物件詳細情報(簡易宿所向け)
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物件URL: https://house.goo.ne.jp/rent/bb/detail/0/27128/6986716119/50106912/x06986716119.html
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物件種別: 貸店舗・事務所(RC造 4階建)
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賃料(月額): 297万円(管理費等なし)
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年間固定費: 3,564万円(297万円 × 12ヶ月)
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初期費用: 約2,376万円 (礼金2ヶ月 + 保証金6ヶ月)
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使用部分面積: 224.28m²(4フロア合計)
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フロア構成: 1F 62㎡、2F 60㎡、3F 60㎡、4F 40㎡
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築年数: 1962年1月築(築63年10ヶ月)- 旧耐震基準の可能性あり
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交通: 大阪メトロ千日前線・堺筋線 日本橋駅 徒歩1分、近鉄日本橋駅 徒歩1分
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利用条件: 飲食店可、民泊(簡易宿所)など商業利用相談可
民泊適正評価:メリットとデメリット
⭕ 良い点(ハイリターンの根拠)
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究極の立地: 日本橋駅徒歩1分、道頓堀・黒門市場・なんば・心斎橋まで全て徒歩圏内という、大阪トップクラスの観光立地。集客に困ることはありません。
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棟貸し(多フロア利用)の可能性: 4フロア合計224㎡という大空間を、多人数グループ(最大20〜30名規模)向けの一棟貸し簡易宿所として利用可能。高い客単価設定が可能です。
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改装の自由度: 貸店舗・事務所物件のため、住居用の物件に比べ、内装や水回りの配置といった簡易宿所へのコンバージョン(用途変更)が設計しやすい。
❌ 悪い点(超高リスクの根拠)
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最大の課題は高額固定費: 月額297万円の家賃は、高稼働・高単価でも利益を出すためのプレッシャーが極めて高い。
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事業の生命線「簡易宿所」許可リスク:
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築63年のRC造は、現行の消防法や建築基準法への適合が非常に困難。特に防火区画や避難経路、誘導灯、火災通報装置などの設置で**多額の改修費用(数千万円単位)**が必要となるリスクがあります。
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用途変更(店舗・事務所→簡易宿所)に伴い、建物の構造や老朽化に関する行政のチェックが厳しくなる可能性が高いです。
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巨額の初期投資: 契約時の保証金・礼金だけで約2,376万円に加え、改装費も加わるため、事業開始までに数千万円〜1億円近い初期資金が必要になる。
想定収益シミュレーション(簡易宿所:年間365日営業)
この高額な固定費を賄うには、簡易宿所の許可を取得し、365日営業することが前提となります。
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年間営業日数: 365日(簡易宿所・旅館業法前提)
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平均客単価(1泊あたり): 80,000円/棟(4フロア全体の一棟貸し単価を想定)
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年間稼働率: 80%(292泊/年)
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年間売上: 23,360,000円(80,000円 × 292泊)
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年間家賃(固定費): 35,640,000円
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年間運営費用: 5,840,000円(売上の約25%:清掃、手数料、光熱費等)
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想定年間利益: -18,120,000円(2,336万円 - 3,564万円 - 584万円)
【結論】通常の観光客向け運営では年間1,800万円超の大赤字
最高の立地で客単価8万円、**稼働率80%**という超優良な成績を上げたとしても、年間1,800万円以上の大赤字となる試算です。この物件の賃料は、一般的な簡易宿所としての収益構造では到底賄えません。
💡 黒字化のために必要な「異常値」
この物件で黒字化(固定費+運営費=約4,148万円)を達成するには、以下の**「異常なレベルの収益」**が必要です。
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目標年間売上: 約4,148万円
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目標客単価(稼働率80%の場合): 約142,000円/泊
一棟貸しで1泊14.2万円を稼ぎ出すには、超富裕層や長期ビジネスユースに特化するなど、ターゲットを極端に絞り込んだ高付加価値な事業戦略が必須です。
事業化の判断と契約前のチェックリスト
この物件は、通常の民泊投資ではなく、超高リスクな商業開発に近いです。
契約前に絶対確認すべき最重要事項
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簡易宿所への「用途変更」許可の確約:
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契約前に、建築士や行政書士を通じて、大阪市に簡易宿所への用途変更が物理的に可能か、およびそれに伴う消防・建築上の改修費用の見積もりを取得する。
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賃貸借契約書に「簡易宿所の許可が下りない場合は契約を解除する」といった特別な解約条項を設ける交渉が不可欠です。
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改修費用と資金計画:
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築63年の旧耐震基準物件であるため、耐震補強や消防設備のフルインストールに、数千万円の初期費用を見積もる必要があります。この初期費用を含めた投資回収シミュレーションを厳しく行ってください。
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賃料の減額交渉:
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現状の賃料では採算が合わないため、事業計画書を提示し、大幅な賃料減額交渉(例:200万円以下)を行うことが、唯一この事業を成立させる鍵となります。
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