物件情報
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物件名: 上湯川町戸建
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住所: 北海道函館市上湯川町23-9
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交通: 函館空港から車で6分
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賃料: 63,000円
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間取り: 5LDK
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使用部分面積: 98.12㎡(約29.7坪)
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築年月: 1977年(築48年)
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特記事項: 10年間借りたら家をプレゼント、民泊可、DIY可、初期費用0円
民泊適正評価
この物件は、ユニークな条件と広さを兼ね備えていますが、運営にはリスクも伴います。
【良い点】
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ユニークな契約条件: **「10年間借りたら家をプレゼント」「初期費用完全0円+初月家賃0円」**という条件は、他の物件にはない圧倒的な魅力です。民泊運営で得た利益を貯蓄に回し、将来的に自分の家を持つという目標を立てることができます。
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広々とした間取りと広さ: 5LDK、98.12㎡という広さは、ファミリーやグループ客の受け入れに最適です。大人数でゆったりと過ごせる空間を提供できるため、宿泊単価を高く設定しやすいでしょう。
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民泊可・DIY可: 築年数が古いため大規模なリフォームが想定されますが、「DIY可」であるため、費用を抑えながら自分の理想の民泊施設を作り上げることができます。また、民泊運営が許可されている点は非常に貴重です。
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好立地: 函館空港から車で6分という近さは、インバウンド需要を取り込む上で大きな強みです。また、温泉街にも近く、観光客にとって魅力的な立地と言えるでしょう。
【悪い点】
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築年数の古さと設備の不備: 築48年という築年数は、設備の老朽化がかなり進んでいる可能性があります。特に、ストーブや床暖房が使用できない可能性があり、冬季の運営には新たな暖房設備の設置が必須です。その費用は入居者負担となるため、初期費用だけでなく、改装費用も考慮しなければなりません。
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契約内容に潜むリスク: 「家賃滞納したら0リセット」という条件は、運営がうまくいかなかった場合、10年間の努力が無駄になるリスクを意味します。安定した集客と収益を維持する強い意志と計画が必要です。また、2年以内の解約には違約金が発生するため、安易な気持ちで契約することは避けるべきです。
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交通の便: 空港からは近いものの、最寄りの公共交通機関がJR函館本線「函館駅」や函館市電「湯の川駅」と離れており、車がないと不便な立地です。函館市は車社会であるため、車での移動を前提としたターゲット設定が必要です。
契約前に確認するポイント
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契約書の詳細確認: 「10年間借りたらこの家を差し上げます」という契約内容を、口頭だけでなく書面で確認しましょう。家賃滞納以外にどのような場合に「0リセット」になるのか、詳細な条件を把握しておくことが重要です。
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設備の状況: ストーブや床暖房、ボイラー以外の水回り設備など、すべての設備の動作状況を大家に確認しましょう。修理や交換が必要な場合の費用負担についても明確にしておく必要があります。
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改装の範囲と原状回復: 「DIY可」の範囲はどこまでなのか、また退去時の原状回復はどこまで行う必要があるのかを事前に交渉しておきましょう。
周辺地域の平均稼働率
函館市は、歴史的な街並みやグルメなど、観光資源が豊富な人気のエリアです。特に函館空港近くの湯の川温泉街周辺は、観光客の需要が高く、民泊の稼働率も高いと想定されます。この物件は、広さを活かしファミリーやグループ客をターゲットにすることで、周辺の競合物件と差別化できるでしょう。周辺の民泊物件の平均稼働率は、時期や物件の質にもよりますが、50%~60%程度を目指せるポテンシャルを持っています。
運営した場合の想定年間利益
この物件は、広い面積を活かし、大人数での宿泊をターゲットにすることで、高収益化が可能です。ここでは、より現実的な稼働率50%と60%でシミュレーションしてみます。
パターン1:稼働率50%・平均単価12,000円の場合
前提条件:
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月間稼働率: 50%
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1泊あたりの平均単価: 12,000円
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年間の宿泊日数: 365日 × 0.50 = 182日
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年間売上: 182日 × 12,000円 = 2,184,000円
年間経費:
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年間家賃: 63,000円 × 12ヶ月 = 756,000円
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光熱費・通信費: 月3万円 × 12ヶ月 = 360,000円
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清掃費・消耗品費: 1回5,000円 × 15回(月平均) × 12ヶ月 = 900,000円
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仲介サイト手数料: 売上の約10% = 218,400円
年間利益: 年間売上 - 年間経費 = 2,184,000円 - (756,000円 + 360,000円 + 900,000円 + 218,400円) = -50,400円
この場合、年間ではわずかに赤字となります。稼働率が低いと、家賃や光熱費などの固定費が重くのしかかります。
パターン2:稼働率60%・平均単価12,000円の場合
前提条件:
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月間稼働率: 60%
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1泊あたりの平均単価: 12,000円
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年間の宿泊日数: 365日 × 0.60 = 219日
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年間売上: 219日 × 12,000円 = 2,628,000円
年間経費:
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年間家賃: 63,000円 × 12ヶ月 = 756,000円
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光熱費・通信費: 月3万円 × 12ヶ月 = 360,000円
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清掃費・消耗品費: 1回5,000円 × 18回(月平均) × 12ヶ月 = 1,080,000円
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仲介サイト手数料: 売上の約10% = 262,800円
年間利益: 年間売上 - 年間経費 = 2,628,000円 - (756,000円 + 360,000円 + 1,080,000円 + 262,800円) = 169,200円
この場合、年間で約17万円の利益を見込めます。しかし、これも高単価で安定した集客ができた場合の計算です。
想定利益が低い場合の改善アイデア
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宿泊単価の引き上げ: 5LDKという広さを活かし、ファミリーやグループ客をターゲットにすることで、宿泊単価を高く設定します。DIYで内装をリノベーションし、写真映えする空間を提供することで、他物件との差別化を図りましょう。
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清掃費の削減: ゲストに退室時の簡単な清掃(ゴミまとめなど)を依頼したり、清掃業者と長期契約を結び単価交渉を行ったりすることで、清掃費用を抑えることができます。
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副業としての活用: 宿泊客が少ない閑散期は、レンタルスペースとしてイベントや撮影などで貸し出すなど、複数の用途で物件を活用することで、収益の柱を増やすことが可能です。