物件情報
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住所: 岐阜県各務原市鵜沼山崎町8丁目
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間取り: 5LDKK+ロフト
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専有面積: 140㎡(推定)
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家賃: 6.3万円
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築年数: 築48年
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最寄り駅: 名鉄犬山線 新鵜沼駅 徒歩8分
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特記事項: 民泊・商用利用可、ペット応相談、DIY可能、オール電化、駐車場3台可
民泊適正評価
この物件は、新鵜沼駅から徒歩圏内という優れた立地と、5LDKKという広々とした間取りが大きな魅力です。しかし、築年数の古さや大家さんとの独特な契約条件を理解した上で、慎重に運営計画を立てる必要があります。
【良い点】
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優れた立地: 最寄り駅から徒歩8分という立地は、公共交通機関を利用するゲストにとって非常に便利です。名古屋や犬山方面へのアクセスも良いため、観光客やビジネス出張者など幅広い層からの需要が見込めます。
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広々とした間取り: 5LDKK+ロフト、140㎡という広さは、大人数のグループや家族連れに最適です。複数の部屋を民泊スペースとして利用できるため、宿泊単価を上げやすいでしょう。
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格安の家賃: 築48年という築年数や大家さんの希望条件があるとはいえ、この広さで家賃6.3万円というのは破格です。賃料が抑えられることで、収益化しやすい大きなメリットとなります。
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DIYが可能: 「少しの改造・改装・リフォームは問題ありません」と明記されているため、築古物件の雰囲気を活かしたユニークな空間作りが可能です。競合物件との差別化を図る大きな武器となります。
【悪い点】
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大家さんとの特殊な関係: 「大家の厳しい審査」「定期的な談話に協力」「大家都合で一定の移転期間を設けた後に移転をお願いすることがあります」といった記載があり、一般的な賃貸契約とは異なる特殊な関係性となる可能性があります。
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老朽化によるリスク: 築48年という築年数は、建物の老朽化や設備の故障リスクを伴います。「設備故障や躯体修繕等について、すべて対応できない場合」と記載されているため、予期せぬ修繕費用が自己負担となる可能性があります。
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庭の管理義務: 「庭(敷地内)の管理をお願いします」とあり、民泊運営の傍らで庭の手入れも必要となります。この手間と費用を考慮に入れる必要があります。
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入居審査の不確実性: 申し込み順ではないため、審査基準や選考方法が不明確です。安定した事業計画を立てにくい点がデメリットとなります。
契約前に確認するポイント
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民泊運営の具体的な条件: 「民泊運営や商用利用もお受けします。契約条件は異なります。」とあるため、通常の賃貸契約とは異なる民泊用の契約条件を事前に確認しましょう。家賃、契約期間、解約時の違約金など、詳細な条件を文書で残すことが重要です。
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修繕費用の負担範囲: 設備故障や建物の修繕について、どこまでが大家さんの負担で、どこからが借主の負担となるのか、具体的な線引きを確認しましょう。
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移転リスク: 「大家都合で一定の移転期間を設けた後に移転をお願いすることがあります」というリスクについて、その具体的な条件や期間について確認し、事業計画に織り込んでおく必要があります。
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DIYの許可範囲: 壁の穴あけはOKとありますが、水回りの変更など、大規模なリフォームがどこまで可能なのか、事前に詳細な打ち合わせをしておきましょう。
周辺地域の平均稼働率
各務原市は、名古屋へのアクセスが良く、観光地である犬山城にも近いため、観光客やビジネス客の需要が見込めます。また、航空自衛隊岐阜基地の航空祭などのイベント時には、宿泊需要が大幅に増加する傾向があります。
この物件は駅近という強みから、周辺地域の平均稼働率(おおよそ40〜50%)を上回ることも十分に可能です。特にグループや家族連れをターゲットにすれば、週末や連休には高い稼働率が期待できるでしょう。
運営した場合の想定年間利益
以下の前提条件で、想定年間利益を試算します。
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家賃: 6.3万円/月
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稼働率: 55%
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宿泊単価: 15,000円/泊
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年間経費:
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家賃: 6.3万円 × 12ヶ月 = 75.6万円
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光熱費: 2万円/月 × 12ヶ月 = 24万円
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清掃費: 1泊あたり5,000円 × 200泊 = 100万円
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OTA手数料: 売上の15%
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その他費用(備品、保険など): 15万円
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想定年間売上: 15,000円/泊 × 365日 × 55% = 301.1万円
想定年間利益: 301.1万円(売上) - {75.6万円(家賃) + 24万円(光熱費) + 100万円(清掃費) + 45.2万円(手数料) + 15万円(その他)} = 約41.3万円
この物件は、家賃が安いため、比較的利益を出しやすいシミュレーションとなりました。しかし、築古物件の修繕費用や、大家さんとの関係性といった不確定要素が多いため、この利益はあくまで目安として捉えるべきです。
想定利益が低い場合は、改善するためのアイデア
シミュレーションで利益が低いと感じた場合、以下の改善策を検討してみましょう。
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ターゲットの絞り込み:
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ファミリー層: 広さを活かし、子供向けのおもちゃや備品を充実させることで、ファミリー層に特化した物件としてアピールします。
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ペット同伴: ペットと泊まれる宿を探している層は多いため、ペット用のアメニティを揃え、付加価値を提供することで宿泊単価を上げることができます。
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長期滞在: ワーケーションやビジネス出張向けの長期割引プランを設定することで、安定した収益を確保できます。
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差別化戦略:
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DIYで個性を出す: 築古物件の雰囲気を活かし、レトロでおしゃれな空間にDIYします。屋上ベランダや庭を活かしたアウトドアスペースを整備すれば、競合との差別化に繋がります。
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地元の体験と連携: 各務原市の観光資源(鵜飼いなど)やグルメと連携した宿泊プランを販売することで、物件の魅力を高められます。
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運営効率の最適化:
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清掃を自分で行う、または清掃代行業者と交渉することで、清掃費を削減できます。
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チェックイン・アウトを無人化するシステムを導入し、人件費を抑えることも有効です。
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この物件は、家賃の安さと立地の良さという大きな魅力がある反面、運営者として大家さんとの関係構築や、突発的な修繕リスクに備える必要があります。これらの点をしっかりクリアできれば、高い収益性を実現できる可能性を秘めているでしょう。