物件情報
以下は今回診断する物件の概要です。
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物件名: 京都府京都市伏見区深草一ノ坪町 伏見稲荷駅 貸店舗・事務所
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掲載元: OCN不動産
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住所: 京都府京都市伏見区深草一ノ坪町
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最寄り駅: 京阪電鉄本線 伏見稲荷駅 徒歩1分、JR奈良線 稲荷駅 徒歩5分
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賃料: 242,000円
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管理費等: - (記載なし、要確認)
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敷金/礼金: 2ヶ月 (48.4万円) / 2ヶ月 (48.4万円)
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保証金/敷引・償却金: なし / -
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使用部分面積: 72.49㎡(約21.9坪)
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種別・構造: 貸店舗・事務所・木造3階建(1棟貸し)
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築年月(築年数): 1996年8月 (築29年)
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特記事項:
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駅徒歩1分!伏見稲荷大社表参道まで徒歩約5分!周辺観光客多数!
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民泊・ゲストハウス等におすすめ!
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飲食店可
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間口約4m
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仲介手数料:不要
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駐車場: 有 無料
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現況空、引渡可能時期相談
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契約期間2年
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初期費用: 敷金2ヶ月、礼金2ヶ月、初回保証料など。仲介手数料不要は大きなメリット。
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契約期間: 定期借家2年
詳細はこちらのURLをご参照ください: 物件詳細
民泊適正評価:立地はSクラス、しかし改装と短期契約が重い課題
この物件の民泊適正は「京都でも特に需要の高い伏見稲荷エリアで、駅至近という強みを活かし、高単価・高稼働率を狙えるが、多額の初期投資と京都特有の厳しい規制をクリアできる、超上級者向け」と評価します。
【圧倒的なメリット】最高の立地と集客力
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伏見稲荷大社至近の超好立地:
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京阪伏見稲荷駅から徒歩1分、JR稲荷駅から徒歩5分というアクセスは、国内外からの観光客にとってこれ以上ない立地です。伏見稲荷大社へも徒歩5分という近さは、集客において絶大なアドバンテージとなります。
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「周辺観光客多数!」とある通り、常に人通りがあり、ビジネスチャンスに恵まれています。
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「民泊・ゲストハウス等におすすめ!」という明確な用途:
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貸主側が民泊利用に積極的であり、事業開始に向けたハードルが低いことが期待されます。
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仲介手数料不要:
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初期費用を抑えられるのは大きなメリットです。
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1棟貸し3階建:
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約21.9坪の広さを活かし、大人数のグループやファミリー層、複数世代での旅行にも対応できます。3階建て構造は、フロアごとに異なるコンセプトを持たせたり、プライバシーを確保しやすい設計にしたりすることが可能です。
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築29年:
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築年数が古い物件が多い京都において、比較的築浅であり、大規模な構造上の問題が少ない可能性が高いです。
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【克服すべき課題】「貸店舗・事務所」からの転用と京都の規制 最高の立地である一方で、事業をスタートさせるにはいくつかの大きな課題をクリアする必要があります。
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「貸店舗・事務所」からの大規模改装費用:
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居住設備(バスルーム、キッチン、寝室スペース、シャワー、トイレの数など)はゼロから構築する必要があります。現在の設備に関する記載がないため、電気配線、給排水設備の確認・改修、内装(壁、床、天井)の刷新、断熱工事など、数百万円〜1,000万円超の大規模な初期投資がほぼ確実に発生します。
