物件情報
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物件名: 貸旅館
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住所: 福岡県福岡市博多区南八幡町2丁目
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賃料: 6.6万円
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管理費等: 3,000円
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敷金/礼金: なし / 2ヶ月
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使用部分面積: 170.1m2
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築年月: 2007年12月 (築17年9ヶ月)
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交通: 西鉄天神大牟田線 雑餉隈駅 徒歩11分、JR鹿児島本線 南福岡駅 徒歩11分、JR鹿児島本線 笹原駅 徒歩14分
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物件URL: https://house.ocn.ne.jp/tenpo/detail/0/6987450451/80508502/x06987450451.html
民泊適正評価
この物件は民泊利用が可能であり、約170m²という広さが最大の魅力です。大人数での宿泊を目的としたファミリー層やグループ旅行者をターゲットにすることで、博多中心部の狭い物件とは差別化を図ることができます。また、西鉄とJRの2路線が利用できるため、天神や博多駅へのアクセスも比較的良好です。
しかし、デメリットも明確です。駅からは徒歩11分とやや距離があり、荷物が多い旅行者には不便に感じられる可能性があります。さらに、博多や天神のような主要観光地やビジネス街の中心部ではないため、出張客や観光客の需要を安定的に取り込むには工夫が必要です。家賃も6.6万円と、この広さにしては手頃ですが、民泊運営に必要な光熱費、清掃費、消耗品費などを加えると、想定以上の運営コストがかかる可能性があります。これらの欠点を理解し、対策を講じなければ、期待する利益を出すのは難しいでしょう。
契約前に確認するポイント
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民泊許可の種類: この物件は「貸旅館」と記載されているため、旅館業法の許可が必要な可能性が高いです。契約前にどのような許可が必要か、また、既に取得されているかを行政書士などに確認することが必須です。
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初期費用の詳細: 礼金が2ヶ月分かかります。これに加えて仲介手数料や鍵交換費用、清掃費用などを確認し、初期投資額を正確に把握しましょう。
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内装・設備: 広さがある一方で、築17年以上経過しているため、水回りや内装の状態を確認する必要があります。必要に応じてリノベーションや修繕費用が発生する可能性があることを考慮に入れるべきです。
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Wi-Fi環境: 民泊において高速Wi-Fiは必須設備です。既存の回線状況を確認し、必要であれば新規で導入する費用を見積もりましょう。
周辺地域の平均稼働率
福岡市博多区は、ビジネス客と観光客の両方の需要が高く、民泊の稼働率は全国的にも高い水準を誇ります。Google検索の結果によると、博多駅や天神などの人気エリアでは年間稼働率70%〜80%を達成している物件も少なくありません。今回の物件は駅から徒歩11分という立地から、中心部よりは若干稼働率が低くなる可能性を考慮する必要があります。現実的な年間稼働率を60%と仮定して、想定利益を計算してみましょう。
運営した場合の想定年間利益
【前提条件】
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家賃・管理費: 6.6万円 + 3,000円 = 6.9万円/月
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想定運営コスト: 1.5万円/月(光熱費、Wi-Fi、消耗品費など)
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清掃費: 5,000円/回 × 稼働回数
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民泊運営代行費用: 月売上の20%(委託する場合)
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年間稼働率: 60%
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平均宿泊単価: 1泊あたり2.5万円
【想定収益】
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年間稼働日数: 365日 × 60% = 219日
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年間売上: 219日 × 2.5万円/泊 = 約547.5万円
【想定経費】
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年間家賃・管理費: 6.9万円 × 12ヶ月 = 82.8万円
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年間運営コスト: 1.5万円 × 12ヶ月 = 18万円
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年間清掃費: 219回 × 5,000円/回 = 109.5万円
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年間代行費用: 547.5万円 × 20% = 109.5万円
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年間総経費: 82.8万円 + 18万円 + 109.5万円 + 109.5万円 = 319.8万円
【想定年間利益】
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年間利益: 547.5万円 - 319.8万円 = 約227.7万円
1泊2.5万円という設定でも、十分な利益が見込めることがわかります。しかし、想定利益はあくまで目安であり、競争の激しい民泊市場で安定した収益を確保するためには、更なる工夫が必要です。
想定利益が低い場合の改善アイデア
上記はあくまで仮定の利益です。もし想定通りに利益が上がらない場合は、以下の点を改善することで収益を向上させることが可能です。
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ターゲット層の再検討:
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キッチンや広々としたダイニングスペースをアピールし、長期滞在のワーケーション需要を取り込む。
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近隣のビジネス施設やMICE施設(会議場、展示場など)と連携し、ビジネス客の団体利用を促す。
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集客戦略の強化:
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主要なOTA(オンライン旅行代理店)だけでなく、独自のウェブサイトやSNSを活用して、直接予約を増やす。直接予約は手数料がかからないため、利益率を大きく改善できます。
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博多や天神へのアクセスが良いこと、Wアクセスであること、そして広さを最大限にアピールするプロモーションを実施する。
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空港や駅から物件までの送迎サービスを有料で提供するなど、付加価値の高いサービスを追加する。
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コストの見直し:
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清掃を自身で行うことで、清掃費を削減する。
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民泊運営代行業者を見直し、手数料率の低い業者を探すか、一部の業務を内製化する。
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この物件は、立地的なハンデを広さと価格でカバーできるポテンシャルを秘めています。デメリットを正しく認識し、それを上回る戦略を立てることで、博多区での民泊事業を成功に導くことができるでしょう。