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文京区湯島の民泊物件は赤字確定?家賃165万円で収益を出すには

物件情報

 

  • 物件名: 宮川ビル

  • 住所: 東京都文京区湯島2丁目

  • 交通: 東京メトロ千代田線 湯島駅 徒歩3分

  • 賃料: 165万円

  • 管理費等: なし

  • 敷金/礼金: なし / 1ヶ月

  • 広さ: 306.39m2

  • 築年月: 1989年4月(築36年6ヶ月)

  • 特徴: 民泊利用相談可、風俗営業法に基づく使用承諾書発行可、ビル名変更・内装変更等相談可、定期借家契約5年

  • 詳細URL: https://house.ocn.ne.jp/tenpo/detail/0/1170929707/00267520/x01170929707.html


 

民泊適正評価

 

 

良い点

 

  • 圧倒的な好立地: 湯島駅から徒歩3分という最高のロケーションは、上野・秋葉原エリアに近く、観光客やビジネス客からの需要が極めて高いです。

  • 旅館業許可の可能性: 「風俗営業法に基づく使用承諾書」の発行が可能であることから、厳しい条件が課されることが多い旅館業許可をスムーズに取得できる可能性があります。

  • 一棟貸しによる高付加価値: 10名以上の団体向けに一棟を貸し出すことで、圧倒的なプライベート空間を提供できます。

  • 自由度の高い内装: 貸事務所であるため、内装の変更が相談可能です。ゲストのニーズに合わせた内装や設備を自由に設計できます。

 

悪い点

 

  • 賃料の異常な高さ: 月額165万円という賃料は、たとえ事業用としても圧倒的に高額です。これが収益を圧迫する最大の要因となります。

  • 圧倒的な赤字リスク: 1泊10万円という単価では、高い稼働率を維持しても家賃すら回収できず、多額の赤字となる可能性が非常に高いです。

  • 莫大な初期投資: 貸事務所であるため、住居としての水回りや間仕切りがなく、大規模なリノベーションが必要です。内装・設備工事には数千万円から数億円単位の費用がかかる可能性があります。

  • 稼働率の確保が困難: 一棟貸しは、個室運営に比べて需要が限定的です。年間を通して高い稼働率を維持するのは非常に困難です。


 

契約前に確認するポイント

 

  • リノベーション費用: 設備工事の具体的な見積もりを複数の業者から取得し、事業全体の初期費用を正確に把握しましょう。

  • 旅館業許可の確実性: 許可取得に向けた具体的なプロセスや、過去の申請実績について、不動産会社やオーナーと詳細に確認し、リスクを最小限に抑えるべきです。

  • ターゲットの明確化: どのような団体をターゲットにするかを明確にし、それに合わせた内装・設備を計画することが重要です。


 

周辺地域の平均稼働率

 

この物件のような超大型一棟貸し民泊は、個室運営よりも需要が限定的であるため、年間を通しての稼働率は低くなります。ユーザーのご要望である稼働率60%は、都心の一棟貸しとしては非常に高い目標であり、現実的に達成するのは難しいと考えられます。


 

運営した場合の想定年間利益

 

ユーザーのご要望に基づき、1泊10万円で稼働率60%と仮定して収益シミュレーションを行います。

  • 設定条件:

    • 1泊あたりの平均単価: 100,000円

    • 年間平均稼働率: 60%

    • 年間運営日数: 365日

    • 年間家賃: 165万円 × 12ヶ月 = 19,800,000円

    • その他年間運営費: 24,000,000円(人件費、清掃費、光熱費、予約サイト手数料など)

  • 収益計算:

    • 年間売上: 100,000円 × 365日 × 0.60(稼働率) = 21,900,000円

    • 年間経費: 19,800,000円(家賃) + 24,000,000円(その他経費) = 43,800,000円

    • 想定年間利益: 21,900,000円 - 43,800,000円 = -21,900,000円

この物件を1泊10万円で運営した場合、年間で約2,190万円という莫大な赤字になります。これは、高い稼働率を維持したとしても、高額な賃料を回収できないためです。この結果から、1泊10万円という単価では、この物件で収益を出すことは不可能だと判断できます。


 

この物件で利益を出すための唯一の方法

 

この物件で収益を出すには、宿泊単価を大幅に引き上げるしかありません。家賃と運営費の合計である年間経費4,380万円を上回る売上を上げる必要があります。

  • 目標宿泊単価: 稼働率60%で経費を賄うには、1泊あたりの単価が約20万円以上必要です。

  • コンセプトの再考: 1泊20万円以上という高単価を実現するためには、「高級路線」での一棟貸しに特化するしかありません。富裕層の家族旅行、VIPの滞在、企業の重役向け研修など、明確なターゲット設定が必要です。

賃料が安くても、民泊運営は固定費との闘いです。特に、これほど高額な賃料の物件では、単価や稼働率を誤ると、事業は成立しません。この物件で成功するには、市場の需要を的確に把握し、高額な料金設定でもゲストが納得するだけの特別な価値を提供する覚悟が求められます。