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東京都墨田区・民泊可物件ガイド:家賃70万円の戸建ては、高収益を生むか?

物件情報

 

  • 所在地: 東京都墨田区東駒形3丁目

  • 交通: 都営浅草線「本所吾妻橋」駅 徒歩3分、東京メトロ銀座線「浅草」駅 徒歩9分、東武スカイツリーライン「東京スカイツリー」駅 徒歩10分

  • 間取り・面積: 3LDK・97.87㎡(4階建て戸建てタイプ)

  • 家賃・管理費: 700,000円 / 10,000円(合計710,000円)

  • その他: 敷金1ヶ月・礼金1ヶ月、2020年フルリノベーション済み、家具・家電付き、民泊可、事務所・ルームシェア可

  • 物件情報URL: https://house.ocn.ne.jp/chintai/detail/0/6987462016/00278253/x06987462016.html


 

民泊適正評価

 

【良い点】

  • 圧倒的な立地: 東京随一の観光地である浅草とスカイツリーの中間に位置し、最寄り駅からも徒歩3分という、集客力においてこれ以上の条件は望めません。国内外の観光客をターゲットにする上で最大の強みです。

  • リノベーション済み: 築29年ですが、2020年に内外装がフルリノベーションされているため、新築に近い状態で利用できます。これにより、入居後の大規模な修繕費用を心配する必要がありません。

  • 初期費用を抑えられる: 家賃は高額ですが、敷金・礼金がそれぞれ1ヶ月分と、同クラスの物件と比べると初期費用が比較的低く抑えられています。

【悪い点】

  • 家賃の絶対額が非常に高い: 月額70万円という家賃は、民泊事業の固定費として非常に重いです。ひと月でも稼働率が落ちれば、大きな赤字に転落するリスクがあります。

  • 高収益を維持するプレッシャー: 莫大な固定費を賄うためには、年間を通して高い稼働率と高単価を維持する必要があります。運営者の手腕が非常に重要となります。


 

契約前に確認するポイント

 

  • 民泊運営の具体的なルール: 住宅街に位置するため、騒音やゴミ出しなどで近隣住民とのトラブルにならないよう、具体的な運営上のルールを事前に貸主と協議しておくことが重要です。

  • 「戸建てタイプ」の詳細: 4階建ての戸建てタイプという珍しい構造であるため、各階の用途やゲストの動線、家具の配置など、具体的な利用イメージを事前に確認しておきましょう。


 

周辺地域の平均稼働率

 

墨田区は、東京スカイツリーや浅草という観光名所を抱え、民泊の需要も非常に高いです。平均稼働率は**75%〜85%と、都内でもトップクラスの水準を維持しています。この物件は、立地の良さから年間を通して80%**という高い稼働率を現実的な目標として設定できます。


 

運営した場合の想定年間利益

 

高額な家賃というリスクに対し、立地の良さと広さを活かし、1泊あたり現実的な単価を設定した場合のシミュレーションを行います。

  • 運営コスト: 年間家賃71万円×12ヶ月=852万円。その他、水道光熱費・Wi-Fi費用を月4万円と仮定し、年間48万円

  • 客単価・稼働率: 1泊あたり45,000円、年間平均稼働率を**80%**と仮定します。

【シミュレーション】

  • 年間売上: 45,000円 × 365日 × 0.80(稼働率)= 13,140,000円

  • 年間経費(初年度):

    • 家賃:8,520,000円

    • 初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など):2,520,000円

    • 水道光熱費など:480,000円

    • 清掃・消耗品費:3,000,000円

    • 管理・手数料(売上の10%):1,314,000円

    • 年間総経費: 15,834,000円

  • 想定年間利益(初年度): 13,140,000円(売上)- 15,834,000円(経費)= -2,694,000円

このシミュレーション結果からわかる通り、1泊単価45,000円では、家賃70万円の物件で利益を出すことは非常に困難です。 清掃・消耗品費を抑えても、売上が経費を大幅に下回っており、年間250万円以上の赤字となる可能性が高いです。事業として成り立たせるためには、客単価を大幅に上げるか、家賃を大幅に下げるか、抜本的な見直しが必要になります。


 

想定利益が低い場合の改善アイデア

 

  • 清掃費を削減する: 清掃を自分で行う、または清掃業者との交渉を重ねることで、清掃・消耗品費をさらに削減できれば、赤字額は減少します。

  • 特別な付加価値を提供する: 高い家賃を正当化するため、コンシェルジュサービスや、墨田区ならではの体験(江戸切子体験など)を宿泊プランに組み込むことで、客単価の上昇を目指すべきです。

  • 長期滞在を誘致: 閑散期には割引を提供したり、長期滞在向けのサービスを充実させたりすることで、安定した稼働率を確保しましょう。

  • 家賃交渉: 貸主との家賃交渉は必須です。この物件の立地や広さを考慮しても、家賃70万円は非常に高額であり、民泊事業としての採算性を考慮すると、現実的な家賃への引き下げを交渉すべきです。