物件情報
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物件名: セゾン・グレース
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住所: 大阪府大阪市阿倍野区丸山通1
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賃料: 5.3万円
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管理費等: 5,200円
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敷金/礼金: 1万円 / 5万円
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間取り/広さ: 1K(洋室8.0帖) / 26.07㎡
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築年月: 2007年7月(築18年2ヶ月)
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交通:
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地下鉄御堂筋線 天王寺駅 徒歩15分
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地下鉄谷町線 阿倍野駅 徒歩10分
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地下鉄御堂筋線 昭和町駅 徒歩15分
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設備: バストイレ別、2口コンロ、浴室乾燥機、室内洗濯機置場、独立洗面台など
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物件URL: https://house.ocn.ne.jp/chintai/detail/1/060H1004569735573557/141354001/x1060H100456973557.html
民泊適正評価
この物件は、民泊運営を検討している方にとって、いくつかの明確なメリットとデメリットを併せ持っています。
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メリット:
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立地: 観光の中心地である天王寺駅まで徒歩圏内であり、複数の路線を利用できるため、大阪観光の拠点として非常に魅力的です。
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設備: バストイレ別、独立洗面台、2口コンロなど、ゲストの満足度を高める設備が充実しています。これは同規模の物件と比較しても大きな強みです。
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民泊相談可: 賃貸物件でありながら民泊運営について相談できる点は、事業を始めたい方にとって非常に大きな安心材料となります。
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デメリット:
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駅からの距離: 天王寺駅からは徒歩15分と、スーツケースを持って移動するゲストにとっては少し遠く感じるかもしれません。特に猛暑や雨天時には不便さが際立つ可能性があります。
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競合の多さ: 天王寺エリアは民泊物件が非常に多いため、価格競争に巻き込まれるリスクがあります。単に駅に近いというだけでは、差別化が難しいかもしれません。
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収益性の課題: 1Kタイプは1泊あたりの単価が低くなりがちです。高額な賃料ではないものの、毎月の固定費と変動費を考慮すると、安定した利益を出すためには高い稼働率を維持する必要があります。
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契約前に確認するポイント
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民泊の許可・条件: 「民泊相談可」という記載ですが、具体的にどのような許可(民泊新法、旅館業法など)が必要か、また、その許可を得るための条件(消防設備、近隣住民への説明など)を不動産会社を通じて確認することが必須です。
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初期費用: 敷金1万円、礼金5万円に加え、仲介手数料や鍵交換費用など、契約時に発生するすべての初期費用を正確に把握しましょう。
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内装・設備の状況: 築18年であることを考慮し、水回りやエアコンの状態、インターネット回線の有無などを入居前に確認しておくことが重要です。
周辺地域の平均稼働率と想定年間利益
大阪市は全国でも有数のインバウンド需要を誇り、民泊の稼働率も非常に高い水準にあります。天王寺エリアは特に人気が高く、中心部の物件では年間稼働率80%を超えることも珍しくありません。この物件は駅から少し離れている点を考慮し、現実的な年間稼働率を65%と仮定して収支をシミュレーションします。
【前提条件】
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家賃・管理費: 5.3万円 + 5,200円 = 5.82万円/月
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想定運営コスト: 1.5万円/月(光熱費、Wi-Fi、消耗品費など)
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清掃費: 3,000円/回 × 稼働回数
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民泊運営代行費用: 月売上の20%(委託する場合)
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年間稼働率: 65%
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平均宿泊単価: 1泊あたり8,000円(1K物件の相場を考慮した設定)
【想定収益】
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年間稼働日数: 365日 × 65% = 237.25日
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年間売上: 237.25日 × 8,000円/泊 = 約189.8万円
【想定経費】
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年間家賃・管理費: 5.82万円 × 12ヶ月 = 69.84万円
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年間運営コスト: 1.5万円 × 12ヶ月 = 18万円
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年間清掃費: 237.25回 × 3,000円/回 = 約71.2万円
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年間代行費用: 189.8万円 × 20% = 37.96万円
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年間総経費: 69.84万円 + 18万円 + 71.2万円 + 37.96万円 = 約197万円
【想定年間利益】
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年間利益: 189.8万円 - 197万円 = ▲約7.2万円
上記のシミュレーションでは、年間約7.2万円の赤字という厳しい結果になりました。これは、特に運営代行費用や清掃費が利益を圧迫するためです。
想定利益が低い場合の改善アイデア
この物件で収益を上げるためには、徹底したコスト管理と集客戦略が不可欠です。
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徹底的な内製化: 清掃やゲスト対応を自身で行うことで、清掃費と代行費用を大幅に削減できます。これにより、年間約100万円のコストが削減され、収益は一気に黒字に転じます。
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価格設定の最適化: 競合が少ない平日の料金を抑える一方で、週末や繁忙期(ゴールデンウィーク、年末年始など)は強気の料金設定にすることで、全体の平均単価を引き上げましょう。
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コンセプトの確立: 単なる宿泊施設ではなく、「大阪の暮らしを体験できる部屋」「ビジネスに特化した快適な空間」など、ターゲットを絞ったコンセプトを設定することで、競合との差別化を図り、集客力を高めることができます。
この物件は、立地の良さや設備といった魅力を持つ一方で、賃料と収益のバランスを慎重に考える必要があります。自分で運営を行うことで、この物件のポテンシャルを最大限に引き出し、収益化を目指すことができるでしょう。