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大阪市西区・ドーム前エリアの民泊可能マンションを検証!家賃13.7万円で収益化は可能なのか?【民泊可・民泊相談】

物件情報

 

項目 内容
物件種別 マンション(民泊可能)
家賃 137,000円
管理費等 10,500円
合計固定費(月額) 147,500円
間取り/面積 1LDK / 36.42㎡
建築年数 築年数不明
地域 大阪市 - 西区 - 千代崎
最寄り駅 大阪メトロ中央線 - 九条駅、大阪メトロ長堀鶴見緑地線 - ドーム前駅
情報元URL https://jmty.jp/osaka/est-hou/article-1iz445

 

民泊適正評価

 

 

良い点(メリット)

 

  1. 立地条件が極めて良好: 九条駅とドーム前駅の2駅2路線が利用可能で、梅田・心斎橋・難波といった主要エリアへのアクセスが非常に便利です。特に大阪ドーム(京セラドーム大阪)が徒歩圏内にあるため、コンサートや野球観戦などのイベント開催時には、高単価で満室が期待できるという強力な強みがあります。

  2. 人気エリアである西区: 西区はビジネス需要と観光需要の両方を兼ね備えたエリアであり、通年で一定の高い稼働率が見込めます。

  3. 1LDKで36.42㎡という使い勝手の良い間取り: カップルや少人数(2~4名)のファミリー・グループをターゲットにしやすく、内装デザインの自由度も高いです。

 

悪い点(デメリット)

 

  1. 家賃が高すぎる(固定費が重い): 月額147,500円の家賃は、民泊運営において利益を圧迫する最大の要因です。運営が年間180日制限の民泊新法に限定された場合、残りの185日間も家賃は発生するため、稼働率を極めて高く維持しなければ、運営しても利益が出にくい構造になります。

  2. 賃貸マンションであることの制約: 特区民泊に必要な「居室の床面積25㎡以上」の要件はクリアしていますが、賃貸であるため、オーナーや管理会社の**「民泊許諾」**が前提です。また、賃貸借契約の期間や条件、原状回復義務など、通常の購入物件にはない制約が多く、事業計画の変更リスクがあります。

  3. 周辺住民とのトラブルリスク: マンションタイプは、戸建てと異なり、騒音やゴミ出しといった近隣トラブルが発生しやすい傾向にあります。トラブルが続くと、管理組合やオーナーから民泊利用の許可を取り消されるリスクがあります。


 

契約前に確認するポイント

 

 

1. 民泊利用に関する書面での明確な許諾(最重要)

 

  • 「民泊可能」という文言だけでなく、どの法律(特区民泊か民泊新法か)に基づいて、何名まで宿泊可能なのかを賃貸借契約書または別途の覚書で明確に記載してもらってください。口頭での約束はトラブルの元です。

  • マンションの管理規約で、**「宿泊者の出入り方法」「共用部の利用ルール」**が細かく定められていないかを確認してください。

 

2. 初期費用の詳細と築年数(重要)

 

  • 敷金・礼金がそれぞれ1ヶ月分と記載されていますが、これ以外に民泊運営特有の保証金や初期費用が求められないかを必ず確認してください。

  • 建築年数が不明なため、築年数が古い場合は、消防法対応のための改修費用が発生しないか、事前に確認が必要です。

 

3. 特区民泊 vs. 民泊新法の選択肢とリスク

 

  • 現在、大阪市では特区民泊の新規申請停止が検討されているため、年間180日制限のある民泊新法での運営になる可能性が高いです。その場合、180日制限でもこの高い家賃(固定費)を賄える収益性があるかを厳しく再検証してください。


 

周辺地域の平均稼働率と運営した場合の想定年間利益

 

 

周辺地域の平均稼働率

 

大阪市西区は主要観光地やビジネス街に近く、イベント需要もあるため、稼働率は高い水準にあります。

  • 大阪市全体の平均稼働率:75%〜85%

  • イベント開催エリアの優位性を考慮し、ここでは現実的な年間平均稼働率を**80%**と仮定します。

 

想定単価設定

 

  • ターゲット:2名〜4名の観光客、イベント参加者

  • 間取りが1LDK(36.42㎡)であることと、立地の良さを考慮し、平均客単価(1泊あたり)を16,000円と仮定します。

 

運営した場合の想定年間利益(民泊新法:年間180日営業)

 

高額な家賃を抱えるため、民泊新法の年間180日営業でシミュレーションします。

項目 想定数値 備考
年間営業日数 180日 民泊新法の上限日数
平均客単価 16,000円/泊 2~4名利用を想定
年間稼働率(営業日換算) 80%(144泊/年) 180日 × 80%
年間売上 2,304,000円 16,000円 × 144泊
年間家賃(固定費) 1,770,000円 147,500円 × 12ヶ月
運営費用率(家賃除く) 25% 清掃費、消耗品費、仲介手数料(約15%)、光熱費、保険料など
年間運営費用 576,000円 2,304,000円 × 25%
想定年間利益(税・礼金除く) -42,000円 2,304,000円 - 1,770,000円 - 576,000円

【結論】家賃が高い場合は、年間180日営業では赤字になるリスクが高い!

上記の試算では、稼働率80%でも年間約4.2万円の赤字という結果になりました。これは、年間家賃(固定費)177万円という重さが、売上を大きく圧迫するためです。この物件で利益を出すためには、年間売上を家賃+運営費用の約235万円以上にする必要があります。

 

想定利益が低い場合の改善するためのアイデア

 

この高家賃物件を黒字化するためには、客単価を上げることが最重要課題となります。

  1. 高単価設定(イベント特需の最大活用):

    • 大阪ドームでのイベント開催日は、通常価格を大幅に上回る**超強気の価格設定(1泊3万円以上)**を行い、高単価で満室にすることを徹底します。年間を通じてイベントのスケジュールを事前に確認し、戦略的に価格をコントロールしてください。

    • 平均客単価を16,000円から17,000円に上げるだけで、年間利益は約14万円の黒字に転換します。

  2. 高付加価値なターゲットの獲得:

    • **「ビジネス利用(長期滞在)」「富裕層の少人数旅行」**をターゲットに加え、内装・アメニティを高品質なものに統一し、高単価に納得感を持たせるための差別化を図ります。

  3. 特区民泊の可能性を再検討(リスクあり):

    • 賃貸契約で特区民泊が許諾されている場合は、年間営業日数制限(180日)がないため、稼働率80%で通年運営(365日)できれば、年間売上は約473万円に増え、約238万円の大幅黒字が期待できます。ただし、現在大阪市は特区民泊の新規受付を停止する方針を固めているため、既に認定を取得済みか、手続きが間に合うかなど、行政書士と連携して最新の情報を確認する必要があります。

高家賃物件での民泊は、利益を出すための採算ラインが高くなることを常に認識し、安易な低価格競争に陥らないための強固な戦略が必要です。