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福岡県北九州市八幡東区の築古賃貸戸建ては民泊可能?家賃4.2万円の3DKを徹底評価

物件情報

 

  • 物件名: 八幡東区東丸山町貸家(左側)

  • 住所: 福岡県北九州市八幡東区東丸山町

  • 交通: JR鹿児島本線 スペースワールド駅 徒歩19分

  • 賃料: 4.2万円(事業用契約の場合は消費税加算)

  • 管理費等: なし

  • 敷金/礼金: なし / なし

  • 間取り: 3DK

  • 広さ: 55㎡

  • 築年月: 1974年6月(築51年4ヶ月)

  • 特徴: 民泊施設としての活用も可能、ペット相談可、楽器相談、初期費用カード決済可、更新料なし

  • 詳細URL: https://house.ocn.ne.jp/chintai/detail/0/6985726569/80505948/x06985726569.html

 

民泊適正評価

 

良い点

  • 圧倒的な初期費用の安さ: 敷金・礼金・更新料が全てゼロのため、開業初期にかかる費用を大幅に抑えることができます。これは、資金が限られている個人事業主にとって非常に大きなメリットです。

  • 賃料の安さ: 4.2万円という賃料は、事業用契約で消費税が加算されても月額約4.6万円と、固定費を低く抑えることができます。これにより、安定した利益を出しやすい構造と言えるでしょう。

  • ペット相談可: 小型犬から大型犬、猫まで多頭飼いも可能という条件は、他の民泊施設との強力な差別化要因となります。ペット同伴の旅行需要を狙うことができます。

  • 民泊への理解: 「会社の寮や民泊施設としての活用も可能」と明記されており、オーナーが民泊事業に前向きな姿勢であることがわかります。

悪い点

  • 立地の不便さ: 最寄り駅から徒歩19分という距離は、公共交通機関を利用するゲストの集客を難しくします。車移動が前提の層にターゲットを絞らなければなりません。

  • 築年数の古さ: 築51年と非常に古く、リフォーム履歴が記載されていないため、内装や設備の老朽化は避けられません。給湯器やエアコンなど、主要な設備が故障した場合の修繕費用が経営を圧迫する可能性があります。

  • 手狭な空間: 3DKとはいえ、専有面積が55㎡とコンパクトです。大人数での利用には向かず、ファミリー層やグループ客の集客は難しいかもしれません。

  • 家賃に消費税が加算: 事業用契約の場合、賃料4.2万円に消費税が加わり、実質的な家賃は4.62万円となります。わずかではありますが、固定費が増加する点も認識しておくべきです。

 

契約前に確認するポイント

 

  • 事業用契約の条件: 賃料の消費税加算の他、民泊運営に関する詳細なルールや、契約期間、解約条件などを書面でしっかりと確認しましょう。

  • 内見による物件のチェック: 特に築古物件のため、内見時に雨漏りや水回りの状態、建具の立て付けなどを入念にチェックすることが不可欠です。

  • 修繕費用の負担: 設備が故障した場合や、建物の不具合があった際の修繕費用について、オーナーと入居者のどちらが負担するのかを明確に合意しておく必要があります。

 

周辺地域の平均稼働率

 

北九州市八幡東区は、小倉駅周辺のような観光の中心地ではありません。そのため、本物件の稼働率は市内平均を下回ると想定すべきです。現実的な運営計画を立てるために、年間を通して平均25%程度の稼働率を目標に設定するのが妥当でしょう。

 

運営した場合の想定年間利益

 

賃料に消費税が加算されることを考慮し、現実的な収益シミュレーションを行います。

  • 設定条件:

    • 1泊あたりの平均単価: 14,000円(コンパクトな広さを考慮)

    • 年間平均稼働率: 25%(車での利用客にターゲットを絞った場合の目標値)

    • 年間運営日数: 365日

    • 年間家賃: 46,200円(消費税加算後) × 12ヶ月 = 554,400円

    • その他年間運営費: 360,000円(水道光熱費、清掃費、消耗品、仲介手数料など)

  • 収益計算:

    • 年間売上: 14,000円 × 365日 × 0.25(稼働率) = 1,277,500円

    • 年間経費: 554,400円(家賃) + 360,000円(その他経費) = 914,400円

    • 想定年間利益: 1,277,500円 - 914,400円 = 363,100円

このシミュレーション結果を見ると、家賃が安いにもかかわらず、利益額は決して高くありません。手狭な空間と立地の不便さから宿泊単価と稼働率が抑えられてしまうため、利益を出すには厳しい状況と言えます。

 

想定利益が低い場合は、改善するためのアイデア

 

この物件で収益性を向上させるためには、以下の戦略が考えられます。

  1. ターゲットの再設定:

    • 大人数ではなく、「2人組の旅行者」や「カップル」、「少人数の出張者」など、少人数での利用をメインに据えます。

    • 「ペットと泊まれる宿」としてのブランディングを徹底し、付加価値を最大化します。

  2. 独自のコンセプト確立:

    • 築51年のレトロな雰囲気を活かし、和モダンやヴィンテージ家具を取り入れた内装にすることで、デザイン性を求めるゲストに訴求します。

    • 単なる宿泊施設ではなく、「犬猫と暮らすように旅する」など、体験型のコンセプトを打ち出すことで、集客力を高めます。

  3. 効率的な運営の工夫:

    • 清掃業務を自身で行う、消耗品を安価に仕入れるなど、徹底したコスト削減を図る。

    • 長期滞在を歓迎し、割引を設定することで、安定的な稼働を確保する。

家賃の安さという最大の強みを活かしつつ、弱点である立地と広さを補うための工夫が、この物件での民泊成功の鍵となるでしょう。