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徳島県小松島市で民泊は儲かるか?リフォーム済み戸建て(家賃6.9万円)の辛口評価

物件情報

 

 

金磯町貸戸建 - LIXIL不動産ショップ 合同会社ニシキホームが提供する賃貸物件情報

URL: https://suumo.jp/chintai/bc_100453287651/

  • 家賃: 6.9万円

  • 管理費・共益費: なし

  • 敷金/礼金: 6.9万円 / なし

  • 間取り/面積: 4LDK / 111.31m²

  • 築年数: 築29年(1997年8月)

  • 特徴: 内外装リフォーム済み、フリーレント2ヶ月、礼金不要、民泊・転貸・事務所利用可能、駐車場付き(普通車1台、軽自動車2台)

 

民泊適正評価:C(立地の課題が大きすぎる)

 

 

この物件は、家賃の安さや広さ、リフォーム済みという点で非常に魅力的ですが、徳島県という立地と公共交通機関からの距離を考慮すると、民泊運営にとっては厳しい面が多いと言えます。

【メリット】

  • 初期費用と家賃が安い: 礼金不要、敷金1ヶ月(6.9万円)、さらにフリーレント2ヶ月という条件は、初期投資を大幅に抑えたい人にとって大きな魅力です。

  • 広々とした空間と駐車場: 4LDKの広さがあり、駐車場もついているため、ファミリーやグループ客、車で移動するゲストをターゲットにできます。

  • リフォーム済み: 内外装がリフォームされており、入居後すぐに運営を開始できます。

【デメリット】

  • 公共交通機関からの距離: 最寄りの阿波赤石駅から徒歩15分、南小松島駅からは徒歩33分と、公共交通機関を利用するゲストにとっては不便な立地です。

  • 観光地としての知名度: 小松島市は、インバウンド需要が集中する徳島市や鳴門市に比べ、観光地としての知名度が低いです。特別な理由がない限り、このエリアを宿泊先に選ぶゲストは少ないでしょう。

  • 競合が少ない反面、需要も少ない: 徳島県全体の民泊物件は少ないですが、それは需要も少ないことの裏返しです。価格競争は起こりにくい反面、集客自体が大きな課題となります。


 

契約前に確認するポイント

 

  • 民泊・転貸の条件: 民泊可能とありますが、転貸(又貸し)も可能かどうか、契約書に明記されているか必ず確認してください。民泊運営を代行会社に委託する場合、転貸の許可が必要です。

  • フリーレントの条件: フリーレント2ヶ月は魅力的ですが、その代わりに契約期間に縛りがある場合が多いです。短期解約違約金など、契約条件を細部まで確認しましょう。

  • 太陽光発電の運用: 太陽光発電システムが付いているため、売電収入や電気料金の割引など、その運用方法についても確認が必要です。

 

周辺地域の平均稼働率

 

 

徳島県全体の民泊稼働率は、全国平均を大きく下回る20%前後と非常に低い水準です。特に小松島市のような郊外では、観光客の需要が限定的であるため、この数字をさらに下回る可能性が高いです。

 

 

運営した場合の想定年間利益

 

 

ここでは、家賃6.9万円の戸建てを、厳しい稼働率で運営した場合のシミュレーションを行います。

  • 年間経費:

    • 家賃: 6.9万円 × 12ヶ月 = 82.8万円

    • 水道光熱費・通信費: 約3万円 × 12ヶ月 = 36万円

    • 消耗品費・清掃費・手数料: 年間約30万円

    • 年間合計費用: 約148.8万円

  • 年間収益:

    • 想定稼働率: 20%

    • 想定宿泊単価: 1泊15,000円

    • 年間稼働日数: 365日 × 20% = 73日

    • 年間収益: 15,000円 × 73日 = 109.5万円

【結果】 年間収益(109.5万円)から年間経費(約148.8万円)を引くと、年間で約39.3万円の赤字となります。フリーレント2ヶ月のメリットも、この赤字を考えると焼け石に水です。


 

想定利益が低い場合の改善するためのアイデア

 

 

この物件で利益を出すには、立地のデメリットを逆手に取り、独自の魅力を創出する必要があります。

  1. 「車で来るゲスト」に特化: 駐車場が利用できる点を最大限にアピールし、四国旅行の拠点として、車で移動するゲストをターゲットにします。

  2. 特定の趣味に特化: 釣りやサーフィンなど、徳島県の自然を活かしたアクティビティと組み合わせたプランを提供します。例えば、釣り道具のレンタルサービスや、釣った魚を調理できる設備を整えるなど、付加価値を高めます。

  3. 長期滞在をターゲット: 広々とした間取りと低めの家賃を活かし、ワーケーションや地方移住体験を目的とするゲストに特化したプランを提供します。

  4. 独自の体験を提供: 太陽光発電システムがあることをアピールし、「エコな暮らしを体験できる」といった独自のコンセプトを打ち出します。

この物件は、家賃や初期費用の安さ、リフォーム済みという大きな魅力がある一方で、立地の不便さや地域の需要の低さという課題があります。「民泊可能」という言葉に安易に飛びつくのではなく、この物件の強みを活かし、どのようなゲストにどのような価値を提供できるのか、明確な戦略を立ててから判断しましょう。