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滋賀県米原市の民泊可物件を辛口評価!元美容室の一軒家は本当に儲かるのか?

物件情報

 

 

この物件は、滋賀県米原市上野にある元美容室の平屋一軒家です。

  • 物件名: 滋賀県米原市上野・即入居可能な平屋建て一軒家の物件!!

  • 住所: 滋賀県米原市上野474-2

  • 間取り: 4DK(6畳×3部屋、4畳半×2部屋、キッチン、トイレ、風呂)

  • 家賃: 55,000円

  • その他: ペット可、エアコン2台、駐車場2台

  • 物件URL: https://jmty.jp/shiga/est-hou/article-1j0d3q

 

民泊適正評価

 

評価:C- (難易度高)

 

この物件は、間取りの広さやペット可という点で民泊のポテンシャルを秘めていますが、立地と需要の観点から見ると、収益化のハードルは非常に高いと言わざるを得ません。

[良い点]

  • 広い間取りとペット可: 家族連れやグループ客、ペット同伴の旅行者には魅力的な条件です。競合が少ないユニークな需要を掘り起こせます。

  • 大家さんとの柔軟な交渉: 大家さんが非常に協力的で、初期費用の分割や内装の相談に乗ってくれる点は大きなメリットです。

[悪い点]

  • 不便な立地: 交通機関はバス停が徒歩2分にあるものの、主要駅からは離れており、車が必須の立地です。インバウンドを含む多くの旅行者にとって、交通の不便さは致命的なマイナス要因となります。

  • 需要の季節性: 伊吹山麓というロケーションは、スキーやスノーボードシーズンには一定の需要が見込めるかもしれません。しかし、それ以外の期間は集客が困難になる可能性が高く、年間を通して安定した稼働は期待できません。

  • 家賃の高さ: 月5.5万円という家賃は、一見安く見えますが、地方の民泊物件としては決して安くはありません。閑散期でも毎月必ず発生する固定費として、重くのしかかります。

 

契約前に確認するポイント

 

  • 民泊運営許可の確認: 大家さんとの間で、民泊運営についての具体的な取り決めを文書で交わしましょう。近隣住民とのトラブルを避けるため、騒音やゴミ出しルールなども明確にしておく必要があります。

  • リフォーム費用の負担: 物件は現状渡しが基本です。民泊として集客力を高めるためには、内装の改修が必要になる場合があります。どこまで大家さんが負担してくれるのか、または自分でどこまで行ってよいのか、事前に確認しましょう。

  • 定期借家契約の条件: 最大2年の定期借家契約です。トラブルがなければ更新可能とのことですが、安定した事業運営のためには、更新条件や期間について改めて確認しておくべきです。

 

周辺地域の平均稼働率

 

 

残念ながら、滋賀県米原市という特定のエリアにおける民泊の平均稼働率を特定した公的なデータはほとんどありません。これは、民泊事業がまだ盛んではない地域の証拠であり、言い換えれば「需要が低い」ことを示唆しています。 都市部の民泊施設であれば、平均稼働率は70%を超えることもありますが、この物件のような立地では、観光シーズンでさえ50%に満たない可能性も十分にあり得ます。

 

 

運営した場合の想定年間利益

 

 

あくまで辛口な想定ですが、初年度は広告宣伝や集客ノウハウの確立に苦戦し、閑散期には稼働率が10%以下に落ち込むことも覚悟すべきです。

  • 家賃: 55,000円 × 12ヶ月 = 660,000円

  • その他固定費:

    • 家賃保証会社更新料: 10,000円

    • 口座手数料: 550円 × 12ヶ月 = 6,600円

    • 光熱費・ネット回線費: 想定50,000円 × 12ヶ月 = 600,000円(※ゲストの利用状況により変動)

  • 年間固定費合計: 約1,276,600円

  • 売上: 稼働率を年間平均25%(月7〜8日稼働)、1泊単価10,000円と仮定した場合。

    • 10,000円 × 7.5日 × 12ヶ月 = 900,000円

  • 年間利益: 900,000円 - 1,276,600円 = -376,600円

このシミュレーションからわかるように、単に物件を貸し出すだけでは赤字が続く可能性が極めて高いです。

 

 

想定利益が低い場合は、改善するためのアイデア

 

 

利益を出すためには、一般的な民泊施設との徹底的な差別化と、安定した集客のための戦略が必要です。

  1. ターゲットの絞り込み: 単なる「宿泊施設」ではなく、特定の目的を持ったゲストに刺さるコンセプトを打ち出しましょう。例えば、「愛犬と泊まれる隠れ家民泊」や「伊吹山登山者向けの拠点」など、ニッチな需要を狙うべきです。

  2. 体験型アクティビティの提供: ただ泊まるだけでなく、その地域ならではの体験を提供することで付加価値を高めます。近隣農家との連携、登山ガイドサービス、地元の食材を使った料理教室など、ゲストがこの物件でなければならない理由を作りましょう。

  3. 多角的な用途への展開: 民泊だけでなく、撮影スタジオ、ワーケーション施設、地域住民向けのイベントスペースなど、複数の収益源を確保することが賢明です。大家さんが柔軟な相談に応じてくれるのであれば、この点を最大限に活用すべきです。


この物件は、民泊の夢を追う人にとって魅力的に映るかもしれません。しかし、成功を掴むためには、安易な気持ちで手を出すのではなく、この「辛口」な現実を冷静に受け止め、戦略を練ることが不可欠です。