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【大阪・難波】日本橋の築57年貸店舗は民泊で稼げる?「コンカフェや民泊事業がご相談可能」な物件を徹底分析

物件情報

 

  • URL: https://house.ocn.ne.jp/tenpo/detail/0/6987265630/50102961/x069872630.html

  • 住所: 大阪府大阪市浪速区日本橋3丁目

  • 種別: 貸店舗(建物一部)

  • 専有面積: 60㎡

  • 家賃: 29.7万円

  • 管理費: なし

  • 敷/礼: なし / 2ヶ月分

  • 築年数: 1968年9月(築57年)

  • 最寄り駅: 南海電鉄 難波駅 徒歩5分

  • 特記事項: 飲食店可、角部屋、民泊事業がご相談可能


 

民泊適正評価

 

この物件は、難波駅から徒歩5分、大阪を代表する観光地である日本橋に位置するという、最高の立地条件が最大の強みです。しかし、家賃が非常に高額であること、そして築57年という築年数、さらに水回り設備の工事費用など、多くのリスクも存在します。これらのリスクを理解し、高い宿泊単価と稼働率を維持する戦略が不可欠です。

【良い点】

  • 抜群の好立地: 難波駅から徒歩5分という立地は、関西国際空港からのアクセスが非常に良く、大阪観光の拠点として理想的です。国内外からの観光客の集客力が非常に高いエリアです。

  • 民泊相談可能という希少性: 都心部、特に商業地域では民泊が可能な物件は非常に稀です。「ご相談可能」という条件ではあるものの、交渉の余地があるだけでも大きなメリットです。

  • 広々とした空間: 60㎡という広さは、大人数での宿泊や、ゆったりと過ごしたいファミリー層に最適です。

  • 視認性の良さ: 角地で前面ガラス張りという特徴は、ユニークな内装を施すことで、ゲストの興味を引きやすく、物件の魅力を最大限にアピールできます。

【悪い点】

  • 高額な賃料: 月額29.7万円という家賃は、民泊物件としては非常に高額です。これに礼金や保証金、仲介手数料などの初期費用も加わるため、かなりの資金力が必要です。

  • 店舗物件ゆえの初期工事費用: 民泊として利用するには、店舗形態の間取りでは不十分な場合が多く、浴室やトイレ、キッチンといった水回りの新設工事が必須となります。この工事費用は数百万円規模になることも珍しくなく、多額の初期投資が必要となります。

  • 築年数の古さ: 築57年という築年数は、建物の老朽化や設備の不具合リスクを伴います。予期せぬ修繕が必要となる可能性も考慮しなければなりません。

  • 「貸店舗」としての契約: 民泊として利用する場合でも、契約は貸店舗となる可能性が高く、住宅としての契約とは異なる条件が適用される場合があります。


 

契約前に確認するポイント

 

  • 民泊運営の可否: まずは不動産会社と大家さんに、民泊事業が本当に可能なのか、具体的な条件(宿泊人数の制限、騒音対策など)を詳細に確認しましょう。

  • 初期工事費用の見積もり: 水回りの新設工事にはどのくらいの費用がかかるのか、専門の業者に相談し、事前に詳細な見積もりを取っておきましょう。この費用が収益化の大きなカギとなります。

  • 修繕費用の負担範囲: 築年数が古いため、入居後の設備の故障や建物の修繕について、どこまでが大家さんの負担で、どこからが借主の負担となるのか、書面で明確に確認することが重要です。

  • 契約内容の詳細: 貸店舗としての契約になる場合、民泊利用が可能なのか、またどのような業種なら許可されるのか、契約書の内容を弁護士など専門家にも相談して慎重に確認しましょう。


 

周辺地域の平均稼働率

 

大阪・日本橋エリアは、国内外からの観光客が絶えず訪れる大阪を代表する観光地です。通年を通して宿泊需要が非常に高く、近隣のホテルや民泊物件の稼働率は非常に高い水準を維持しています。周辺地域の平均稼働率は80%以上と予測され、特にインバウンド需要の回復により、さらに高まる傾向にあります。


 

運営した場合の想定年間利益

 

以下の前提条件で、想定年間利益を試算します。

  • 家賃: 29.7万円/月

  • 稼働率: 85%

  • 宿泊単価: 25,000円/泊

  • 年間経費:

    • 家賃: 29.7万円 × 12ヶ月 = 356.4万円

    • 光熱費: 4万円/月 × 12ヶ月 = 48万円

    • 清掃費: 1泊あたり6,000円 × 310泊 = 186万円

    • OTA手数料: 売上の15%

    • その他費用(備品、保険など): 30万円

想定年間売上: 25,000円/泊 × 365日 × 85% = 776.8万円

想定年間利益: 776.8万円(売上) - {356.4万円(家賃) + 48万円(光熱費) + 186万円(清掃費) + 116.5万円(手数料) + 30万円(その他)} = 約40万円

この物件は、家賃が非常に高額なため、高稼働率と高宿泊単価を維持できなければ、利益を出すのが難しいシミュレーションとなりました。さらに、この利益から初期工事費用を回収する必要があるため、初期投資額によっては、収益化までにかなりの時間を要する可能性があります。


 

想定利益が低い場合は、改善するためのアイデア

 

利益が低いと感じた場合、以下のアイデアで収益を改善しましょう。

  1. 高付加価値サービスの提供:

    • 大阪観光の中心地という立地を活かし、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンや道頓堀などの観光スポットへのガイド付きツアーや、グルメ体験(例:たこ焼き作り)を宿泊プランに含めることで、高単価でも予約が取れる物件としてアピールします。

    • 内装を徹底的にこだわり、SNS映えするような特別な空間を創出することで、他物件との差別化を図ります。

  2. ターゲットの再設定:

    • 60㎡という広さを活かし、大人数のグループやファミリー層に特化したプランを設定します。

    • ビジネス出張者向けに、ワーキングスペースを整備したり、高速Wi-Fiを完備したりして、長期滞在の需要も取り込みましょう。

  3. 運営効率の最適化:

    • 清掃業務を自分で行う、または清掃代行業者と料金交渉を行うことで、清掃費を削減できます。

    • 予約サイトだけでなく、自社サイトやSNSを積極的に活用し、手数料を抑えた直接予約を増やすことも有効です。

この物件は、立地と民泊の可能性という大きなポテンシャルを持つ一方で、高額な家賃と築年数の古さ、そして初期工事費用という大きなリスクも抱えています。これらのリスクを十分に理解し、独自の魅力を持った運営戦略を立てることが、成功への鍵となるでしょう。