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福岡市城南区別府の民泊相談可物件は本当に儲かるのか?辛口評価と成功への道

物件情報

 

 

物件は福岡市城南区別府に位置する、2階建ての戸建て賃貸物件です。店舗スペースも備えており、民泊のほか、美容室や飲食店としての利用も相談可能です。

  • 物件名: 民泊 事務所 飲食店相談可 大通り沿い 店舗付き賃貸戸建て 城南区別府🏡 (投稿ID : 1iuwbq)

  • Jmty掲載URL: https://jmty.jp/fukuoka/est-hou/article-1iuwbq

  • 所在地: 福岡県福岡市城南区別府

  • 最寄駅:

    • 福岡市営地下鉄七隈線 別府駅 徒歩7分

    • 福岡市営地下鉄七隈線 茶山駅 徒歩7分

    • 福岡市営地下鉄七隈線 金山駅 徒歩18分

  • 家賃: 99,000円

  • 管理費等: 0円

  • 敷金: 3ヶ月分

  • 礼金: なし

  • 間取り/面積: 2K / 43.3㎡

  • 階建: 2階建て

  • 建築年数: 築32年

  • 特記事項: 民泊相談可、借主様でリフォーム可、美容理容・飲食店相談可

  • 設備: 冷房、暖房、エアコン、給湯、シャワー、シャワールーム、トイレ、バス・トイレ別、室内洗濯機置場、収納スペース


 

民泊適正評価

 

 

この物件の民泊適性を評価するにあたり、「民泊相談可」「リフォーム可」という点は一見大きなメリットに見えますが、現実的にはいくつかの厳しい側面が存在します。

【メリット】

  • 民泊相談可: 最も重要な点として、民泊としての利用が前提で契約交渉ができるのは大きな強みです。後からのトラブルを避けられます。

  • リフォーム可: 築32年という古さを考慮すると、内装や設備を一新できるのは魅力的です。利用者のニーズに合わせた空間づくりが可能です。

  • 駅徒歩7分: 複数の駅が利用可能で、駅からのアクセスは悪くありません。

【デメリット】

  • 築32年という古さ: 設備が整っていても、水回りや断熱性能など、老朽化による追加費用が発生する可能性があります。また、新築や築浅の物件と比較して、集客面で不利になる可能性は否定できません。特に海外からの旅行者は、清潔感や新しさを重視する傾向にあります。

  • 家賃の割高感: 月額99,000円という家賃は、43.3㎡という広さや築年数を考えると、決して安価ではありません。運営シミュレーションにおいて、この固定費の高さが利益を圧迫する最大の要因となり得ます。周辺に競合する民泊施設が多い場合、高額な家賃をカバーできるだけの収益を上げ続けるのは至難の業です。

  • 立地の曖昧さ: 駅徒歩7分は通勤には十分ですが、観光客にとって「便利」と感じるかは別の問題です。博多駅や天神などの主要観光地へのアクセス時間や乗り換えの有無が、集客に大きく影響します。大通り沿いという点も、騒音などのデメリットになり得ます。

  • 2Kの間取り: 民泊のターゲット層にもよりますが、広さの割に部屋数が少ないため、大人数での利用には不向きです。ファミリー層やグループ客を狙う場合、手狭に感じられる可能性があります。

 

契約前に確認するポイント

 

 

この物件で民泊運営を検討するなら、以下の点を徹底的に確認してください。

  1. 民泊許可の具体的な条件: 「民泊相談可」とありますが、簡易宿所としての許可なのか、特区民泊なのか、住宅宿泊事業法に基づく届出なのか、どの形態での運営が可能か。また、その許可取得に必要な条件(消防設備、防音対策など)と費用を事前に確認すること。リフォームでこれらをクリアできるのか、追加費用はどの程度発生するのかを明確にしましょう。

  2. 周辺の民泊施設状況: 城南区別府エリア、あるいは福岡市内の同等エリアでの民泊施設の数、平均的な宿泊料金、稼働率、競合との差別化ポイントを徹底的に調査する。

  3. 初期費用とリフォーム費用: 敷金3ヶ月に加え、築32年であることを考えると、民泊としてゲストが快適に過ごせるレベルにリフォームするには、それなりの費用がかかります。水回り、内装、家具家電、Wi-Fi環境の整備など、詳細な見積もりを取り、初期投資額を正確に把握する。

  4. 管理運営の手間と費用: 自力で運営するのか、代行業者に委託するのか。清掃、リネン交換、問い合わせ対応、鍵の受け渡しなど、運営にかかる手間と費用を見積もる。特に代行業者に支払う手数料は、利益に直結します。

  5. 騒音対策: 大通り沿いという立地は、車の走行音や人通りによる騒音が懸念されます。ゲストの快適な睡眠を妨げないよう、防音対策が必要かどうかも検討しましょう。

 

周辺地域の平均稼働率

 

 

周辺地域の平均稼働率については、この情報だけでは明確な数値を提供できません。しかし、民泊運営において稼働率は収益を左右する最も重要な要素の一つです。

 

