物件情報:
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物件名: 海津市役所前貸家
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家賃: 4.3万円
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敷金/礼金: なし / 21.5万円
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間取り/面積: 7K / 330.58㎡
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住所: 岐阜県海津市海津町高須町851-2
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築年月: 1967年10月(築57年)
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構造: 木造2階建
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交通: 養老鉄道養老線 - 駒野駅、石津駅(バス利用)
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その他: 旅館業もOK、営業開始まで3ヶ月間家賃ストップ可、リフォーム自由、ペットOK
民泊適正評価: 良い点:
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家賃が安い: 7Kという広さで月額4.3万円は破格です。固定費を抑えられるため、収益を出しやすい大きなメリットです。
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広い空間: 330.58㎡もの広い専有面積を活かし、大人数グループやファミリー層をターゲットにした民泊が可能です。
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旅館業も可能: 用途地域の規制外であり、簡易宿所としての旅館業許可も取得できる点が非常に魅力的です。民泊新法では年間180日の営業日数制限がありますが、旅館業であればこの制限はありません。
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リフォーム自由: 古い物件ですが、リフォームが自由に行えるため、ターゲットに合わせた内装や設備を導入できます。
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コンサルティング付き: 月額2万円で専門家のコンサルティングを受けられるため、初めて民泊を始める方でも安心です。
悪い点:
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築年数が古い: 1967年築で築57年と非常に古いため、修繕費用やリフォーム費用が高くなる可能性があります。また、耐震性や断熱性なども最新の建物に劣るため、宿泊客の快適性に影響が出る可能性があります。
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立地が不便: 最寄りの駅(駒野駅、石津駅)から離れており、バスを利用する必要があります。名古屋や大垣へは車で30分とありますが、車がないと観光客の移動手段が限られてしまいます。
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集客の課題: 主要な観光地である千代保稲荷神社からは徒歩圏内ではなく、立地だけで集客するのは難しいでしょう。
契約前に確認するポイント:
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修繕箇所と費用: 築年数が古いため、雨漏りや水回りの配管、電気系統など、目に見えない部分の老朽化を確認し、修繕費用を見積もっておく必要があります。
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リフォーム内容の具体化: 広い空間をどのように活用し、どのようなターゲットにアピールするのか、具体的なリフォームプランを立てましょう。
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駐車場確保: 車でのアクセスが前提となるため、来客用の駐車スペースが十分にあるか確認が必要です。
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近隣住民との関係: 近隣は穏やかで優しい人が多いとのことですが、民泊運営では騒音やゴミ出しなど、近隣トラブルに発展する可能性もあります。事前に挨拶や運営ルールを明確にし、良好な関係を築く努力が不可欠です。
周辺地域の平均稼働率: 岐阜県全体の宿泊施設の平均客室稼働率は、全国的に見てやや低い水準です(2019年のデータより)。海津市に限定した民泊の稼働率は公的なデータがありませんが、千代保稲荷神社には年間120万人以上の参拝客が訪れており(海津市公式情報より)、観光需要は一定数見込めます。立地が神社から離れているため、高い稼働率を目指すには、ターゲットを絞った集客戦略が重要となります。
運営した場合の想定年間利益:
前提条件:
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家賃: 4.3万円 × 12ヶ月 = 51.6万円
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その他経費: 光熱費、Wi-Fi、消耗品、清掃費、コンサルティング料(月2万円)など、年間100万円と仮定。
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リフォーム費用: 初期費用として500万円と仮定。
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宿泊単価: 1泊2.5万円と仮定。
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稼働率: 20%(年間73日)と仮定。
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想定年間売上: 2.5万円 × 73日 = 182.5万円
利益計算:
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年間利益: 182.5万円(売上) - 51.6万円(家賃) - 100万円(経費) = 30.9万円
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リフォーム費用償却後の利益: 30.9万円 - (500万円 ÷ 10年償却) = -19.1万円 (初年度は赤字)
この物件は家賃が低い反面、築年数が古くリフォーム費用が高額になるリスクがあります。稼働率20%では初年度の赤字は避けられず、投資回収には時間がかかりそうです。
想定利益が低い場合の改善アイデア:
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ターゲット層の見直し: 大人数での長期滞在、企業の研修施設、撮影スタジオなど、民泊以外の利用用途も検討し、安定した収益源を確保する。
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付加価値の提供: 地域密着型の体験プログラム(農業体験、陶芸体験など)を企画し、宿泊単価を上げる。
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集客の多角化: 主要な民泊サイトだけでなく、地域の観光情報サイトやSNSを活用し、ターゲットに直接アプローチする。
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コスト削減: リフォーム費用を抑えるためにDIYを取り入れる、地域の清掃業者と交渉するなどの工夫で経費を削減する。
この物件は「激安」「広さ」「旅館業可能」という大きな魅力を持つ一方で、「築年数の古さ」「立地の不便さ」という課題も明確です。しかし、これらの課題を戦略的に乗り越えることができれば、大きな利益を生み出す可能性を秘めています。