物件情報
以下は今回診断する物件の概要です。
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物件名: 東京都中央区銀座2丁目 新富町駅 貸店舗・事務所
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掲載元: OCN不動産
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住所: 東京都中央区銀座2丁目
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最寄り駅: 東京メトロ有楽町線 新富町駅 徒歩4分、都営浅草線 東銀座駅 徒歩6分、東京メトロ日比谷線 築地駅 徒歩8分
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賃料: 209,000円
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管理費等: 5,500円
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敷金/礼金: 2ヶ月 (41.8万円) / なし
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保証金/敷引・償却金: なし / -
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使用部分面積: 38.64㎡(約11.7坪)
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種別・構造: 貸店舗・事務所・RC造4階/5階建 (募集は4-5階メゾネット)
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築年月(築年数): 1964年8月 (築61年)
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特記事項:
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メゾネット・飲食店可
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「4階と5階の分割契約も可能、その場合賃料104,500円、水道光熱費月額32,000円※民泊利用の場合、月額50,000円※エアコン残置物」
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【注記】「民泊利用の場合、月額50,000円」の正確な意味合い(追加料金、あるいは全体の賃料がその額になるのか等)は不明。本記事では、通常の賃料(20.9万円)から別途交渉が必要な「民泊賃料は不明」という前提で分析を進めます。
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用途ご相談大歓迎
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設備: 冷房・暖房・エアコン・トイレ・都市ガス・インターネット対応
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24時間サポート/月1100円
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短期解約違約金:1年未満、賃料+管理費の2ヶ月。1年以上2年未満、賃料+管理費1ヶ月。解約予告2ヶ月前。
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現況空、即時引渡可能
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定期借家 契約期間3年
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クリーニング費用は退去時請求:53,900円
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初期費用: 敷金2ヶ月、契約事務手数料5,500円、鍵交換代金22,000円、初回保証料(月額総支払額の100%)、保険要。仲介手数料1.1ヶ月。
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契約期間: 定期借家3年
詳細はこちらのURLをご参照ください: 物件詳細
民泊適正評価:銀座の超一等地、しかし「民泊賃料不明」と大規模改装が最大の焦点
この物件の民泊適正は「銀座のブランド力を最大限に活かし、高単価・高稼働率のラグジュアリー民泊を運営できる、超上級者向け」と評価します。ただし、民泊利用時の賃料が不透明である点と、大規模改装のハードルが最大の課題です。
【圧倒的なメリット】最高の立地と唯一無二の魅力
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都内最高峰の銀座立地:
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新富町駅徒歩4分、東銀座駅徒歩6分、築地駅徒歩8分という複数駅利用可能な絶好のロケーション。観光客(特にインバウンド)にもビジネス客にも最高のアクセスです。
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銀座というブランド力は、高単価設定と集客に直結します。
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メゾネットタイプ: 階層が分かれたユニークな空間は、ゲストに特別な滞在体験を提供でき、高単価設定に貢献します。
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築61年のRC造: 木造に比べ耐久性が高く、適切なリノベーションを施せば長期利用が可能です。
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用途ご相談大歓迎: 貸主が多用途に前向きであり、民泊への理解もあると推測されます。
【克服すべき課題】民泊賃料の不透明さと、ゼロからの改装費用 最高の立地である一方で、事業をスタートさせるにはいくつかの大きな課題をクリアする必要があります。
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「民泊賃料」の不透明性:
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物件情報にある「※民泊利用の場合、月額50,000円」という記載は、通常の賃料(20.9万円)からの変更なのか、追加料金なのか、あるいは特定の分割契約時のみの条件なのか、極めて曖昧です。この賃料が5万円追加されるのであれば月額25.9万円、合計50万円であれば高すぎます。正確な民泊利用時の賃料と条件を、契約前に貸主から書面で明確に提示してもらうことが必須です。これが事業計画の根幹となります。
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「貸店舗・事務所」からの大規模改装費用:
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居住設備(バスルーム、キッチン、寝室スペースなど)はゼロから構築する必要があります。トイレはあっても、シャワーやバスタブ、調理設備がないため、数百万円〜1,000万円超の大規模な初期投資がほぼ確実に発生します。