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木造3階建であるため、旅館業法の許可取得には、消防設備や避難経路など、より厳しい建築基準法・消防法への適合が求められます。
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京都の民泊規制の厳しさ:
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京都市は、民泊に関する条例が全国でも特に厳しく、住宅宿泊事業法(民泊新法)の年間180日制限に加え、京都市独自の「京都市宿泊施設建築に関する指導要綱」や「京都市旅館業法の許可等の手続に関する条例」など、多くの規制が存在します。
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特に、住宅専用地域では民泊の営業日数が非常に限られることがあります。この物件の用途地域を確認し、どの許可(簡易宿所など)が可能か、どの程度営業可能か、事前に区役所や保健所に確認することが必須です。
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高額な初期費用(敷金・礼金各2ヶ月):
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賃料に加え、敷金・礼金で約96.8万円が発生します。
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定期借家2年という短期間:
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多額の改装費用を投じる事業において、2年という契約期間は非常に短く、投資回収に大きなリスクを伴います。更新の可能性や条件を事前に確認することが極めて重要です。
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管理費不明:
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月々の運営コストに影響するため、管理費の有無と金額を明確にする必要があります。
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契約前に確認するポイント
この物件で民泊運営に踏み切るなら、以下の点を徹底的にクリアにしてください。
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民泊許可の種類と京都市の条例・規制:
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**京都市の民泊(住宅宿泊事業法)に関する条例や、旅館業法(簡易宿所など)での許可可能性を、必ず管轄の区役所(保健所、観光課など)に問い合わせ、詳細な条件、営業可能日数、必要な設備、申請プロセスなどを確認する。**特に、木造3階建の店舗からの転用となるため、消防法への適合は入念にチェックしてください。
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「貸店舗・事務所」からの改装計画と費用:
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**必ず建築士やリフォーム業者を帯同し、3階建メゾネット全体を宿泊施設として機能させるための必要な工事(浴室・シャワー、キッチン、トイレの数と配置、寝室スペース、消防設備、空調、配管・電気系統、断熱材など)の範囲と費用を徹底的に見積もる。**京都の工事費は高額です。
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定期借家2年後の更新条件:
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契約更新の可能性、更新料、更新時の賃料改定など、契約終了後の条件を貸主と明確に確認し、書面に残す。2年で投資回収をするのは非常に困難なため、更新の保証は不可欠です。
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管理費とその他維持費用の確認:
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物件の管理費の有無と金額、その他発生する維持費用(駐車場費用、清掃、設備点検など)を明確にする。
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周辺競合施設の調査:
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伏見稲荷周辺の他の民泊やゲストハウスの料金帯、稼働率、提供サービスを調査し、この物件の差別化ポイント(例: 1棟貸し、大人数対応、特定のコンセプトなど)を明確にする。
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周辺地域の平均稼働率
京都市伏見稲荷エリアは、伏見稲荷大社へのアクセスが非常に良く、年間を通して国内外の観光客が絶えません。特に、民泊やゲストハウスの需要は極めて高く、稼働率は90%以上を十分に狙えます。高単価を設定しても、予約が入りやすい立地です。競合も多いですが、立地、1棟貸しという特徴で差別化は可能です。
運営した場合の想定年間利益(非常に挑戦的なシナリオ)
この物件は賃料が高めですが、その立地から来る高い稼働率と高単価を維持できれば、十分な収益を見込めます。ただし、改装費用が非常に高額になるため、初期投資の回収が最大の鍵となります。
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月額賃料: 242,000円
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年間賃料: 242,000円 × 12ヶ月 = 2,904,000円
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初期費用:
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敷金2ヶ月(48.4万円) + 礼金2ヶ月(48.4万円) + 初回保証料(月額総支払額24.2万円の100% = 24.2万円) + 保険(約2万円) = 約123万円 (仲介手数料不要は大きなメリット)
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大規模改装費用+家具家電備品: 「貸店舗・事務所」から宿泊施設へ転用するため、水回り(バス・トイレ複数設置推奨)、キッチン、寝室スペース、内装、消防設備、空調など、最低でも700万円〜1,500万円程度と見積もるべきです。京都の景観条例や旅館業法の基準を満たすための費用も考慮が必要です。
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合計初期現金支出(概算): 123万 + 700万 = 約823万円〜(これに加えて1ヶ月目の家賃)
