物件情報
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所在地: 東京都江戸川区東小岩6丁目
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交通: JR総武・中央緩行線 小岩駅 徒歩6分
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間取り・面積: 1LDK・49.74㎡
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家賃: 400,000円
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その他: 築47年、旅館業仕様に変更済み、家具無償提供の可能性あり、敷金2ヶ月・礼金3ヶ月・仲介手数料1.1ヶ月、オーナーが同建物に居住
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物件情報URL: https://house.ocn.ne.jp/chintai/detail/0/6987545199/00272308/x06987545199.html
民泊適正評価
【良い点】
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最高の立地とアクセス: JR小岩駅から徒歩6分という立地は、都心へのアクセスも良く、成田空港・羽田空港へのリムジンバスも発着するエリアです。観光客にとって非常に利便性が高く、集客力は抜群です。
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旅館業仕様とリフォーム済み: オーナーが過去に旅館業を営んでいたため、許可申請がスムーズに進む可能性があります。さらに、キッチン交換などリフォーム済みで、家具の無償提供も交渉可能となれば、事業開始時の初期費用を抑えることができます。
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オーナーのサポート: 2・3階にオーナーが居住しているため、ゲスト対応で何かトラブルがあった際に迅速なサポートを期待できる可能性があります。
【悪い点】
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家賃が高すぎる: 月額40万円という家賃は、この物件の最大の、そして最も致命的な欠点です。年間の家賃だけで480万円という莫大な固定費が発生するため、どれだけ稼働率が高くても利益を出すのが非常に困難です。
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莫大な初期費用: 礼金3ヶ月(120万円)、敷金2ヶ月(80万円)、仲介手数料1.1ヶ月(44万円)と、契約時だけで合計244万円もの現金が必要です。この金額は、ほとんどの民泊事業者が用意できるものではありません。
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1LDKという間取りの限界: 1LDKでは宿泊人数が限られます。カップルや少人数旅行者には適していますが、大人数のグループ需要には応えられず、客単価を上げるのにも限界があります。
契約前に確認するポイント
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家賃の再交渉: 40万円という家賃は、民泊運営として採算が合うのかどうかを冷静に分析し、オーナーに事業計画を提示した上で、家賃交渉を試みる価値があるかもしれません。
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家具提供の条件: 「無償提供可能」とありますが、それが契約書に明記されるのか、またどのような家具が含まれるのかを具体的に確認しましょう。
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管理会社の対応範囲: オーナーが居住しているとはいえ、トラブル時の対応範囲や責任の所在を明確にするため、管理会社との契約内容を細かく確認することが重要です。
周辺地域の平均稼働率
都内でも人気の民泊エリアである江戸川区では、平均稼働率は80%前後と非常に高い水準を維持しています。特に小岩駅周辺は、都心へのアクセスの良さから安定した需要が見込めます。この物件の稼働率も、適切に運営すれば80%以上を達成できる可能性は十分にあります。
運営した場合の想定年間利益
高い家賃と高い稼働率という、両極端な条件でシミュレーションを行います。
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運営コスト: 年間家賃480万円。その他、水道光熱費・Wi-Fi費用を月3万円、清掃費用・消耗品を月10万円と仮定します。
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客単価・稼働率: 好立地とリフォーム済みであることを考慮し、1泊あたり2万円、年間平均稼働率を80%と仮定します。
【シミュレーション】
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年間売上: 20,000円 × 365日 × 0.80(稼働率)= 5,840,000円
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年間経費(初年度):
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家賃:4,800,000円
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初期費用(敷金・礼金・仲介手数料):2,440,000円
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水道光熱費など:360,000円
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清掃・消耗品費:1,200,000円
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管理・手数料(売上の10%):584,000円
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年間総経費: 9,384,000円
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想定年間利益(初年度): 5,840,000円(売上)- 9,384,000円(経費)= -3,544,000円
このシミュレーション結果からわかる通り、初年度は数百万単位の莫大な赤字となります。2年目以降は初期費用がなくなりますが、それでも年間約98万円の赤字が残る計算です。月額40万円という家賃は、1LDKの民泊では到底ペイできる水準ではありません。
想定利益が低い場合の改善アイデア
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超高単価のVIP向け民泊: 通常のゲストではなく、企業の長期滞在や超富裕層の利用をターゲットに、1泊5万円以上の超高単価を設定する必要があります。
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他事業との組み合わせ: 民泊単体での運営は難しいため、日中は企業のミーティングスペースやフォトスタジオとして貸し出すなど、多角的な活用を検討するべきでしょう。
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家賃交渉の成功が前提: この物件で利益を出すには、家賃を半額以下にしてもらうなど、大幅な交渉成功が必須条件となります。家賃交渉が難航する場合は、潔く諦めるのが賢明な判断です。