物件情報
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物件名: 内海保養所
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住所: 愛知県知多郡南知多町大字内海
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賃料: 500,000円
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管理費等: なし
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敷金/礼金: なし / なし
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間取り/広さ: テナント / 1455.14㎡
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築年月: 築35年
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交通: 名鉄知多新線「内海」駅 徒歩14分
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その他: 貸主民泊承諾済み、近隣駐車場12台無料
民泊適正評価
この物件は、民泊運営においていくつかの強力なメリットと注意すべき点を併せ持っています。
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メリット:
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圧倒的な広さ: 1,455㎡という広大なスペースは、大人数のグループや企業の研修旅行など、団体客の需要を独占できる大きな強みです。
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貸主承諾済み: 民泊運営を事前に承諾しているため、事業計画を進めやすく、スムーズな契約が期待できます。
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充実した設備: 共同風呂や男女別トイレなど、団体客向けの設備が既に整っているため、初期投資を抑えられます。
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駐車場: 12台分の駐車場が無料で利用できる点は、車で訪れるゲストにとって非常に大きな付加価値となります。
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デメリット:
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賃料の高さ: 月額50万円という賃料は、民泊運営のランニングコストにおいて最大の負担となります。常に高い稼働率と高単価を維持できなければ、赤字に陥るリスクが高いです。
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用途地域の制限: 近隣商業地域のため、民泊の許可は比較的容易ですが、消防署や行政の審査で運営可否が判断されるため、事前の確認が必須です。
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築年数の古さ: 築35年と古いため、水回りや設備に予期せぬトラブルが発生するリスクも考慮すべきです。
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契約前に確認するポイント
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行政・消防の確認: 貸主が民泊を承諾していても、最終的な運営可否は行政等の審査次第です。必ず自身で保健所や消防署に問い合わせ、民泊運営に必要な許可や条件を確認しましょう。
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初期投資の概算: 団体客向けのベッドや家具、リネン類など、初期の備品購入費用を正確に見積もっておく必要があります。
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賃貸条件の詳細: 民泊利用の場合、賃料や敷金・礼金などの条件が変更される可能性があるため、事前に詳細を確認することが必須です。
想定収支シミュレーション
この物件の強みである多客室を活かした収益モデルをシミュレーションします。ここでは、4人宿泊できる部屋が10部屋あると仮定し、現実的な年間稼働率を30%と設定します。
【前提条件】
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家賃: 50万円/月
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想定運営コスト: 10万円/月(光熱費、Wi-Fi、消耗品費など)
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清掃費: 2万円/回 × 稼働回数
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民泊運営代行費用: 月売上の20%(委託する場合)
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年間稼働率: 30%
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平均宿泊単価: 1部屋あたり1泊2万円(4人利用を想定)
【想定収益】
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1部屋あたりの年間稼働日数: 365日 × 30% = 109.5日
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年間売上: (109.5日 × 2万円/泊) × 10部屋 = 約2,190万円
【想定経費】
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年間家賃: 50万円 × 12ヶ月 = 600万円
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年間運営コスト: 10万円 × 12ヶ月 = 120万円
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年間清掃費: (109.5回 × 10部屋) × 2万円/回 = 2,190万円
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年間代行費用: 2,190万円 × 20% = 438万円
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年間総経費: 600万円 + 120万円 + 2,190万円 + 438万円 = 約3,348万円
【想定年間利益】
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年間利益: 2,190万円 - 3,348万円 = ▲約1,158万円
上記のシミュレーションでは、清掃費用が利益を大きく圧迫し、年間約1,158万円の赤字という厳しい結果になりました。これは、多数の客室を個別に清掃するため、清掃費が膨大になるためです。
想定利益が低い場合の改善アイデア
この物件で収益を上げるためには、徹底したコスト管理と集客戦略が不可欠です。
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清掃業務の内製化: 清掃を外部に委託するのではなく、自社スタッフを雇用して行うことで、清掃費用を大幅に削減できます。これにより、年間約2,190万円のコストが削減され、収益は一気に黒字に転じます。
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ターゲットの拡大: 海水浴シーズン以外にも、企業の研修や合宿、イベント利用など、幅広い需要を取り込むためのプロモーションを行いましょう。
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付加価値の提供: 食事サービスやアクティビティ体験(バーベキューセットレンタル、マリンスポーツの手配など)を提供することで、ゲスト単価を引き上げましょう。
この物件は、高い賃料というデメリットを上回るポテンシャルを秘めていますが、徹底した運営戦略がなければ失敗するリスクも高いです。自分で運営を行うことを前提に事業計画を立てることで、この物件の強みを最大限に活かし、高収益を目指すことができるでしょう。