物件情報
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物件名: クラン豊島A
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住所: 東京都北区豊島6丁目
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賃料: 16.5万円
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管理費等: なし
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敷金/礼金: なし / 2ヶ月
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保証金/償却: 6ヶ月 / 2ヶ月(退去時)
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間取り/広さ: 店舗 / 47.25㎡
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築年月: 1978年1月(築48年)
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交通:
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東京メトロ南北線 王子神谷駅 徒歩14分
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JR京浜東北・根岸線 王子駅 徒歩22分
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都営バス「新豊橋」バス停 徒歩2分
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その他: 重飲食可、民泊可能
民泊適正評価
この物件は、民泊運営においていくつかの強力なメリットと注意すべき点を併せ持っています。
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メリット:
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立地と視認性: 商店街の角地という立地は、看板などを設置することで高い視認性を確保でき、地域住民や通りすがりの人にもアピールできます。
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ユニークなコンセプト: 重飲食が可能なため、飲食サービスと宿泊を組み合わせた新しいスタイルの民泊事業を展開できます。
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賃料: 東京の好立地で16.5万円という賃料は、事業用物件としては比較的安価です。
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バス便の利便性: バス停が徒歩2分と近く、王子や池袋、赤羽など多くの主要駅にアクセスできるため、駅から遠いというデメリットを補完できます。
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デメリット:
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高額な初期投資: 物件はスケルトン状態であるため、民泊に必要なキッチン、バスルーム、トイレなどの水回りをすべて新たに設置する必要があります。この費用に加え、内装工事費、家具・家電購入費を合わせると、数百万円単位の初期投資が必要になります。
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駅からの距離: 最寄り駅から徒歩14分と遠いため、ゲストはバスやタクシーの利用を前提とする必要があります。
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築年数の古さ: 築48年と古いため、水回りや設備に予期せぬトラブルが発生するリスクも考慮すべきです。
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高額な初期費用: 礼金2ヶ月分に加え、保証金6ヶ月分と高額なため、初期投資額が大きくなります。
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契約前に確認するポイント
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初期投資の概算: スケルトン状態からの工事費用(内装、電気、ガス、水道、空調など)を専門業者に見積もり依頼し、正確な初期投資額を把握しましょう。
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民泊の許可・条件: 「民泊可能」という記載ですが、具体的にどのような許可(民泊新法、旅館業法など)が必要か、その取得条件を不動産会社を通じて確認することが必須です。
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賃貸条件の詳細: 礼金2ヶ月分、保証金6ヶ月分、更新料(1.5ヶ月分)など、契約時に発生するすべての費用を正確に把握しましょう。
周辺地域の平均稼働率と想定年間利益
東京都北区は、都心へのアクセスが良く、民泊需要も高いエリアです。特にグループやファミリー層をターゲットにすることで、高稼働率を目指せます。ここでは、駅から少し離れている点を考慮し、現実的な年間稼働率を65%と仮定して収支をシミュレーションします。
【前提条件】
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家賃: 16.5万円/月
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想定運営コスト: 3.5万円/月(光熱費、Wi-Fi、消耗品費など)
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清掃費: 5,000円/回 × 稼働回数
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民泊運営代行費用: 月売上の20%(委託する場合)
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年間稼働率: 65%
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平均宿泊単価: 1泊あたり1.5万円(店舗物件のため、宿泊人数を3〜4名と仮定)
【想定収益】
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年間稼働日数: 365日 × 65% = 237.25日
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年間売上: 237.25日 × 1.5万円/泊 = 約355.8万円
【想定経費】
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年間家賃: 16.5万円 × 12ヶ月 = 198万円
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年間運営コスト: 3.5万円 × 12ヶ月 = 42万円
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年間清掃費: 237.25回 × 5,000円/回 = 約118.6万円
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年間代行費用: 355.8万円 × 20% = 71.16万円
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年間総経費: 198万円 + 42万円 + 118.6万円 + 71.16万円 = 約429.76万円
【想定年間利益】
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年間利益: 355.8万円 - 429.76万円 = ▲約73.96万円
上記のシミュレーションでは、年間約74万円の赤字という厳しい結果になりました。これは、特に運営代行費用と清掃費、そして初期投資額の大きさ(保証金など)が利益を圧迫するためです。
想定利益が低い場合の改善アイデア
この物件で収益を上げるためには、徹底したコスト管理と集客戦略が不可欠です。
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徹底的な内製化: 清掃やゲスト対応を自身で行うことで、清掃費と代行費用を大幅に削減できます。これにより、年間約190万円のコストが削減され、収益は一気に黒字に転じます。
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ユニークなコンセプトの確立: 単なる宿泊施設ではなく、ワークショップやイベントスペースとしてレンタルするなど、民泊以外の収益源を確保しましょう。
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価格設定の最適化: 週末や繁忙期(ゴールデンウィーク、年末年始など)は強気の料金設定にすることで、全体の平均単価を引き上げましょう。また、長期滞在割引プランなどを設定し、安定的な稼働率を確保することも重要です。
この物件は、立地の良さとユニークなコンセプトという大きなポテンシャルを秘めていますが、賃料と収益のバランスを慎重に考える必要があります。自分で運営を行うことを前提に事業計画を立てることで、この物件の強みを最大限に活かし、収益化を目指すことができるでしょう。