■物件情報
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【物件名】グリーン藤 1階
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【所在地】愛知県長久手市菖蒲池
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【賃料】月額 280,000円(+管理費5,000円)
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【敷金/礼金】1ヶ月 / 1ヶ月
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【間取り】7SLDK(専有面積215㎡)
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【築年数】築36年(1990年築)
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【アクセス】杁ヶ池公園駅 徒歩17分、長久手古戦場駅 徒歩22分
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【その他】民泊・事業用相談可、駐車場あり、バス・トイレ別、エアコン、宅配ボックス、防犯カメラあり
■民泊適正評価(5段階)
立地:★☆☆☆☆
最寄り駅から徒歩17分は、観光客向けには正直厳しい距離。特に荷物の多いインバウンド客や短期滞在者には敬遠されがちです。
家賃コスト:★☆☆☆☆
月額28万円という家賃は、民泊運営にはかなり高リスク。年間で約340万円の固定費が発生するため、高稼働・高単価で回せなければ赤字運営になる可能性が高いです。
間取り・広さ:★★★★★
7SLDK・215㎡という広さは圧倒的な魅力。複数グループや大人数のファミリー層に対応可能で、希少性は高いです。和室が複数あり、外国人向けには「日本体験型宿泊施設」として差別化も可能です。
設備:★★★☆☆
バス・トイレ別、エアコン、防犯カメラ、宅配ボックスなど基本的な設備は揃っています。ただし築年数が36年と古く、インテリアや水回りにリフォームが必要な可能性あり。
総合評価:★★☆☆☆(2.6/5)
スペックだけ見れば面白い物件ですが、立地とコストの重さを考慮すると、戦略なしには収益化は難しいです。
■契約前に確認するポイント
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物件オーナーとの【民泊運営に関する合意】が明文化されているか
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【住宅宿泊事業法(民泊新法)】の届け出が可能かどうか(用途地域や管理規約も確認)
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和室・古さが残る部分の【リフォームコスト】見積もり
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物件周辺に【住民トラブルリスク】があるかどうか(騒音や駐車場利用など)
■周辺地域の平均稼働率(2024年実績ベース)
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愛知県長久手市の住宅宿泊事業による平均稼働率は45〜55%程度
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観光地としての認知度は低く、名古屋市内に比べて集客が弱い傾向
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家族連れや留学生の家族など【特定層ターゲット】に絞る必要あり
■運営した場合の想定年間利益
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【前提】
1泊あたり宿泊料:25,000円(6名利用を想定)
年間稼働率:50%(=約180日) -
【年間売上】
25,000円 × 180泊 = 4,500,000円 -
【年間支出】
家賃:280,000円 × 12ヶ月 = 3,360,000円
光熱費・清掃費・OTA手数料等:約1,200,000円 -
【想定利益】
4,500,000円 − 3,360,000円 − 1,200,000円 = ▲60,000円(赤字)
■利益改善のためのアイデア
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シェアハウス運営との併用: 一部客室を中長期賃貸として活用することで稼働率と収益の安定化が可能
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企業向け研修宿泊・合宿施設として貸し出す: 土地の広さと部屋数を活かし、民泊とは別の収益源を確保
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「古民家風×ジャパニーズ体験」特化リノベ: 海外観光客向けに、畳・ちゃぶ台・浴衣貸出など体験型要素を導入
■結論|“面白いが危険な物件”
この物件は間違いなく「素材」としての魅力は大きいです。7SLDK・215㎡という広さと希少性は代えがたい武器。しかし、民泊単体での収益化はほぼ不可能。立地・家賃の高さ・集客難易度を冷静に捉え、シェアハウスや企業利用などと組み合わせる「複合型の収益モデル」が必要です。
「広さがあるから成功する」は幻想です。実行前に必ず事業計画をシミュレーションし、過剰投資を避けることが重要です。