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【大阪・福島区】玉川駅徒歩4分!24.75万円の築43年「貸店舗」で民泊は儲かるか?駅近好立地でも「居抜き」改装と「1棟貸し?」の謎を辛口診断!

物件情報

 

以下は今回診断する物件の概要です。

  • 物件名: 大阪府大阪市福島区玉川4丁目 玉川駅 貸店舗

  • 掲載元: OCN不動産

  • 住所: 大阪府大阪市福島区玉川4丁目

  • 最寄り駅: 大阪メトロ千日前線 玉川駅 徒歩4分、阪神電鉄本線 野田駅 徒歩6分

  • 賃料: 247,500円

  • 管理費等: - (なしと仮定)

  • 敷金/礼金: なし / 3ヶ月 (74.25万円)

  • 保証金/敷引・償却金: なし / -

  • 使用部分面積: 82.95㎡(約25坪)

  • 種別・構造: 貸店舗・鉄骨4階建 (募集は最上階部分と推測)

  • 築年月(築年数): 1981年12月 (築43年8ヶ月)

  • 特記事項:

    • 民泊等、業種は是非ご相談ください。

    • 角部屋・最上階・飲食店可

    • 駅近ロードサイド店舗の1棟貸しです。

    • 深夜営業も可能

    • 現況空、即時引渡可能

    • 設備: エアコン・給湯・バス・トイレ別・トイレ・シャワー・トイレ2ヶ所

  • 初期費用: 礼金3ヶ月、初回保証料など

  • 契約期間: 2年

詳細はこちらのURLをご参照ください: 物件詳細


 

民泊適正評価:駅近好立地と「相談可」の希望、しかし残る改装と賃貸条件の壁

 

 

この物件の民泊適正は「大阪の人気エリアで民泊を検討するが、貸店舗からの大規模改装と、曖昧な賃貸条件をクリアできる上級者向け」と評価します。「民泊相談可能」は大きなチャンスですが、その実態と費用を見極める必要があります。

 

【メリットとして期待できる点】

  • 抜群の駅近好立地:

    • 玉川駅徒歩4分、野田駅徒歩6分という近さは、観光客にとって非常に魅力的です。特に大阪メトロ千日前線は主要観光地(なんば、日本橋、梅田方面)へのアクセスも良好です。

    • 福島区は近年、飲食店を中心に人気が高まっているエリアであり、観光客だけでなくビジネス客や長期滞在者にも訴求できます。

  • 「民泊等、業種は是非ご相談ください」: 貸主が民泊事業に対して前向きである可能性が高く、許可取得に向けた協力を得やすいかもしれません。旅館業許可(簡易宿所など)も視野に入れられるかもしれません。

  • 広さ82.95㎡の空間: 約25坪という広さは、大人数のグループやファミリーでの利用に対応でき、複数部屋に分割して高単価を設定しやすいでしょう。

  • 既存設備が充実: 「エアコン・給湯・バス・トイレ別・トイレ・シャワー・トイレ2ヶ所」と記載されており、貸店舗としては珍しく水回り設備が揃っている点は改装費用を抑える上で大きなプラスです。

【克服すべき課題】貸店舗からの改装と賃貸条件の不確実性 メリットは大きいものの、いくつかの重要な懸念点が存在します。

  • 「貸店舗」からの改装費用: 既存の水回り設備があるとはいえ、宿泊施設として機能させるためには、間取りの変更、内装(壁、床、照明)、家具・家電の導入、消防設備(自動火災報知設備、誘導灯など)の設置など、数百万円〜1,000万円規模の初期投資がほぼ確実に必要になります。特に消防法への適合は重要です。

  • 築43年8ヶ月という築年数: 鉄骨造とはいえ、配管の老朽化や電気容量の不足など、想定外の修繕費用が発生するリスクがあります。

  • 契約期間2年: 民泊事業を軌道に乗せ、初期投資を回収するにはやや短い期間です。更新の可能性や条件を事前に確認する必要があります。


 

契約前に確認するポイント

 

 

この物件で民泊運営に踏み切るなら、以下の点を徹底的にクリアにしてください。

  1. 「民泊等、業種は是非ご相談ください」の具体的な内容:

    • 貸主が「住宅宿泊事業法(民泊新法)」と「旅館業法(簡易宿所など)」のどちらを想定しているのか、具体的な運用条件、改装の自由度、近隣住民への配慮事項などを、契約前に書面で明確にする。特に、旅館業許可を目指す場合は、貸主の理解と協力が不可欠です。

  2. 「貸店舗」からの改装費用とスケジュール:

    • 必ず内覧を行い、既存設備の動作確認と、民泊として機能させるための必要な工事の範囲を、専門家(工務店、建築士)を帯同して徹底的にチェックする。

    • 水回り(特にバスルームの快適性)、間取り変更、内装、家具・家電の導入、消防設備設置など、全ての改修費用を複数社から見積もりを取り、全て借主負担であることを覚悟する。

  3. 消防法・建築基準法への適合:

    • 管轄の消防署や建築指導課に相談し、必要な設備(自動火災報知設備、誘導灯、避難器具、防火管理者選任など)とその費用、必要な工事を確認する。用途変更を伴う場合、基準が厳しくなる可能性があります。

  4. 契約期間2年後の更新条件:

    • 契約終了後の更新の有無、更新料、更新時の賃料改定など、契約更新に関する条件を貸主と明確に確認し、書面に残す。


 

