物件情報
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住所: 岐阜県岐阜市西野町
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ジャンル: 戸建て+ビル
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家賃: 7万円/月
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敷/礼: なし / 1ヶ月
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築年数: 不明
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最寄り駅: JR東海道本線 岐阜駅
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特記事項: 譲渡型賃貸(10年で譲渡)、民泊利用可能(行政判断でNGの場合あり)、DIY可能、現状渡し、リフォーム・修繕は借主負担
民泊適正評価
この物件は、10年後には自分の資産になるという「譲渡型賃貸」の仕組みが最大の魅力です。しかし、「現状渡し」や「雨漏りあり」という条件は、民泊運営において大きなリスクとなります。これらのリスクを理解し、DIYで付加価値を創出できるかが成功の鍵となるでしょう。
【良い点】
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10年で自分のものになる: 月々7万円の家賃を払い続ければ、土地と建物を手に入れられるという点は、将来的な資産形成を目指す民泊運営者にとって大きな魅力です。
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破格の賃料: 戸建てとビルという2つの建物がありながら、月々7万円という賃料は破格です。固定費を抑えられるため、収益化しやすい物件と言えます。
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DIYが可能: 「自分でDIYできる方向け」と明記されており、自由に内装をカスタマイズできます。建物の古さを逆手に取ったユニークな空間作りで、競合との差別化を図れます。
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民泊・店舗利用可: 民泊だけでなく店舗としても利用できるため、多角的な収益化を目指せる可能性があります。
【悪い点】
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「行政判断でNGの場合有」: 民泊運営を前提に考えている場合、行政の判断がNGとなるリスクがあります。契約前に必ず物件の所在地で民泊が可能なのか、市役所などで確認することが必須です。
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修繕費用が借主負担: 「雨漏りがあります」と明記されており、リフォームや修繕費用はすべて借主負担となります。特に雨漏りは放置すると建物の劣化を早めるため、早急な対応が必要となり、多額の費用がかかる可能性があります。
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「契約不適合責任無し」: 通常、売買契約では売主が契約内容に適合しない点について責任を負いますが、この物件はそれが免除されています。つまり、引き渡し後に見つかった不具合や瑕疵について、売主である大家さんに責任を追及できないリスクがあります。
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駐車場がない: 駐車場がないため、車で訪れるゲストは近隣のコインパーキングを利用する必要があり、集客の妨げになる可能性があります。
契約前に確認するポイント
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民泊運営の可否: 契約前に、必ず所轄の行政機関に相談し、民泊が可能かどうかを確認しましょう。可能であれば、どのような要件を満たす必要があるのかも確認しておきます。
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建物の状態: 内覧時に雨漏りの箇所や建物の傾きなど、建物の状態を隅々までチェックし、どのくらいの修繕費用がかかるのか、専門家に見積もりを依頼することが重要です。
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譲渡の条件: 「10年借りて頂ければ」という譲渡条件について、名義変更の手続きや費用、途中で解約した場合の扱いなど、詳細な条件を契約書で確認しましょう。
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残置物: 「残置物ありますが、現状渡しです」とあるため、どのような残置物があるのか、処分費用はどのくらいかかるのか、事前に確認しておきましょう。
周辺地域の平均稼働率
岐阜市は、岐阜城や長良川など観光資源が豊富で、通年を通して一定の観光需要があります。また、名古屋へのアクセスも良いため、ビジネス出張者や名古屋観光の拠点としての需要も見込めます。
この物件は、最寄り駅の岐阜駅から具体的な距離が不明ですが、駅から近い物件であれば高い集客力が期待できます。周辺の民泊物件の平均稼働率は、おおよそ**50〜60%**と予測されます。
運営した場合の想定年間利益
以下の前提条件で、想定年間利益を試算します。
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家賃: 7万円/月
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稼働率: 55%
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宿泊単価: 10,000円/泊
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年間経費:
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家賃: 7万円 × 12ヶ月 = 84万円
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光熱費: 2万円/月 × 12ヶ月 = 24万円
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清掃費: 1泊あたり4,000円 × 200泊 = 80万円
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OTA手数料: 売上の15%
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その他費用(備品、保険など): 15万円
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想定年間売上: 10,000円/泊 × 365日 × 55% = 200.7万円
想定年間利益: 200.7万円(売上) - {84万円(家賃) + 24万円(光熱費) + 80万円(清掃費) + 30.1万円(手数料) + 15万円(その他)} = 約-32.4万円
この物件は、賃料が安くても、修繕費用やリフォーム費用が多額になる可能性があるため、現状の条件では赤字になるリスクが高いです。特に、雨漏りの修繕には多額の費用がかかることが想定されるため、事前の見積もりと慎重な計画が必要です。
想定利益が低い場合は、改善するためのアイデア
利益が低いと感じた場合、以下のアイデアで収益を改善しましょう。
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高単価での宿泊:
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DIYで内装を完全に刷新し、古民家の趣を活かしたユニークな空間を作り、高単価で予約が取れる物件としてアピールします。
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戸建てとビルの両方を活用し、大人数での宿泊や、イベントスペースとしての利用を提案します。
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多角的な収益化:
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民泊だけでなく、ビル部分をレンタルスペースやカフェ、ギャラリーとして活用し、複数の収益源を確保しましょう。
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DIYワークショップやイベントを開催するなど、コミュニティスペースとしての機能を付加するのも有効です。
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運営効率の最適化:
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清掃を自分で行い、清掃費を削減します。
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集客を予約サイトだけでなく、自社サイトやSNSでも行い、手数料を抑えた直接予約を増やしましょう。
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この物件は、10年後には自分の資産になるという大きな夢を抱かせてくれますが、その分、運営者には多くのリスクと労力が求められます。雨漏りや修繕費用といったデメリットをしっかりと受け止めた上で、それを上回るだけの魅力を作り出せるかが成功への鍵となるでしょう。