物件情報
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物件名: 八幡東区上本町1丁目貸家
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住所: 福岡県北九州市八幡東区上本町1丁目
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交通: JR鹿児島本線 スペースワールド駅 徒歩24分
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賃料: 4.2万円
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管理費等: なし
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敷金/礼金: なし / なし
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間取り: 3DK
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広さ: 79.66㎡
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築年月: 1965年1月(築60年9ヶ月)
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特徴: 民泊施設としてなど相談可、ペット相談可、楽器相談、閑静な住宅街、ルームシェア可、初期費用カード決済可、更新料なし
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詳細URL: https://house.ocn.ne.jp/chintai/detail/0/6985154758/80505948/x06985154758.html
民泊適正評価
良い点
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圧倒的な安さ: 賃料4.2万円は、民泊運営における最大のメリットです。固定費が非常に低いため、家賃分を回収するハードルが低く、利益が出やすい構造です。敷金・礼金・更新料もかからないため、初期投資を大幅に抑えられます。
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ターゲット層の広さ: 「ペット相談可」「ルームシェア可」という条件は、他の物件との差別化に大きく貢献します。特に多頭飼いが可能な物件は稀少であり、ペット連れ旅行客の需要を独占できる可能性があります。
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民泊相談可能: 「民泊施設としてなども相談可」という記載は、オーナーが民泊に理解があることを示しており、後々のトラブルリスクを軽減できます。
悪い点
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立地の不便さ: JRスペースワールド駅から徒歩24分は、ゲストにとって大きなデメリットです。特に公共交通機関を利用するゲストの集客は極めて難しいでしょう。車がないと身動きがとれないため、ターゲットは必然的に車移動が中心の層に限定されます。
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築年数の古さ: 築60年という建物の古さは、最大の懸念点です。リフォーム履歴の記載がないため、室内の老朽化はもちろん、雨漏りや水回りのトラブル、シロアリ被害などのリスクも高まります。設備投資や突発的な修繕費がかさむ可能性を覚悟しなければなりません。
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集客の難しさ: 周辺に観光施設が少ないため、地域自体に集客力がありません。テーマパーク跡地という立地は、かつてのにぎわいを期待するゲストには失望を与えるかもしれません。
契約前に確認するポイント
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建物の詳細な状態: 築60年という古さを考慮し、入居前に建物の隅々まで、特に水回りや床下の状態を確認しましょう。雨漏りやシロアリ被害の有無は必ずチェックすべきです。
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民泊運営の条件: 「民泊施設としてなども相談可」の具体的な条件を確認します。運営形態(住宅宿泊事業か、特区民泊か)、宿泊可能日数、近隣住民への配慮事項などを書面で交わしておくことが重要です。
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修繕費用負担の取り決め: 設備故障や建物の劣化による修繕費用について、入居者とオーナーのどちらが負担するのかを明確に定めておきましょう。
周辺地域の平均稼働率
北九州市内の民泊需要は、小倉駅周辺や門司港など、主要な観光地に集中しています。八幡東区はこれらのエリアから離れており、観光目的のゲストにとって第一候補になりにくいのが現状です。そのため、北九州市全体の平均稼働率(約50%)をそのまま当てはめるのは非現実的です。本物件の立地を考えると、初期の稼働率は20%程度と低く見積もり、徐々に集客を伸ばしていく計画を立てるのが賢明でしょう。
運営した場合の想定年間利益
上記の前提に基づき、家賃の安さを活かした現実的な収益シミュレーションを行います。
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設定条件:
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1泊あたりの平均単価: 15,000円(安さを売りにした価格設定)
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年間平均稼働率: 25%(車での利用客にターゲットを絞った場合の目標値)
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年間運営日数: 365日
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年間家賃: 4.2万円 × 12ヶ月 = 504,000円
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その他の年間運営費: 360,000円(電気・ガス・水道・インターネット、清掃費、消耗品、仲介手数料など)
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収益計算:
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年間売上: 15,000円 × 365日 × 0.25(稼働率) = 1,368,750円
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年間経費: 504,000円(家賃) + 360,000円(その他経費) = 864,000円
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想定年間利益: 1,368,750円 - 864,000円 = 504,750円
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家賃が低い分、利益は出やすい構造ですが、集客がうまくいかない場合は、この利益が大幅に目減りするリスクがあります。稼働率が20%に留まれば、年間利益は約23万円となり、手元に残る金額はわずかです。
想定利益が低い場合は、改善するためのアイデア
家賃の安さを活かしつつ、利益を安定させるための戦略は以下の通りです。
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ターゲットを明確化する:
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「ペット同伴専門」の宿としてブランディングし、ペットオーナーのコミュニティに積極的にアピールする。
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「車で来るグループ旅行」や「長期滞在の出張者」に絞って、駐車場の利便性や広いスペースを強みとして訴求する。
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高齢者や生活保護受給者なども快く受け入れるという特長を活かし、行政や福祉関係者と連携して特定のニーズを取り込むことも可能です。
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レトロ感を活かしたコンセプト:
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築60年の古さを「レトロな日本の古民家」としてポジティブに捉え、独特な雰囲気を楽しむ層に訴求する。内装を工夫し、SNS映えする空間を作り上げることで、集客力を高められます。
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付加価値の提供:
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宿泊客向けに、近隣の工場夜景ツアーや北九州市のディープなローカル情報を紹介するなど、このエリアならではの体験を提供することで、付加価値を高めます。
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自転車の無料レンタルサービスなどを提供し、駅からの不便さを解消する工夫も有効です。
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この物件の最大の武器は「賃料の安さ」です。集客の難しさという課題を乗り越えれば、ローリスクで民泊事業を始められる非常に魅力的な選択肢となり得ます。リスクを理解した上で、いかにターゲットを絞り、独自の魅力を生み出すかが成功への鍵を握ります。