周辺地域の平均稼働率

 

 

大阪市福島区は、大阪駅(梅田)からも近く、近年人気が高まっているエリアです。飲食店が多く、観光客やビジネス客の需要が見込めます。大阪市全体の民泊稼働率は80%〜90%以上と非常に高く、この物件も駅近という好立地を活かせれば、高い稼働率を期待できます。ただし、競争も激しいため、差別化できるコンセプトと質の高いサービス提供が鍵となります。

 

 

運営した場合の想定年間利益(挑戦的なシナリオ)

 

 

賃料はやや高めですが、駅近の好立地と広さ、そして「民泊相談可能」という点を活かせれば、収益化の可能性はあります。ただし、改装費用は大きく、初期投資の回収が最大の課題です。

  • 月額賃料: 247,500円

  • 年間賃料: 247,500円 × 12ヶ月 = 2,970,000円

  • 初期費用:

    • 礼金3ヶ月(74.25万円) + 初回保証料(賃料の50%として12.375万円) + 仲介手数料1.1ヶ月(27.225万円) + 保険(約2万円) = 約115.85万円

    • 改装費用+家具家電備品+旅館業許可関連費用: 貸店舗を民泊施設に改修し、家具・家電・リネン類を揃える費用は、既存設備があるとはいえ、最低でも300万円〜800万円以上と見積もるべきです。消防設備対応や内装にこだわるほど費用は膨らみます。

    • 合計初期現金支出(概算): 115.85万 + 300万 = 約415.85万円〜(これに加えて1ヶ月目の家賃)

  • 平均宿泊単価: 広さ82.95㎡、複数人での利用を想定し、1泊1組35,000円

  • 年間営業可能日数: 365日(旅館業許可取得を前提とした場合。住宅宿泊事業法の場合180日制限)

  • 想定稼働率: 75%(駅近好立地だが、競争を考慮した目標値)

  • 年間想定稼働日数: 365日 × 0.75 = 274日

  • 年間想定売上: 35,000円 × 274日 = 9,590,000円

ここから諸経費を差し引きます。

  • プラットフォーム手数料: 売上の約10% = 959,000円

  • 清掃費・消耗品費: (1回10,000円として、274回分) = 2,740,000円

  • 光熱費・通信費: (月4万円と仮定) = 480,000円

  • 修繕積立費・その他雑費: (築古リスク考慮し、月2万円と仮定) = 240,000円

  • 運営代行費(アウトソースする場合): 売上の20-30% = 1,918,000円〜2,877,000円 (ここでは自力運営と仮定し含まず)

  • 年間総費用(賃料含む): 2,970,000円 (賃料) + 959,000円 (手数料) + 2,740,000円 (清掃) + 480,000円 (光熱費) + 240,000円 (その他) = 7,389,000円

  • 想定年間利益(税・初期費用回収前): 9,590,000円 (売上) - 7,389,000円 (総費用) = 2,201,000円

この計算では、年間で約220万円の黒字となりました。これは、旅館業許可を取得し、高い稼働率を維持できた場合のシナリオです。初期投資(300万円〜800万円)を回収するには、1.5年〜4年程度かかる計算になります。賃料が高いため、少しでも稼働率や単価が落ちれば、利益は大きく減少します。


 

想定利益を増やすためのアイデア(改装と運営戦略が鍵)

 

 

上記のシミュレーションで利益は出るものの、初期投資の回収を早め、より安定した収益を確保するためには、以下の戦略が重要です。

  1. 徹底的な改装とコンセプト設計:

    • 「大阪モダン」など、地域性を活かしたデザインコンセプト: 福島区の魅力を反映した内装や、快適性を追求した設備を導入し、ターゲット層(ファミリー、グループ、ビジネス客など)に合わせた空間を創出する。

    • 最大限の収容人数確保: 広さを活かし、リビングスペースとベッドスペースを効果的に配置し、可能な限り多くのゲストが宿泊できるよう工夫する。

    • 高単価設定のための付加価値: キッチンを活用した自炊促進、高速Wi-Fi、スマートテレビ、地元のおすすめ情報提供など、ゲストの満足度を高めるサービスを提供する。

  2. オンラインでの露出強化と多言語対応:

    • 複数の宿泊予約サイト(Airbnb, Booking.comなど)に登録し、露出を増やす。

    • プロのカメラマンによる質の高い写真撮影と、多言語対応の物件説明文で、インバウンド需要を取り込む。

  3. 効率的な運営体制の構築:

    • 無人チェックイン・アウトシステムの導入: スマートロックなどを活用し、24時間対応可能な無人運営体制を構築する。

    • 清掃業者の選定と連携強化: 質の高い清掃を安定的に行える業者を見つけ、柔軟なスケジュールで対応してもらう。

    • 周辺施設との連携: 地元の飲食店や観光施設と提携し、割引クーポンを提供したり、相互送客を促したりすることで、ゲスト体験の向上と集客を図る。

この物件は、大阪の人気エリアの駅近という非常に魅力的な立地と、「民泊相談可能」というポテンシャルを秘めています。しかし、築古の「貸店舗」であることから大規模な改装が必須であり、その費用と「1棟貸し」という記載の真相を見極めることが成功の鍵となります。

あなたは、この物件がもたらす「大阪人気エリアでの民泊運営」という夢と「改装費用の現実、そして賃貸条件の不確実性」の間で、ビジネスを成功させるための「具体的な戦略と、それを実行する資金力」を持っていますか?