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【和歌山県日高川町】道成寺隣接の廃旅館を民泊で再生!格安8万円物件の挑戦とリスク

物件情報

 

  • 物件名: 非公開(旧旅館)

  • 家賃: 8万円

  • 管理費等: 5,000円

  • 敷金/礼金: 2ヶ月分(16万円) / なし

  • 間取り/面積: 4LDK以上 / 土地378.13坪(建物面積は非公開)

  • 住所: 和歌山県日高郡鐘巻(大字)1436-1

  • 築年月: 築54年

  • 構造: 3階建

  • 交通: 最寄り駅情報なし

  • その他: 道成寺に隣接、民泊OK、DIY可、事務所利用可、ペット可、残置物あり、修繕必要、アスベスト使用の可能性あり

  • 物件情報URL: https://jmty.jp/wakayama/est-hou/article-1huuhy


 

民泊適正評価

 

良い点:

  • 破格の賃料: 3階建ての旅館一棟と広大な敷地を合わせて、月額8.5万円(管理費込)という家賃は非常に安く、固定費を大幅に抑えられます。

  • ユニークな立地: 歴史ある道成寺に隣接しており、物語性のあるユニークな民泊施設として、特定の層に強くアピールできます。

  • 広い空間: 多数の部屋と広い敷地があるため、大人数での宿泊やイベント利用など、幅広いニーズに対応できます。

  • ペット可: ペット同伴可能な宿泊施設は需要が高く、単価アップにも繋がるため、大きな強みとなります。

悪い点:

  • アスベストのリスク: 最も深刻な問題です。アスベストの除去・封じ込めには専門業者による高額な費用がかかり、工事期間も長くなります。

  • 莫大な修繕費用: 築54年の廃旅館であるため、内装だけでなく、水回りや電気系統、屋根、壁などの大規模な修繕が必要となる可能性が高いです。

  • 残置物撤去の手間と費用: 廃旅館であるため、前の備品やゴミが残されている可能性が高く、その撤去にも費用と手間がかかります。

  • 立地が不便: 最寄り駅の情報がなく、車でのアクセスが前提となります。公共交通機関を利用するゲストの集客は難しく、ターゲットが限定されます。


 

契約前に確認するポイント

 

  • アスベストの事前調査: 契約前に必ず専門業者によるアスベストの有無と範囲の調査を依頼し、除去・封じ込めにかかる費用を正確に見積もっておくことが不可欠です。

  • 修繕費用の詳細な見積もり: 構造体、水回り、電気系統など、建物全体の状態をプロに診断してもらい、リフォームにかかる費用と期間を見積もりましょう。

  • 補助金制度の確認: 廃旅館の改修工事やアスベスト除去に対して、国や地方自治体から補助金が出る場合があります。事前に情報収集し、利用可能な制度がないか確認しましょう。

  • 民泊運営の許可: 旅館業としてではなく、民泊として運営する場合でも、和歌山県や日高川町の条例・規則を確認し、どのような手続きが必要か、運営に制限がないかを把握しておく必要があります。


 

周辺地域の平均稼働率

 

 

和歌山県は、高野山や熊野古道など世界遺産があり、多くの観光客が訪れます。しかし、物件がある日高川町は主要な観光ルートから外れているため、単に「和歌山」というだけで集客するのは難しいでしょう。ただし、道成寺は「安珍・清姫伝説」で知られる由緒ある古刹であり、歴史や文化に特化したゲストは一定数存在します。このニッチな層をターゲットにできれば、高い稼働率も期待できます。


 

運営した場合の想定年間利益

 

前提条件:

  • 家賃: 8万円 × 12ヶ月 + 管理費5,000円 × 12ヶ月 = 102万円

  • その他経費: 光熱費、インターネット代、消耗品、清掃費など、年間で100万円と仮定。

  • 初期費用: アスベスト除去費用、残置物撤去、大規模リフォーム費用を合わせて、1,500万円と仮定。

  • 宿泊単価: 一棟貸しのため、1泊4万円と仮定。

  • 稼働率: 20%(年間73日)と仮定。

  • 想定年間売上: 4万円 × 73日 = 292万円

利益計算:

  • 年間利益: 292万円(売上) - 102万円(家賃) - 100万円(経費) = 90万円

  • 初期費用償却後の利益: 90万円 - (1,500万円 ÷ 10年償却) = -60万円

家賃は非常に安いものの、莫大な初期費用がのしかかり、単純な計算では初年度は赤字になる可能性が高いです。


 

想定利益が低い場合の改善アイデア

 

  • 文化・体験型民泊への転換: 道成寺に隣接する立地を最大限に活かし、写経体験や座禅体験、歴史ガイドツアーなど、文化的な要素を取り入れた付加価値の高い民泊にする。

  • 「DIY旅館」としてのコンセプト: DIYが可能な点を逆手に取り、ゲストにもDIYに参加してもらう体験型民泊として売り出すことで、他の物件との差別化を図る。

  • ターゲット層の拡大: 民泊だけでなく、企業の研修施設、ヨガや瞑想のイベントスペース、クリエイターの合宿所など、多様な用途での利用を検討し、収益源を多角化する。

  • クラウドファンディングの活用: 「廃旅館再生プロジェクト」としてクラウドファンディングを実施し、初期費用の一部を募るとともに、プロジェクトのPRにも繋げる。