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築61年であるため、配管、電気系統などのインフラの老朽化による追加費用も考慮が必要です。
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中央区の民泊規制:
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中央区は東京の中でも特に民泊規制が厳しく、住宅宿泊事業法(民泊新法)の年間180日制限に加え、条例による営業可能日の制限(例:土日祝のみなど)がある可能性があります。事前に区役所への確認が必須です。旅館業許可(簡易宿所など)を目指す場合も、消防法や建築基準法への適合が求められます。
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定期借家3年という期間:
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多額の改装費用を投じることを考えると、3年という契約期間は非常に短く、投資回収のリスクが高まります。更新の可能性や条件を事前に確認することが極めて重要です。
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短期解約違約金: 1年未満で賃料+管理費の2ヶ月分、1年以上2年未満で賃料+管理費の1ヶ月分の違約金が発生します。
契約前に確認するポイント
この物件で民泊運営に踏み切るなら、以下の点を徹底的にクリアにしてください。
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「民泊利用時の正確な賃料」と総費用:
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最重要事項です。 貸主または不動産会社に対し、**メゾネット全体(38.64㎡)を民泊として利用する場合の正確な月額賃料、管理費、水道光熱費、その他発生する全ての費用を、書面で詳細に提示するよう要求してください。**この点があいまいなまま契約を進めるのは絶対に避けるべきです。
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通常の賃料20.9万円に、別途民泊費用が加算されるのか、それとも別の料金体系になるのか、明確にする必要があります。
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民泊許可の種類と中央区の条例・規制:
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**中央区の民泊(住宅宿泊事業法)に関する条例や、旅館業法(簡易宿所など)での許可可能性を、必ず管轄の区役所(保健所、観光課など)に問い合わせ、詳細な条件、営業可能日数、必要な設備、申請プロセスなどを確認する。**銀座では許可取得が困難なケースもあります。
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築61年のRC造であるため、消防法や建築基準法への適合性も重要です。
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「貸店舗・事務所」からの改装計画と費用:
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**必ず建築士やリフォーム業者を帯同し、メゾネット全体を宿泊施設として機能させるための必要な工事(浴室・シャワー、キッチン、寝室スペース、消防設備、空調、配管・電気系統など)の範囲と費用を徹底的に見積もる。**銀座の工事費は高額です。
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既存のエアコンが残置物であるため、性能や年式を確認し、必要であれば交換費用を予算に含める。
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定期借家3年後の更新条件と短期解約違約金:
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契約更新の可能性、更新料、更新時の賃料改定など、契約終了後の条件を貸主と明確に確認し、書面に残す。
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短期解約違約金のリスクも十分に理解し、事業計画に組み込む。
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築61年の物件の現状とインフラ状況:
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建物の耐震性、アスベストの有無、給排水管や電気配線などのインフラの老朽化具合を確認する。必要に応じて、専門家による詳細なインスペクションを依頼する。
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周辺地域の平均稼働率
東京都中央区銀座は、日本を代表する高級ショッピング街であり、国内外の観光客、ビジネス客、高所得層が常に訪れるエリアです。そのため、民泊の需要は極めて高く、稼働率は90%以上を十分に狙えます。高単価を設定しても、予約が入りやすい立地です。競合も多いですが、立地とメゾネットという特徴で差別化は可能です。
運営した場合の想定年間利益(非常に挑戦的なシナリオ)
この物件の民泊賃料は不明ですが、ここでは参考として、**通常の賃料(月額20.9万円)を前提とし、これに管理費(月額5,500円)を加算した「月額21.45万円」**で計算を進めます。銀座という立地を最大限に活かせれば、高収益が見込めますが、改装費用が最大のハードルです。
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月額賃料等: 214,500円 (賃料20.9万円 + 管理費0.55万円)
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年間賃料等: 214,500円 × 12ヶ月 = 2,574,000円
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初期費用:
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敷金2ヶ月(41.8万円) + 契約事務手数料5,500円 + 鍵交換代金22,000円 + 初回保証料(月額総支払額21.45万円の100% = 21.45万円) + 保険(約2万円) + 仲介手数料1.1ヶ月(23.495万円) = 約91万円
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大規模改装費用+家具家電備品: 貸店舗・事務所からバス・キッチン付き民泊へ転用するため、最低でも500万円〜1,200万円程度と見積もるべきです。銀座のブランドに合わせた高品質な内装と設備、消防設備なども必要です。
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合計初期現金支出(概算): 91万 + 500万 = 約591万円〜(これに加えて1ヶ月目の家賃)
