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【渋谷区広尾・民泊相談可】利回りに注意!好立地1階店舗物件の真価を検証

■物件情報

  • 【物件名】(名称なし)

  • 【所在地】東京都渋谷区広尾3丁目

  • 【賃料】月額 275,000円

  • 【管理費等】なし

  • 【敷金/礼金】2ヶ月 / 1ヶ月

  • 【償却】2ヶ月

  • 【使用面積】21.02㎡(約6.36坪)

  • 【構造・階数】RC造 5階建の1階部分

  • 【築年月】2018年5月(築7年)

  • 【アクセス】広尾駅・表参道駅 徒歩13分、恵比寿駅 徒歩18分

  • 【URL】物件詳細ページ(OCN)


■民泊適正評価(5段階)

立地:★★★★★
広尾・表参道・恵比寿という都内屈指の高級エリアに囲まれ、都心観光の拠点としては申し分なし。特にインバウンド客にとってはブランド価値が高いエリアです。

面積・広さ:★☆☆☆☆
21㎡という狭小スペースは、宿泊者1〜2名が限界。グループ・家族旅行者を取り込むことはほぼ不可能です。家具配置や動線設計に工夫が求められます。

家賃・固定費:★☆☆☆☆
面積の割に家賃27.5万円(坪単価4.33万円)は高すぎる印象。償却2ヶ月分を含めた実質的な契約コストも重く、回収には高稼働&高単価が前提条件。

設備:★★★☆☆
エアコン、バストイレ別、洗濯機置場、追い焚き機能など、基本的な設備は揃っているが、民泊用として考えると面積の狭さが設備以上に大きな課題に。

総合評価:★★☆☆☆(2.6/5)
立地の一点突破型物件。利回りは厳しめで、戦略なしでは赤字リスクも。ビジネス旅行者向けの高単価短期運用に特化すべき。


■契約前に確認するポイント

  • 用途地域と建物の管理規約で民泊・簡易宿所の許可が可能か確認

  • 民泊プラットフォーム(Airbnb等)での周辺競合物件の料金水準とレビュー

  • 防音性能・騒音トラブル回避策(1階なので近隣店舗・住人との関係性確認)

  • レイアウト変更可否・共用部分の使用制限(共用スペース相談可とあるが範囲は要確認)


■周辺地域の平均稼働率(渋谷区中心部)

  • 平均稼働率:65〜75%(エリアと物件グレードにより大きく差あり)

  • 広尾3丁目周辺はホテル需要が高く、1泊15,000円以上でも稼働可能な市場あり

  • ただし狭小・高額物件は競争が激しく、レビュー評価によって稼働率が左右されやすい


■運営した場合の想定年間利益(試算)

  • 【前提】
     宿泊料金:1泊18,000円
     稼働率:70%(約255泊/年)

  • 【年間売上】
     18,000円 × 255泊 = 4,590,000円

  • 【年間支出】
     家賃:27.5万円 × 12ヶ月 = 3,300,000円
     光熱費・清掃・OTA手数料等:約900,000円

  • 【想定年間利益】
     4,590,000円 − 3,300,000円 − 900,000円 = 390,000円(約32.5万円)


■想定利益が低い場合の改善策

  1. 長期滞在・リピーター向けマーケティング: 医療ツーリズム、語学学校生など特定ターゲットに特化

  2. インフルエンサー向け“撮影スタジオ型民泊”: おしゃれ内装&好立地を活かして短時間貸しも検討

  3. 平日と週末で料金差を調整し稼働最適化: 平日割引&週末プレミア価格で売上の最大化を狙う


■まとめ|“超一等地”ゆえに問われる戦略力

渋谷区広尾のこの物件は、立地だけ見れば文句なし。だが、21㎡という狭さと高家賃という「条件付きの魅力物件」です。民泊運営を成功させるには、差別化・高単価・低コスト運営のバランスが不可欠。漠然と運営すれば赤字になる典型例とも言えるため、事前の収支シミュレーションと戦略設計が非常に重要です。

民泊ビジネスは「立地がすべて」ではありません。「立地+戦略」がなければ、生き残ることはできません。