「体験価値」を提供できれば、高収益につながる可能性を秘めています。ただ部屋を貸すだけでなく、どのようなゲストにどんな思い出を提供したいかを具体的にイメージすることが成功の鍵となるでしょう。