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【世田谷・民泊可】代田エリアの小型物件は狙い目?冷静に見るべき課題点と収支シミュレーション

物件情報:

  • 所在地: 東京都世田谷区代田1丁目

  • アクセス:
     小田急小田原線 世田谷代田駅 徒歩10分
     下北沢駅 徒歩14分、新代田駅 徒歩15分

  • 賃料: 140,000円

  • 管理費: 14,300円

  • 礼金: 5ヶ月(70万円相当)

  • 敷金/保証金: なし

  • 面積: 20㎡(約6坪)

  • 築年: 2000年(築24年)

  • 構造: 鉄骨造 2階建ての2階部分

  • 設備: 家具・家電付き(エアコン、冷蔵庫、ベッド、洗濯機、収納など)、バス・トイレ別、インターネット対応

  • リンク: 物件詳細はこちら


民泊適正評価:★★☆☆☆(5点満点中2点)

  • メリット:
     ・家具家電付きで初期設備費用を削減
     ・下北沢圏内で観光・利便性あり
     ・世田谷区というブランド力

  • デメリット:
     ・家賃+管理費合計で15万円超(年間180万円)
     ・礼金5ヶ月で初期費用が高すぎる(運営初期から赤字リスク)
     ・駅から遠め(10分以上)でキャリーバッグ移動には不便
     ・20㎡と狭く、カップル・ファミリー層の利用は厳しい
     ・飲食店不可=簡易宿所転用には制限も

総評:
立地だけを理由に「収益化できそう」と思うのは危険。民泊需要の高い都内とはいえ、費用対効果の観点では厳しい物件です。


契約前に確認するポイント:

  1. 用途地域と建物の制限
     →事務所用途から民泊運用への変更に支障がないか、用途地域と建築基準法を確認。

  2. 近隣住民とのトラブルリスク
     →世田谷は住民の目も厳しく、騒音・ゴミ・出入りの多さなどへのクレームが発生しやすい。

  3. 許可取得の難易度
     →住宅宿泊事業(民泊)としての届け出が通るか、保健所に事前相談が必須。

  4. 近隣競合の稼働実績
     →Airbnb等で周辺の民泊物件の料金と稼働率をリサーチしておく。


周辺地域の平均稼働率(推定):

  • Airbnbや民泊仲介サイト調査による目安:
     世田谷区代田~下北沢エリアの民泊稼働率はおおよそ55%前後
     ただし、物件条件(階段2階、狭小、駅距離あり)を考慮すると40~50%程度に落ちる可能性あり。


運営した場合の想定年間利益(試算):

  • 平均宿泊単価:10,000円/泊

  • 想定稼働率:45%

  • 月間稼働日数:13泊程度

  • 月収:13泊 × 10,000円 = 130,000円

  • 年間収入:約 1,560,000円

  • 年間支出(家賃+管理費): 1,852,000円(14万+1.43万 × 12ヶ月)

  • 年間利益:約▲292,000円(赤字)

※この試算には清掃費、消耗品、光熱費、プラットフォーム手数料、広告費、人件費などを含んでいません。これらを加味すると赤字幅はさらに拡大する見込みです。


まとめ:
「世田谷区・民泊可」という言葉に惹かれて飛びつくと後悔します。この物件は設備や立地面に一定の魅力はあるものの、初期費用と固定費が重く、稼働率が平均以下に落ちた時点で赤字に転落するリスクが高い物件です。実績ある民泊オーナーであっても慎重な判断が求められ、初心者にはおすすめしにくい物件です。

採算を重視するなら「礼金のない物件」や「もう少し狭くても駅近」の方が収益化しやすく、スタート地点としては適していると言えるでしょう。