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青森市【民泊可・家賃6万円】リノベ済み4DK戸建の収益性は?超高額な短期解約金とリスク分析

物件情報

 

  • 参照URL: リノベ済・初期費用0円戸建物件情報

  • 所在地: 青森市安田字近野431-15

  • アクセス: 新青森駅・青森駅まで車で14分程度。

  • 賃料: 居住用: 60,000円 / 民泊用: 60,000円 + 消費税 + 礼金1ヶ月

  • 敷金/礼金: 居住用: なし / 民泊用: 敷金なし・礼金1ヶ月(60,000円)あり

  • 間取り/面積: 4DK / 73.98㎡

  • 構造/築年数: 木造 / 築47年

  • 主な特記事項: リノベーション済み初期費用0円(現金184,000円プレゼント利用)、駐車場1台付修繕は借り主負担。2年以内の解約には高額な違約金あり。

 

民泊適正評価

 

 

いい点(メリット)

 

  • リノベーション済みで初期投資抑制: 築47年ながらリノベーション済みであるため、内装の改修費用が大幅に抑えられ、すぐに家具を揃えて事業開始できます。

  • 初期費用の最小化: 敷金なしに加え、現金プレゼント(18.4万円)があるため、民泊利用時の礼金6万円や初期の備品購入費を相殺でき、参入のハードルが非常に低いです。

  • 大人数対応の4DK: 73㎡の4DKは、青森観光の主要ターゲットであるファミリー層やグループ客(6名〜8名程度)に最適で、高単価を設定しやすいです。

  • 立地の優位性: 新青森駅・青森駅へのアクセスが車で14分程度であり、三内丸山遺跡や青森県立美術館など主要観光スポットへの移動拠点として利用可能です。

 

悪い点(デメリット)

 

  • 民泊利用時の固定費増: 民泊利用の場合、家賃が消費税分(約6,000円)上乗せされ、さらに礼金60,000円が初期費用にかかるため、居住用ほどの初期費用メリットは薄まります。

  • 高すぎる短期解約金: 2年以内の解約では、244,000円~304,000円という非常に高額な違約金が発生します。これは事業が失敗した場合、初期の現金プレゼントを大きく上回る損失となります。

  • 築47年と修繕費のリスク: リノベーション済みとはいえ、築47年の木造で**「修繕は借り主負担」**という条件は、突発的な給湯器、屋根、給排水管の修理費を事業者が負担するリスクを負います。

 

契約前に確認するポイント

 

  1. 民泊利用時の正確な固定費: 民泊利用時の賃料+消費税の合計額、および礼金60,000円、さらには火災保険の事業用への切り替え費用を正確に確認してください。

  2. 短期解約違約金のリスク許容度: 2年間の事業計画を綿密に立て、違約金のペナルティを回避できる自信があるか判断してください。初期の現金プレゼントは、実質的にこの違約金リスクの対価と見なすべきです。

  3. リノベーションの範囲: 内装以外の重要構造部分(屋根、外壁、給排水管など)の修繕がどの程度行われているかを大家または担当者に確認し、今後の大規模修繕リスクを予測してください。


 

周辺地域の平均稼働率

 

青森市は「ねぶた祭り」や冬の積雪、八甲田山などの観光需要がありますが、季節変動が非常に大きいです。民泊新法(年間180日上限)を前提とし、平均的な稼働率を設定します。

  • 現実的な平均稼働率(青森市戸建/180日営業想定): 60%

 

運営した場合の想定年間利益

 

4DK(73㎡)で定員6名を想定し、青森市の一棟貸し相場を参考に試算します。

  • 想定宿泊単価(一棟貸し): 20,000円/泊

  • 年間固定費(賃料+消費税+礼金償却): (66,000円/月 × 12ヶ月) + (礼金60,000円/2年償却) = 約822,000円

  • 年間稼働日数(稼働率60%): 180日 × 0.60 ≒ 108日

  • 年間売上: 20,000円/泊 × 108日 = 2,160,000円

  • リスティング手数料: 約540,000円(売上の25%と仮定)

  • 清掃委託費: 約756,000円(108泊 × 7,000円と仮定)

  • 年間純利益(光熱費前): 約42,000円

【評価と修正】

この試算では年間純利益がわずか42,000円となり、事業として成立しません。主な原因は、民泊新法による180日上限と、高い清掃委託費です。

【収益改善のための再シミュレーション】

  • 戦略: 地方物件の強みである清掃の内製化と、繁忙期の高単価設定を徹底します。

  • 清掃費を半額に: 清掃を自身または安価なアルバイトで内製化し、1泊あたり3,500円に抑える。

    • 清掃委託費: 108泊 × 3,500円 = 378,000円

  • 年間純利益(改善後): 2,160,000円 - 822,000円 - 540,000円 - 378,000円 = 420,000円

【投資回収期間の評価(改善後)】

清掃を内製化した場合、年間純利益は約42万円となり、投資回収期間は、初期投資(家具・家電など)を100万円と仮定した場合、約2.4年まで短縮され、事業として成立可能な水準となります。

 

成功のための戦略

 

  1. 清掃コストの徹底的な抑制: 地方民泊の成否は、清掃費用をいかに抑えるかにかかっています。オーナー自身が清掃を行うか、地元の信頼できる業者と格安で契約することで、年間40万円以上の利益差が生まれます。

  2. ハイシーズンに単価を最大化: ねぶた祭りや紅葉シーズンなどの超繁忙期には、単価を通常時の2倍〜3倍(40,000円〜60,000円/泊)に設定し、年間収益の多くをこの期間に集中して稼ぎ出す戦略が必要です。

  3. 積雪・冬期対策の明確化: 青森市の冬は積雪が多いため、除雪費用や暖房コストを固定費に組み込む必要があります。ゲストへの冬期利用の注意喚起や、雪対策の設備投資(融雪槽など)も検討し、冬季の安定運営を目指すべきです。