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京都伏見区の元旅館物件で民泊は儲かるか?プロが教える辛口チェックリスト

物件情報

 

 

京都市内の元旅館業(簡易宿所)物件!伏見稲荷もすぐ近く! (投稿ID : 1iyumv)

URL: https://jmty.jp/kyoto/est-hou/article-1iyumv

  • 家賃: 20万円

  • 管理費等: 0円

  • ジャンル: 一戸建て

  • 敷/礼: 不明

  • 特徴: 元旅館業(簡易宿所)、伏見稲荷大社まで徒歩圏内、築浅、リフォーム不要、家具家電付き(応相談)、民泊での利用可能

  • 最寄駅: 京都市営地下鉄烏丸線 - 十条駅

 

民泊適正評価:A(最高の物件だが、運営戦略が重要)

 

 

この物件は、立地、状態、そして民泊での利用が可能という点において、非常に高いポテンシャルを秘めています。しかし、その分家賃も高額であり、このコストを回収するには、物件の持つ強みを最大限に活かす運営戦略が不可欠です。

 

【メリット】

  • 最高の立地: 伏見稲荷大社は、年間を通じて国内外から多くの観光客が訪れる、京都を代表する観光地です。ここから徒歩圏内という立地は、集客において圧倒的な強みとなります。

  • 初期費用を抑えられる: 元旅館業物件のため、簡易宿所としての許可が降りている可能性が高いです。また、築浅でリフォームが不要、家具家電も揃っているため、初期投資を大幅に抑えることができます。

  • 高い集客力: 民泊サイトでの物件検索において、「伏見稲荷」は非常に強力なキーワードです。このキーワードで上位表示されれば、安定した予約が期待できます。

【デメリット】

  • 「徒歩圏内」の落とし穴: 伏見稲荷まで徒歩圏内とありますが、最寄り駅は「十条駅」です。地図で確認すると、十条駅から伏見稲荷大社までは徒歩20分以上かかる可能性があります。多くの観光客は、伏見稲荷駅や京阪伏見稲荷駅を利用するため、そこから離れていることは集客の観点から見過ごせないデメリットです。

  • 家賃が高い: 月20万円という家賃は、他の地域に比べてかなり高額です。この家賃を賄うためには、常に高い稼働率と宿泊単価を維持する必要があります。

  • 競争が激しい: 京都は民泊激戦区です。同じような好立地で民泊を運営しているライバルが多数存在するため、ただ物件を出すだけでは埋もれてしまいます。

  • 家賃に消費税: 事業用利用の場合、賃料と礼金に別途消費税がかかるため、月々のコストはさらに膨らみます。


 

契約前に確認するポイント

 

  • 旅館業許可の状況: 最も重要なのは、簡易宿所としての許可がまだ有効かどうかです。もし失効している場合は、再取得に時間と費用がかかるため、契約前に必ず確認してください。

  • 家賃の最終確認: 家賃20万円に加えて消費税がかかるため、月々の総支払額を正確に把握しましょう。

  • 家具家電の状態: 相談可能とのことなので、家具家電の状態や、引き継ぎにかかる費用、不要なものを処分する場合の費用など、詳細を確認してください。

 

周辺地域の平均稼働率

 

 

京都市の民泊稼働率は、全国平均を大きく上回る70%以上を維持しています。伏見稲荷大社周辺は特に人気のエリアのため、シーズンによっては90%を超えることも珍しくありません。この物件の最大の強みは、この高い稼働率を現実的に狙える立地にあります。

 

 

運営した場合の想定年間利益

 

 

ここでは、高稼働率と高い宿泊単価を前提に、現実的なシミュレーションを行います。

  • 年間経費:

    • 家賃: 20万円 + 消費税 × 12ヶ月 = 約264万円

    • 水道光熱費・通信費: 約5万円 × 12ヶ月 = 60万円

    • 消耗品費・清掃費: 年間約80万円

    • 年間合計費用: 約404万円

  • 年間収益:

    • 想定稼働率: 75%

    • 想定宿泊単価: 1泊25,000円

    • 年間稼働日数: 365日 × 75% = 273.75日

    • 年間収益: 25,000円 × 273.75日 = 約684万円

【結果】 年間収益(約684万円)から年間経費(約404万円)を引くと、年間利益は約280万円となります。家賃が高額でも、高い稼働率と宿泊単価を維持できれば、十分な利益を見込めることが分かります。


 

想定利益をさらに増やすためのアイデア

 

 

この物件で成功するためには、ただの「泊まる場所」ではなく、ゲストに特別な体験を提供することが重要です。

  1. 移動の不便さを逆手に取る: 伏見稲荷大社まで少し距離があることを正直に伝え、「静かな住宅街で落ち着いて過ごしたい方におすすめ」という訴求をします。

  2. 特別な体験を付加: 伏見稲荷の近くという立地を活かし、早朝参拝ツアーや地元ならではのグルメ体験など、オリジナルの体験プランをオプションで提供します。

  3. ターゲットを絞る: ファミリーやグループ、あるいは特定の趣味を持つ層にターゲットを絞り、内装やサービスを特化させます。例えば、和の雰囲気を際立たせた内装にしたり、外国人観光客向けに京都の伝統文化を体験できるようなサービスを用意したりするのも良いでしょう。

  4. 多言語対応の強化: 外国人観光客の利用が多いため、予約からチェックイン、滞在中までスムーズに対応できるよう、多言語でのコミュニケーション体制を整えます。

この物件は、好立地と民泊運営のしやすい条件が揃っている一方で、家賃20万円というプレッシャーがあります。そして「徒歩圏内」という言葉に隠された移動の不便さも、運営者はしっかり把握しておくべきポイントです。安定した高収益を得るためには、徹底した運営戦略と、ゲストに喜んでもらうための工夫が不可欠です。安易な気持ちで契約するのではなく、収支計画を立て、どのような価値を提供できるかを明確にしてから参入しましょう。