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平均宿泊単価: 伏見稲荷大社至近の1棟貸し、3階建であることを考慮し、1泊1組60,000円(高単価設定)
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年間営業可能日数: 365日(旅館業許可取得を前提とした場合。京都市の条例による日数制限を要確認)
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想定稼働率: 85%(伏見稲荷の超好立地と高品質な内装を前提)
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年間想定稼働日数: 365日 × 0.85 = 310日
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年間想定売上: 60,000円 × 310日 = 18,600,000円
ここから諸経費を差し引きます。
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プラットフォーム手数料: 売上の約10% = 1,860,000円
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清掃費・消耗品費: (1回12,000円として、310回分、複数階でやや高め) = 3,720,000円
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水道光熱費: (複数階、大人数対応で月5万円と仮定) = 600,000円
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修繕積立費・その他雑費: (築29年、木造リスク考慮し、月3万円と仮定) = 360,000円
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運営代行費(アウトソースする場合): 売上の20-30% = 3,720,000円〜5,580,000円 (ここでは自力運営と仮定し含まず)
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年間総費用(賃料含む): 2,904,000円 (賃料) + 1,860,000円 (手数料) + 3,720,000円 (清掃) + 600,000円 (光熱費) + 360,000円 (その他) = 9,444,000円
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想定年間利益(税・初期費用回収前): 18,600,000円 (売上) - 9,444,000円 (総費用) = 9,156,000円
この計算では、年間で約915万円の黒字となりました。これは伏見稲荷という最高の立地と、高稼働率を維持できた場合の非常に良い結果です。初期投資(700万円〜1,500万円以上)を回収するには、1年〜2年程度で可能という、非常に魅力的な物件となり得ます。ただし、これは京都の厳しい規制をクリアし、多額の改装費を投じて高品質な施設を整備し、高い稼働率を維持できた場合のシナリオです。
想定利益を増やすためのアイデア(「伏見稲荷」の魅力を最大限に活かす)
この物件で安定した高収益を出すためには、伏見稲荷大社という日本の象徴的な観光地への近さを最大限に活かし、ゲストに特別な体験を提供することが重要です。
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「稲荷の里」をテーマにした特別な宿泊体験の創出:
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ターゲットを明確化: 伏見稲荷大社を深く体験したい外国人観光客、日本の伝統文化に触れたいファミリー層、写真愛好家など、具体的な層に絞る。
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内装・設備への徹底的なこだわり: 和モダンなデザインを取り入れ、畳の部屋、障子、縁側風のスペースなどを設ける。伏見稲荷らしいモチーフ(鳥居の色、狐の装飾など)をさりげなく取り入れることで、唯一無二の空間を演出する。
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3階建を活かした空間構成: フロアごとに異なる寝室タイプ(和室・洋室)、共有リビング、キッチンなどを配置し、大人数でも快適に過ごせる工夫をする。
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伏見稲荷ならではの体験とパーソナルサービスの提供:
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特別な参拝体験の提案: 早朝の貸し切りツアー、ご朱印帳巡り、お祓いの手配など、一般的な観光では味わえない体験を企画する。
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地域連携: 伏見稲荷周辺の商店街や飲食店、伝統工芸品店と提携し、ゲスト限定の割引や体験プログラム(例: 伏見稲荷周辺での和菓子作り体験、日本酒の試飲など)を提供する。
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プロのカメラマン手配: 伏見稲荷の千本鳥居での写真撮影サービスなど。
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高品位なマーケティングと集客戦略:
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プロのカメラマンによる写真・動画撮影: 物件の魅力と伏見稲荷の雰囲気を伝える高品質なビジュアルコンテンツを作成し、主要なOTA(Booking.com, Airbnb, Vrboなど)で展開する。
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インバウンド向けプロモーション: 訪日外国人観光客向けのSNS(WeChat, Facebookなど)や旅行ブログ、旅行会社との連携を強化する。
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**「伏見稲荷大社から最も近い民泊」**という点を強調し、検索上位表示を狙う。
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この物件は、伏見稲荷大社という最高の立地と「駅徒歩1分」というアクセスにより、**超高収益民泊となるポテンシャルを秘めています。**しかし、京都の厳しい規制をクリアし、多額の改装費用を投じてでも、伏見稲荷のブランドにふさわしい「最上級の宿泊体験」を提供できるかが、事業成功の鍵を握るでしょう。
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