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大阪市船場エリアで民泊を始めるのは賢い選択?家賃6万円のマンションを徹底評価

物件情報

 

 

KT船場ビル - 富士ホームサービス(株)なんさん支店が提供する賃貸物件情報

URL: https://suumo.jp/chintai/bc_100453126874/

  • 家賃: 6万円

  • 管理費・共益費: 3,000円

  • 敷金/礼金: 12万円 / 6万円

  • 間取り/面積: 1K / 26.31m²

  • 築年数: 築43年(1982年10月)

  • 特徴: 複数駅利用可(本町駅、堺筋本町駅、松屋町駅)、オートロック、事務所・民泊相談可、初期費用カード決済可、IT重説対応

 

民泊適正評価:B(立地は良いが、築年数と初期費用がネック)

 

 

大阪市中央区という立地は非常に魅力的ですが、築43年という古さと、高い初期費用がネックとなり、民泊適正は中程度と評価します。安価な家賃に飛びつくのではなく、この物件で本当に利益を出せるか、冷静に判断する必要があります。

 

【メリット】

  • 抜群の立地: 大阪観光の拠点として人気の高い「心斎橋」や「難波」にも近く、複数の駅から徒歩圏内という点は大きな強みです。

  • 家賃が安い: 大阪市中心部のマンションとしては、家賃6万円は非常に魅力的です。この価格帯は、利益を確保する上で有利な条件となります。

  • 民泊相談可: そもそも民泊不可の物件が多い中で、相談できるという点は大きなチャンスです。

【デメリット】

  • 築年数が古い: 築43年は、内装や設備が古く、水回りや断熱性能が低い可能性があります。これはゲストの満足度を下げる要因となり、低評価につながるリスクがあります。

  • 初期費用が高すぎる: 家賃6万円に対して、敷金12万円、礼金6万円、初回保証料100%(6.3万円)、安心入居サポート1.65万円など、初期費用が合計約26.3万円と非常に高額です。家賃の約4ヶ月分に相当し、初期費用を抑えたいという目的には合っていません。

  • 保証会社利用必須: 初回保証料が総賃料の100%(6.3万円)と高く、さらに年間更新料がかかる可能性もあるため、ランニングコストを圧迫します。


 

契約前に確認するポイント

 

 

  • 民泊運営の許可範囲: 民泊相談可とありますが、具体的にどのような条件で許可が下りるのか、必ず大家さんと書面で確認してください。

  • 初期費用と解約時の費用: 高額な初期費用に加え、退去時清掃費用32,400円も別途かかります。契約内容を隅々まで確認し、想定外の出費がないかチェックしましょう。

  • 建物の状態: 築43年という古さから、エレベーターや共用部の清掃状況、室内の水回りや設備の不具合がないか、内見で細かく確認することが重要です。

 

周辺地域の平均稼働率

 

 

大阪市中央区は民泊の激戦区であり、コロナ禍以前から高い稼働率を誇っています。特に観光客が多いエリアでは、80%を超える高い稼働率も期待できます。ただし、これはあくまで人気エリアの平均であり、築古物件で高い稼働率を維持するには、他の物件との差別化が不可欠です。

 

 

運営した場合の想定年間利益

 

 

ここでは、家賃6万円、管理費3,000円のマンションを、現実的な稼働率で運営した場合のシミュレーションを行います。

  • 年間経費:

    • 家賃・管理費: 6.3万円 × 12ヶ月 = 75.6万円

    • 保証料更新料: 約3万円(初回保証料とは別)

    • 水道光熱費・通信費: 約2.5万円 × 12ヶ月 = 30万円

    • 消耗品費・清掃費・手数料: 年間約30万円

    • 年間合計費用: 約138.6万円

  • 年間収益:

    • 想定稼働率: 70%

    • 想定宿泊単価: 1泊8,000円

    • 年間稼働日数: 365日 × 70% = 255.5日

    • 年間収益: 8,000円 × 255.5日 = 約204万円

【結果】 年間収益(約204万円)から年間経費(約138.6万円)を引くと、年間利益は約65万円となります。一見利益が出ているように見えますが、初期費用の回収を考えると、初年度はほとんど利益が出ない計算になります。

 


 

想定利益をさらに増やすためのアイデア

 

 

この物件で安定した利益を出すには、築古というデメリットを補い、競合との差別化を図る必要があります。

  1. 写真にこだわる: 室内が古い分、写真の見せ方を工夫することが重要です。明るい照明や小物を使い、清潔感や居心地の良さを強調します。

  2. ターゲットを絞る: 「出張での長期滞在者」や「安く大阪観光を楽しみたいバックパッカー」など、特定の層に特化することで、価格競争に巻き込まれずに済みます。

  3. 「おもてなし」で勝負: 築浅物件にはない、きめ細やかなサービスを提供します。周辺の安くて美味しいお店のマップを作成したり、充電器や変換プラグを常備したりするなど、ゲストのニーズに応える工夫をしましょう。

 

この物件は、立地が良く家賃も安いため、魅力的に見えます。しかし、高い初期費用や築年数の古さといったデメリットを理解し、それを補う運営戦略がなければ、成功は難しいでしょう。安易に契約する前に、事業計画をしっかりと練ることが不可欠です。