民泊運営に関心があるものの、物件選びに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。特に、**「家賃が高すぎる場合は利益が出にくい」「立地が不便な場合は集客が難しい」**といったリスクを考えると、なかなか一歩踏み出せないという声も聞かれます。本記事では、札幌市中央区の「ノーススクエアガーデン西28丁目駅前」という民泊運営可能物件を取り上げ、その魅力と、見落としがちな欠点を徹底的に解説します。利回りや集客のシミュレーションも行いながら、理想的な民泊運営を実現するための具体的なヒントをご紹介します。
物件情報
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物件名: ノーススクエアガーデン西28丁目駅前
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所在地: 北海道札幌市中央区北六条西26
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家賃: 13.5万円(管理費・共益費:5,000円)
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間取り: 1LDK(36.36m²)
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築年数: 築8年(2018年6月築)
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アクセス: 地下鉄東西線「西28丁目駅」 徒歩1分、地下鉄東西線「円山公園駅」 徒歩12分
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設備: オートロック、宅配ボックス、TVインターホン、エアコン、ガス暖房、システムキッチン(2口コンロ)、浴室乾燥機、追焚機能浴室、ウォークインクローゼット、インターネット使用料無料など
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URL: 物件情報
民泊適正評価
良い点
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駅徒歩1分という圧倒的な好立地: 西28丁目駅の目の前であり、観光客やビジネス客にとって非常に魅力的です。円山公園や大通エリアへのアクセスも良好で、集客力は高いと評価できます。
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築浅・充実した設備: 築8年と比較的築浅であり、オートロックや宅配ボックスなど、民泊ゲストが安心して利用できる設備が整っています。インターネット無料も大きな強みです。
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都市ガス・ガス暖房: 北海道の冬でも快適に過ごせるガス暖房が完備されており、光熱費も比較的抑えられる都市ガス仕様は、運営コスト面でもメリットがあります。
悪い点
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高めの家賃設定: 家賃13.5万円に管理費5,000円を加えると、月々の固定費は14万円となり、これは周辺相場と比較しても高めです。この高額な固定費を回収するためには、高い稼働率と宿泊単価を維持する必要があります。
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1LDKという間取り: 36.36m²という広さは魅力的ですが、大人数での宿泊には向いておらず、ファミリーやグループ客のニーズには対応しきれない可能性があります。宿泊人数を2名〜3名程度に絞った集客戦略が求められます。
契約前に確認するポイント
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定期借家契約の内容: この物件は「定期借家2年」となっており、契約期間の更新がない可能性があります。民泊事業を長期的に継続できるかどうか、事前に大家や不動産会社にしっかりと確認しましょう。
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民泊運営許可の状況: 物件は民泊運営可能と明記されていますが、旅館業法や住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく届出が済んでいるか、改めて確認が必要です。また、周辺住民への配慮も重要です。
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退去時の費用: 契約条件には、退去時にエアコン分解洗浄料(19,800円)と室内清掃費用(38,500円)が必要と記載されています。これらも運営コストとして事前に考慮しておく必要があります。
周辺地域の平均稼働率
札幌市中央区の民泊市場は、年間平均で65%〜70%程度の稼働率が目安とされています。特に夏や冬の観光シーズンには90%を超えることも珍しくありません。この物件は駅徒歩1分という最高の立地条件を活かせるため、適切な運用を行えば、平均以上の稼働率も十分に期待できます。
運営した場合の想定年間利益
ここからは、札幌市中央区の平均データと物件情報をもとに、具体的な収支シミュレーションを行います。
【収益】
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平均宿泊単価: 13,000円(近隣の類似物件の参考料金から想定)
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年間稼働率: 70%(好立地を考慮し平均を上回ると想定)
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年間売上(粗収入): 13,000円 × 365日 × 70% = 約332万円
【支出】
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家賃・管理費: (135,000円 + 5,000円) × 12ヶ月 = 168万円
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運営代行費用: 売上の20%と仮定 = 332万円 × 20% = 66.4万円
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清掃費用: 1回8,000円と仮定し、年間170泊分 = 8,000円 × 170泊 = 136万円
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光熱費・消耗品費・通信費・保険料など: 月4万円と仮定 = 4万円 × 12ヶ月 = 48万円
【運営コスト合計】 168万円(家賃) + 66.4万円(運営代行) + 136万円(清掃費) + 48万円(その他費用)= 418.4万円
【想定年間利益】
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年間売上 - 運営コスト合計 = 332万円 - 418.4万円 = -86.4万円
シミュレーションの結果、この物件の運営は、現状のままでは年間で約86万円の赤字となる可能性が高いと判断できます。特に高額な家賃と清掃費用が利益を圧迫している要因です。
想定利益が低い場合の改善アイデア
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宿泊単価の見直し: ターゲットを絞り、付加価値の高いサービスを提供することで、宿泊単価を引き上げる戦略が有効です。例えば、地元の名産品を置く、ワーケーション向けの設備(高機能デスクなど)を充実させる、長期滞在割引を設定するなど、他の物件との差別化を図りましょう。
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清掃体制の見直し: 外部の清掃業者に依頼するのではなく、自身で清掃を行うことで、清掃費用を大幅に削減できます。民泊運営を本業とする場合や、複数の物件を所有する場合に特に有効な手段です。
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物件の魅力を最大限に引き出す: デザイナーズ物件であることや、駅徒歩1分という利点を強調し、プロの写真撮影や魅力的なリスティング作成を行うことで、稼働率の向上と宿泊単価の引き上げを目指しましょう。
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副業としての運営: 高い固定費を回収しきれない可能性があるため、初期段階ではあくまで副業として、自身でできる範囲の運営を行うことでコストを抑える方法も検討できます。