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千葉県松戸市・民泊可物件ガイド:水道代無料の戸建ては、高家賃と駅遠のデメリットを補えるか?

物件情報

 

  • 所在地: 千葉県松戸市(※掲載情報に「千代田区」との矛盾あり)

  • 交通: 最寄り駅から徒歩24分

  • 間取り・面積: 3LDK・130.58㎡

  • 家賃・管理費: 149,000円 / 6,000円(合計155,000円)

  • その他: 敷金0円、水道代0円、家具付き、ペット可、民泊利用可

  • 物件情報URL: https://jmty.jp/tokyo/est-hou/article-1jnhk5


 

民泊適正評価

 

【良い点】

  • 広々とした空間: 130.58㎡の広さと3LDKという間取りは、大人数のグループやファミリー層をターゲットにできます。これにより、1泊あたりの単価を上げることができ、高い収益を狙えます。

  • 水道代が無料: 井戸水を使用しているため、水道代がかからないという唯一無二の強みがあります。これは運営コストを削減する上で非常に大きなメリットです。

  • 敷金なし: 敷金が不要なため、事業開始時の資金的な負担を軽減できます。また、家具付きなのですぐに利用できる点も魅力的です。

  • ペット可: ペットと泊まれる宿は需要が高く、供給が少ないため、明確なニッチ市場を狙うことができます。

【悪い点】

  • 非常に不便な立地: 最寄り駅から徒歩24分という距離は、特に観光客にとって大きなデメリットです。大きな荷物を持つゲストの集客は非常に困難であり、主要な交通手段は車になります。

  • 家賃と初期費用が高い: 駅徒歩24分の物件で家賃が14.9万円というのは非常に高く、周辺の家賃相場を大きく上回ります。また、敷金はゼロですが、礼金1ヶ月分と仲介手数料(通常は1ヶ月分)が発生するため、初期費用も高額です。

  • 掲載情報の矛盾: 住所が松戸市と千代田区で矛盾しており、物件情報が不正確である可能性が高いです。契約前にこの点をしっかり確認する必要があります。

  • 井戸水という懸念点: 水道代が無料というメリットがある一方で、井戸水の水質や衛生面について、ゲストに懸念を抱かれる可能性もゼロではありません。


 

契約前に確認するポイント

 

  • 正確な所在地と駅からの距離: 住所情報の矛盾を明確にし、実際に最寄り駅から物件までの距離や道のりを歩いて確認しましょう。

  • 初期費用の詳細: 敷金はゼロですが、礼金や仲介手数料、保証会社の利用料など、契約時に発生する費用を全て確認し、自己資金でまかなえるかを計算しておきましょう。

  • 水道代無料の条件: 井戸水の使用に関して、費用が本当に一切かからないのか、定期的なメンテナンス費用は誰が負担するのかなど、細かい条件を契約書で確認することが重要です。


 

周辺地域の平均稼働率

 

松戸市は、東京へのアクセスが良いものの、主要な観光地ではありません。駅から離れたこの物件の場合、民泊の平均稼働率は**30%〜40%**と見積もるのが現実的です。一般的な観光客よりも、出張者や長期滞在者、車で移動する国内のファミリー層が主なターゲットとなるでしょう。


 

運営した場合の想定年間利益

 

高い家賃と低い稼働率という両方の条件でシミュレーションを行います。

  • 運営コスト: 年間家賃15.5万円×12ヶ月=186万円。その他、電気・ガス・Wi-Fi費用を月2万円、清掃費用・消耗品を月10万円と仮定します。

  • 客単価・稼働率: 1泊あたり18,000円、年間平均稼働率を40%と仮定します。

【シミュレーション】

  • 年間売上: 18,000円 × 365日 × 0.40(稼働率)= 2,628,000円

  • 年間経費(初年度):

    • 家賃:1,860,000円

    • 初期費用(礼金・仲介手数料など):312,900円

    • 水道・電気・ガス・Wi-Fi代:240,000円

    • 清掃・消耗品費:1,200,000円

    • 管理・手数料(売上の10%):262,800円

    • 年間総経費: 3,875,700円

  • 想定年間利益(初年度): 2,628,000円(売上)- 3,875,700円(経費)= -1,247,700円

このシミュレーション結果からわかる通り、初年度は百万単位の赤字となる可能性が高いです。高額な家賃と高い清掃費が収益を大きく圧迫するため、事業として成り立たせるには、抜本的な対策が必要になります。


 

想定利益が低い場合の改善アイデア

 

  • ターゲット層の変更: 通常の観光客を諦め、長期滞在のビジネス客や、地域に住む人々のパーティースペース、撮影スタジオなど、新たな用途を検討しましょう。

  • 清掃のセルフ化: 清掃を自分で行うことで、年間100万円以上かかる清掃費を大幅に削減できます。これが利益を出すための最大の鍵となります。

  • 地域のイベントとの連携: 近隣のイベントや施設と連携し、送迎サービスや特別プランを提供することで、集客力を高める工夫が必要です。