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岐阜県垂井町で民泊を始めるのは本当に儲かるのか?辛口評価と成功のヒント

物件情報

 

【DIY好きにおススメ 】DIYやり放題!初期費用0円!垂井駅まで徒歩12分 (投稿ID : 1iy1v5)

 

URL: https://jmty.jp/gifu/est-hou/article-1iy1v5

  • 物件住所: 岐阜県不破郡垂井町2384-3

  • 家賃: 29,800円(リフォーム前)

  • 間取り/面積: 4DK / 54.8m²

  • 築年数: 築56年

  • 特徴: DIYやり放題、初期費用(敷金・礼金・仲介手数料)なし、ペット可、庭あり、民泊可

 

民泊適正評価:D(要改善)

 

 

この物件は、正直なところ民泊運営には厳しいと言わざるを得ません。最大の魅力である「家賃の安さ」と「DIY自由」という点は確かに強力な武器ですが、それを打ち消すほどのデメリットが存在します。

 

【メリット】

  • 初期費用が安い: 敷金、礼金、仲介手数料が不要なため、初期投資を大幅に抑えられます。

  • 家賃が安い: 月額29,800円という家賃は、利益を確保する上で大きなアドバンテージです。

  • DIY自由: 自分好みにリノベーションできるため、オリジナリティのある魅力的な空間を作り、他の物件との差別化を図れます。

  • ペット可: ペット連れの旅行客をターゲットにできるため、顧客層を広げられます。

【デメリット】

  • 立地が不便: 垂井駅まで徒歩12分は決して「好立地」ではありません。車移動が主となる地域で、特に遠方からの旅行客には不便に感じられる可能性があります。

  • 集客の難しさ: 垂井町自体が観光地として知名度が高いわけではないため、ターゲットを明確にしなければ集客は極めて困難です。

  • 物件の古さ: 築56年という古さは、水回りや断熱性能の低さなど、ゲストの満足度を下げる要因になりかねません。

  • 現状渡し: 畳や壁紙などの補修がされていないため、DIYに不慣れな人はかなりの時間と労力を要します。

 

契約前に確認するポイント

 

  • 事業用の家賃: 「事業用の場合家賃が上がる」との記載があるため、民泊用途での家賃を必ず事前に確認してください。

  • 民泊運営の許可範囲: 奇抜な内装はNGとあるため、どこまでリノベーションが許されるのか、大家さんと綿密にすり合わせが必要です。

  • 近隣住民との関係: 民泊は近隣トラブルになりやすいため、大家さんを通して近隣住民に挨拶をしておくなど、事前の配慮が不可欠です。

 

周辺地域の平均稼働率

 

 

周辺地域である岐阜県の簡易宿所の平均稼働率は、約19.6%(国土交通省の宿泊旅行統計調査による)と、全国的に見てもかなり低い水準です。これは、この物件で安定した稼働率を確保することが非常に難しい現実を物語っています。

 

 

運営した場合の想定年間利益

 

 

ここでは、仮に民泊での家賃が事業用として35,000円に上がったと仮定し、辛口のシミュレーションを行います。

  • 年間経費:

    • 家賃: 35,000円 × 12ヶ月 = 420,000円

    • 水道光熱費・通信費: 約30,000円 × 12ヶ月 = 360,000円

    • 消耗品費: 約10,000円 × 12ヶ月 = 120,000円

    • 清掃費: 1回5,000円 × 稼働回数

    • 保証料・火災保険: 年間数万円

    • リノベーション費用: 数十万円〜数百万円

    • 年間合計費用: 運営費だけでも年間約90万円以上、リノベーション費用を含めると初年度はさらに膨れ上がります。

  • 年間収益:

    • 想定稼働率: 15%(岐阜県平均19.6%より低めに設定)

    • 想定宿泊単価: 1泊10,000円(DIYで魅力的な内装にできた場合)

    • 年間稼働日数: 365日 × 15% = 54.75日

    • 年間収益: 10,000円 × 54.75日 = 約55万円

【結果】 年間収益(約55万円)から年間経費(90万円以上)を引くと、初年度は約35万円以上の赤字となる計算です。家賃は安くても、稼働率が低いと利益を出すのは非常に困難だということが分かります。

 

 

想定利益が低い場合の改善するためのアイデア

 

 

この物件で成功するためには、ただ安く貸すだけではなく、他の物件にはない付加価値を徹底的に高める必要があります。

  1. DIY体験型民泊: DIY自由という特性を活かし、「壁塗り体験」や「家具作りワークショップ」など、宿泊客がDIYを楽しめるプランを提供。普通の民泊では得られないユニークな体験価値を生み出します。

  2. 特定の趣味に特化: 釣りやサイクリングなど、垂井町周辺で楽しめるアクティビティを軸に、その趣味に特化した内装やサービスを提供。ニッチな層に深く刺さることで、集客力を高めます。

  3. 長期滞在をターゲット: 安い家賃と広さを活かし、外国人観光客やテレワーク利用者向けの長期滞在プランを設ける。1人あたりの単価は下がっても、安定した収益源を確保できます。

  4. 地元の魅力を徹底的に発信: 垂井町は有名ではないからこそ、地元の隠れた魅力をブログやSNSで発信し、物件と地域のブランド力を高める努力が必要です。

 

この物件は、単に「安さ」だけで判断すると痛い目に遭います。しかし、DIYという強みを活かして独自のコンセプトを構築できれば、他にはない魅力的な民泊施設を運営できる可能性を秘めています。安易な参入は避け、事業計画を練り直し、この「辛口」な現実と向き合う覚悟が必要です。