物件情報
-
物件名: オーシャンビューの一軒家
-
場所: 島根県松江市魚瀬町
-
特徴:
-
高台に建ち、海を一望できる絶景のロケーション。
-
地中海風のユニークな雰囲気。
-
縁側は開放可能で、開放的な空間。
-
リフォーム前提のため価格が50万円と安価。
-
-
アクセス:
-
一畑電車北松江線 - 高ノ宮駅
-
下の道からコンクリートで覆われた階段を上がる必要がある。
-
-
物件掲載URL:
民泊適正評価
良い点(メリット)
-
圧倒的な景観と非日常感: 海を見下ろす高台からのオーシャンビューは、旅行者にとって大きな魅力です。SNS映えも期待でき、集客の強力な武器となります。非日常的な空間を求める層に響くでしょう。
-
手頃な物件価格: 価格が50万円と非常に安価なため、初期投資を抑えることができます。リフォーム費用がかかるとしても、トータルでのコストは一般的な物件に比べて抑えられます。
-
ユニークな雰囲気: 「地中海風」という個性的なコンセプトは、他の民泊施設との差別化に繋がります。独自のコンセプトを打ち出すことで、特定のターゲット層に強くアピールできます。
-
DIYの余地: リフォームが前提なので、自分の理想とする空間をゼロから作り上げることができます。DIYが好きな人には、楽しみながら施設を運営できるでしょう。
悪い点(デメリット)
-
リフォーム費用の不透明さ: 価格が安い分、リフォームにどの程度の費用がかかるか不明確です。建物の状態によっては、想定以上の出費となり、結果的に採算が合わなくなる可能性もあります。
-
アクセスの不便さ: 車道から家までコンクリートの階段を上がる必要があるため、大きな荷物を持った旅行者や、高齢者、小さな子ども連れの家族にとっては大きな負担となります。この点が集客の障壁になる可能性があります。
-
立地による集客の難しさ: 最寄り駅はありますが、車での移動が前提となりそうです。観光地から離れている場合、この物件だけを目的に訪れる旅行者がどれだけいるかという点が課題となります。もし、周辺に観光スポットや飲食店が少ない場合は、集客が非常に難しくなります。
-
年間利益が低い可能性: 初期費用が抑えられる反面、集客が難しいと年間を通しての稼働率が低くなることが予想されます。稼働率が低いと、たとえ家賃がなくても、運営にかかる維持費やリフォーム代金を回収するまでに時間がかかり、結果的に利益が出にくい状況に陥る可能性があります。
契約前に確認するポイント
-
リフォーム費用の見積もり: 必ず複数の業者に建物の状態を見てもらい、正確なリフォーム費用を算出してもらいましょう。特に水回りや電気系統など、見えない部分の劣化に注意が必要です。
-
法的な要件の確認: 民泊新法(住宅宿泊事業法)に基づき、物件が民泊運営の要件を満たしているか、また自治体の条例に違反しないかを確認してください。地域によっては民泊が制限されているエリアもあります。
-
周辺環境の調査: 最寄りの駅やバス停、観光地や飲食店までの距離を実際に歩いて確認しましょう。車でのアクセスを想定する場合、駐車場があるかどうかも重要です。
-
地盤や建物の安全性の確認: 高台にあるため、台風や大雨など自然災害に対する安全性を事前に確認することが重要です。専門家に診断を依頼するのも良いでしょう。
周辺地域の平均稼働率
島根県全体の民泊稼働率は、データによって差がありますが、一般的には観光シーズンである夏期や年末年始を除くと、稼働率が低くなる傾向があります。松江市は歴史的な観光地ですが、公共交通機関の利便性が低い場所では、集客が難航することが予想されます。特に今回の物件のようにアクセスに難がある場合、周辺地域の平均稼働率をそのまま当てはめるのは危険です。独自の魅力を最大限にアピールして、ターゲットを絞り込んだ集客戦略が不可欠となります。
運営した場合の想定年間利益
この物件は、リフォーム費用によって初期投資額が大きく変動するため、正確な年間利益を算出するのは難しいです。しかし、仮にリフォームに300万円かかったと仮定し、宿泊料金を1泊2万円と設定した場合のシミュレーションをしてみましょう。
-
初期費用: 物件価格(50万円) + 司法書士費用(7万円) + リフォーム費用(300万円) = 357万円
-
運営費用(年間): 光熱費、Wi-Fi代、消耗品、清掃費、リスティング手数料、固定資産税など = 約60万円
もし稼働率が年間30%(109.5日)だった場合:
-
年間売上: 109.5日 × 2万円 = 219万円
-
年間利益: 219万円 - 60万円 = 159万円
この利益から初期費用を回収するには、357万円 ÷ 159万円 = 約2.2年かかります。
しかし、これはあくまで理想的なシミュレーションです。立地やアクセスの不便さから、稼働率が10%程度に留まる可能性も考慮しなければなりません。稼働率が低い場合、年間売上が60万円程度となり、運営費用とトントン、または赤字になることも十分に考えられます。
想定利益が低い場合の改善アイデア
想定利益が低い場合でも、以下のアイデアを実践することで改善の余地はあります。
-
ターゲット層の再設定:
-
階段でのアクセスが難しくても、景観を重視する層(写真家、カップルなど)に絞り込んで集客する。
-
絶景を活かした「ワーケーション(Work + Vacation)」向けのプランを打ち出す。
-
-
体験型プランの導入:
-
周辺の漁師さんや農家さんと連携して、漁業体験や農業体験ができる宿泊プランを用意する。
-
地元の食材を使った料理体験やBBQセットを提供し、付加価値を高める。
-
-
リフォームの工夫:
-
景観を最大限に活かすために、窓を大きくする、テラスを設けるなどのリフォームを検討する。
-
階段でのアクセスを考慮し、荷物運搬用の簡易リフト設置も検討してみる価値があります。
-
-
周辺観光地との連携:
-
松江城や宍道湖など、周辺の観光スポットへのアクセス方法を具体的に紹介し、旅行プランを提案する。
-
地元のレンタカー会社と提携し、宿泊者限定の割引プランを提供する。
-
このように、デメリットをただ放置するのではなく、それを逆手に取った戦略を練ることで、この物件の可能性を最大限に引き出すことができるでしょう。