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横浜・大船のテラスハウスで民泊は儲かるか?家賃12.4万円物件の辛口評価

物件情報

 

 

fika大船 - いい部屋ネット大東建託リーシング(株)大船店が提供する賃貸物件情報

URL: https://suumo.jp/chintai/bc_100453263271/

  • 家賃: 12.4万円

  • 管理費・共益費: 5,000円

  • 敷金/礼金: 12.4万円 / 12.4万円

  • 間取り/面積: 1LDK+ロフト / 45.64m²

  • 築年数: 築7年(2018年10月)

  • 特徴: 大船駅徒歩12分、ロフト付き、システムキッチン、浴室乾燥機、追焚機能、民泊相談可

 

民泊適正評価:C(条件が厳しすぎる)

 

 

この物件は、築浅で設備も整っており、立地も悪くないため、物件自体のポテンシャルは高いと言えます。しかし、民泊相談時の条件が厳しすぎるため、民泊適正は中程度と評価します。安易に契約すると、想定外の出費や運営の難しさに直面することになります。

【メリット】

  • 築浅で清潔: 築7年と新しく、リフォーム費用をかけずにすぐに運営を開始できます。

  • 充実した設備: 浴室乾燥機や追焚機能、独立洗面台など、ゲストの満足度を高める設備が整っています。

  • 広々とした空間: 1LDKにロフトも付いているため、ファミリーやグループ客をターゲットにでき、宿泊単価を高めることが可能です。

【デメリット】

  • 民泊時の条件が厳しすぎる: 「民泊相談」とありますが、その際の条件が「定期借家3年、賃料134,000円、礼金3ヶ月、敷金1ヶ月、保証委託料100%に条件変更」と、通常契約より大幅に不利な内容です。特に、家賃が1万円増額され、礼金が3ヶ月分(40.2万円)かかるのは大きな負担です。

  • 大船駅からの距離: 徒歩12分は決して「駅チカ」とは言えません。荷物が多い観光客にとって、この距離はデメリットとなり得ます。

  • 高額な初期費用: 民泊時の条件を適用すると、家賃13.4万円(管理費込み)に対して、礼金40.2万円、敷金13.4万円、保証料13.4万円など、初期費用が合計80万円以上と非常に高額になります。


 

契約前に確認するポイント

 

  • 民泊時の条件の再確認: 賃料、礼金、敷金、保証料など、民泊運営時の具体的な条件を大家さんに改めて確認し、書面で取り交わしてください。

  • 周辺地域の需要調査: 大船駅周辺はビジネス利用や観光客の利用が一定数見込めますが、観光地としてメジャーな場所ではありません。どのような層に需要があるのか、ターゲットを明確にしてから契約しましょう。

  • 競合物件の確認: 周辺のホテルや民泊物件の価格帯や稼働率を調査し、自身の物件の優位性を見極めることが重要です。

 

周辺地域の平均稼働率

 

 

神奈川県全体では、民泊の平均稼働率は約40%前後とされています。大船駅は横浜や鎌倉へのアクセスが良いため、観光の拠点としての需要が期待できます。しかし、東京や横浜市内の人気エリアに比べると、集客力は劣るため、安定した稼働率は60%程度と見ておくのが現実的でしょう。

 

 

運営した場合の想定年間利益

 

 

ここでは、民泊時の条件(家賃13.4万円、礼金40.2万円など)を適用し、現実的な稼働率で運営した場合のシミュレーションを行います。

  • 年間経費:

    • 家賃・管理費: 13.4万円 × 12ヶ月 = 160.8万円

    • 保証料更新料: 約15万円

    • 水道光熱費・通信費: 約3万円 × 12ヶ月 = 36万円

    • 消耗品費・清掃費・手数料: 年間約50万円

    • 年間合計費用: 約261.8万円

  • 年間収益:

    • 想定稼働率: 60%

    • 想定宿泊単価: 1泊15,000円

    • 年間稼働日数: 365日 × 60% = 219日

    • 年間収益: 15,000円 × 219日 = 約328.5万円

【結果】 年間収益(約328.5万円)から年間経費(約261.8万円)を引くと、年間利益は約66.7万円となります。しかし、初年度には高額な礼金(40.2万円)や初期費用がかかるため、初年度の利益はわずか26.5万円と非常に厳しい結果になります。


 

想定利益をさらに増やすためのアイデア

 

 

この物件で安定した利益を出すには、立地のデメリットを補い、ターゲットを明確にする必要があります。

  1. 鎌倉・横浜観光の拠点として訴求: 大船駅が両方面へのアクセスに優れていることを強調し、「鎌倉観光」や「横浜観光」を目的とするゲストをターゲットにします。

  2. ファミリー・グループ客に特化: 広々とした1LDKとロフトという間取りを活かし、ファミリー層やグループ客に特化した内装やサービスを提供します。

  3. 周辺情報の発信: 大船駅周辺の飲食店や地元の人しか知らないような穴場スポットをまとめたオリジナルのガイドブックを作成し、ゲストの満足度を高めます。

この物件は、築浅で設備が充実しているという大きな強みがある一方で、民泊時の条件が厳しく、初期費用が高額というデメリットがあります。安易に「民泊可」という言葉に飛びつくのではなく、事業計画と収支計画をしっかりと立て、この厳しい条件を乗り越えるだけの自信があるか自問自答してから契約しましょう。