ご自身で調査すべきこと:

  • OTA(オンライン旅行代理店)の調査: https://www.google.com/search?q=Airbnb%E3%82%84Booking.comなどで、城南区別府周辺の類似物件(広さ、間取り、築年数、駅からの距離など)の掲載状況を詳細に確認してください。価格帯、レビューの数、予約カレンダーの埋まり具合などをチェックすることで、ある程度の稼働状況が見えてきます。

  • 民泊専門のデータ分析ツール: 有料サービスにはなりますが、エリアごとの平均稼働率や平均単価などを分析できるツールも存在します。本格的に検討するなら、これらの利用も視野に入れるべきです。

もし周辺に競合が多く、稼働率が低いようであれば、家賃9.9万円を回収することすら難しいでしょう。

 

 

運営した場合の想定年間利益

 

 

具体的な年間利益を算出するには、周辺の民泊稼働率、平均宿泊単価、清掃費、消耗品費、インターネット代、光熱費、修繕費、予約サイト手数料など、多岐にわたる詳細なデータが必要です。ここでは、あくまで概算と利益を圧迫する要因を提示します。

 

【計算の前提(仮定)】

  • 月間家賃: 99,000円

  • 年間家賃: 99,000円 × 12ヶ月 = 1,188,000円

  • 平均宿泊単価: 仮に1泊10,000円(※この地域の相場を要確認)

  • 稼働率: 仮に50%(※この地域の相場を要確認)

【荒い試算】

  • 年間売上: 10,000円 × 365日 × 50% = 1,825,000円

  • 年間粗利益: 1,825,000円(売上) - 1,188,000円(家賃) = 637,000円

この637,000円から、さらに以下の経費が引かれます。

  • 清掃費(1回あたり3,000円〜5,000円程度、稼働率によって変動)

  • 消耗品費(アメニティ、トイレットペーパーなど)

  • 光熱費、水道代、インターネット代

  • 予約サイト手数料(売上の15%〜20%程度)

  • リネン交換費用

  • 損害保険料

  • 税金(所得税、住民税など)

  • もし管理代行業者に委託する場合は、その手数料(売上の20%〜30%程度)

これらの経費を差し引くと、年間家賃1,188,000円という重い固定費があるため、平均稼働率が相当高くない限り、利益はほとんど残らないか、むしろ赤字になる可能性が高いと言わざるを得ません。特に稼働率が低い場合、家賃だけで運営が破綻するリスクがあります。立地が観光の中心地ではないため、高稼働を維持するのは容易ではないでしょう。

 

 

想定利益が低い場合の改善アイデア

 

 

もし想定利益が低いと判断された場合でも、この物件で民泊を成功させるための改善策はいくつかあります。ただし、これらには追加投資や労力が伴います。

  1. ターゲット層の絞り込みと特化:

    • ワーケーション向け: リフォームで高速Wi-Fiと快適なデスク環境を整え、長期滞在のビジネス客やリモートワーカーをターゲットにする。

    • コンセプト型民泊: 福岡の文化や特定のテーマ(例:アニメ、食、レトロモダン)に特化した内装にし、ファン層を呼び込む。SNSでの拡散も期待できます。

    • 地元体験型: あえて観光地から少し離れた立地を活かし、周辺のローカルな飲食店や商店との連携を強化し、地域体験を提供することで差別化を図る。

  2. 徹底的なリフォームと差別化:

    • 水回りの完全リニューアル: 築32年という点を逆手に取り、最新の清潔で使いやすい水回り設備を導入し、快適性を追求する。

    • デザイン性の追求: プロのインテリアデザイナーに依頼し、SNS映えする空間を創出。写真のクオリティを高め、視覚的な魅力を最大限に引き出す。

    • 最新家電の導入: スマートロック、スマートスピーカー、大画面テレビ、ドラム式洗濯乾燥機など、ゲストが喜ぶ設備を導入し、利便性を向上させる。

  3. 効果的な集客戦略:

    • 複数OTAへの登録: Airbnbだけでなく、Booking.com、Agodaなど、複数の予約サイトに掲載し、露出を増やす。

    • SNSマーケティング: Instagram、TikTokなどで物件の魅力を発信し、視覚的に訴えかける。特にリフォーム後の写真や動画は重要です。

    • 多言語対応: 英語、韓国語、中国語など、外国人観光客の言語に対応した案内やコミュニケーション体制を整える。

  4. 運営コストの最適化:

    • 自己管理の検討: 清掃やリネン交換、ゲスト対応を可能な範囲で自力で行うことで、代行業者に支払う手数料を削減する。ただし、これは時間と労力が大きくかかるため、覚悟が必要です。

    • 光熱費の削減: 省エネ型の家電を導入する、スマートホーム化で無駄な電気使用を減らすなど、光熱費を抑える工夫をする。

この物件は「民泊相談可」という入口は開いていますが、実際に利益を出すには、かなりの知恵と努力、そして追加投資が求められます。安易な気持ちで手を出すと、高額な家賃が重荷となり、夢が破れる可能性が高いことを肝に銘じてください。