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平均宿泊単価: 銀座の立地とメゾネットの広さ(約11.7坪)を考慮し、1泊1組60,000円(高単価設定)
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年間営業可能日数: 365日(旅館業許可取得を前提とした場合。中央区の条例による日数制限を要確認)
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想定稼働率: 85%(銀座の好立地と高品質な内装を前提)
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年間想定稼働日数: 365日 × 0.85 = 310日
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年間想定売上: 60,000円 × 310日 = 18,600,000円
ここから諸経費を差し引きます。
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プラットフォーム手数料: 売上の約10% = 1,860,000円
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清掃費・消耗品費: (1回10,000円として、310回分) = 3,100,000円
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水道光熱費: (月5万円と仮定、居住用として) = 600,000円
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24時間サポート費用: 1,100円 × 12ヶ月 = 13,200円
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修繕積立費・その他雑費: (築古リスク考慮し、月3万円と仮定) = 360,000円
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運営代行費(アウトソースする場合): 売上の20-30% = 3,720,000円〜5,580,000円 (ここでは自力運営と仮定し含まず)
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年間総費用(賃料含む): 2,574,000円 (賃料等) + 1,860,000円 (手数料) + 3,100,000円 (清掃) + 600,000円 (光熱費) + 13,200円 (サポート) + 360,000円 (その他) = 8,507,200円
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想定年間利益(税・初期費用回収前): 18,600,000円 (売上) - 8,507,200円 (総費用) = 10,092,800円
この計算では、年間で約1,009万円の黒字となりました。これは銀座という最高の立地と、賃料が上記設定で安定した場合の非常に良い結果です。初期投資(500万円〜1,200万円以上)を回収するには、半年〜1年半程度で可能という、非常に魅力的な物件となり得ます。ただし、これは中央区の厳しい規制をクリアし、高品質な改装と高い稼働率を維持できた場合のシナリオです。
想定利益を増やすためのアイデア(「銀座」ブランドを最大限に活かす)
この物件で安定した高収益を出すためには、銀座というブランド力とメゾネットという特徴を最大限に活かし、超富裕層や特別な体験を求める層をターゲットにする必要があります。
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「銀座の隠れ家」をテーマにした超高級空間の創出:
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ターゲットを明確化: エグゼクティブビジネスパーソン、富裕層の観光客、記念日旅行のカップルなど、高単価を支払う価値を見出す層に絞る。
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徹底した内装・設備への投資: 最新のスマートホーム設備、高級ホテルクラスのバスルーム(バスタブ必須)、機能的なキッチン、質の高い寝具、デザイナーズ家具、美術品などを導入し、非日常感と快適性を追求する。
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メゾネット構造を活かした空間演出: 上下のフロアで機能(例: 1階リビング・ダイニング、2階寝室・バスルーム)を分け、広々とした贅沢な空間を提供する。
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銀座ならではの体験とパーソナルサービスの提供:
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コンシェルジュサービス: 銀座の高級レストラン予約、歌舞伎座チケット手配、パーソナルショッパー紹介など、ゲストの要望に応じたきめ細やかなサービスを提供する。
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プライベートイベント利用: 小規模なビジネスミーティング、プライベートディナー、撮影スタジオなど、民泊以外の用途での時間貸しも検討し、多角的な収益源を確保する。
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地元の名店との提携: 老舗料亭や高級バーとの提携により、特別メニューや割引を提供し、ゲスト体験の価値を高める。
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高品位なマーケティングと集客戦略:
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プロのカメラマンによる写真・動画撮影: 銀座の高級感とメゾネットのユニークさを伝える高品質なビジュアルコンテンツを作成し、主要なOTA(Booking.com, Airbnb Luxe, 高級ヴィラサイトなど)で展開する。
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富裕層向け旅行代理店との提携: 海外の富裕層専門の旅行代理店やコンシェルジュサービスに物件を紹介してもらう。
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SNS戦略: Instagramなどで、銀座での特別な滞在を想像させる写真やショート動画を継続的に発信し、ターゲット層にアピールする。
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この物件は、銀座という最高の立地と「メゾネット」というユニークな構造により、**超高収益民泊となるポテンシャルを秘めています。**しかし、民泊利用時の正確な賃料条件を突き止めること、中央区の厳しい規制をクリアし、多額の改装費用を投じてでも、銀座のブランドにふさわしい「最上級の宿泊体験」を提供できるかが、事業成功の鍵を握るでしょう。
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