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【大阪・西淀川区】民泊利用可能!フルリノベーション築48年4LDK物件は本当に“儲かる”のか?辛口診断

物件情報

 

 

この物件の詳細は以下の通りです。

  • 賃料: 18万円

  • 管理費・共益費: なし

  • 敷金/礼金: 敷金なし / 礼金40万円

  • 間取り: 4LDK (洋8, 洋6, 洋6, 洋6, LDK10)

  • 専有面積: 77.66m2

  • 建物種別: 一戸建て (3階建)

  • 築年数: 築48年 (1978年4月築)

  • アクセス:

    • 阪神電鉄阪神なんば線/福駅 徒歩5分

    • 阪神電鉄阪神なんば線/出来島駅 徒歩17分

    • 阪神電鉄阪神なんば線/伝法駅 徒歩21分

  • 所在地: 大阪府大阪市西淀川区福町1

  • 設備: バストイレ別、システムキッチン、洗面所独立、3口以上コンロ、グリル付、都市ガス、バルコニー、クロゼットなど

  • 特記事項:

    • 民泊利用可能物件!

    • フルリノベーションで室内大変きれい

    • その他用途も相談可能

    • 住居として利用の際はペット飼育相談可能

    • 閑静な住宅地、事務所相談、駅徒歩5分以内、駅徒歩10分以内

    • 損保要(2.4万円1年)

    • 保証会社利用必須(保証協会70%)

    • その他初期費用:鍵交換代16,500円

物件の詳細はこちらからご確認ください: 福町 借家(民泊可) - RE/MAX Bloom北武開発(株)が提供する賃貸物件情報

 

 

民泊適正評価

 

 

この物件の最大の魅力は、**「阪神なんば線福駅から徒歩5分」という駅からの近さと、「民泊利用可能物件」**である点です。大阪はインバウンド需要が非常に高く、駅近の物件は常に高い稼働率が期待できます。4LDK、77.66m2という広さは、大人数のグループやファミリー層にとって十分なスペースを提供でき、複数人での宿泊による高い単価設定も期待できます。

 

また、**「フルリノベーションで室内大変きれい」**という点は、築48年という築年数を補う大きなメリットです。水回りや内装が新しくなっていれば、ゲストにとって快適な滞在を提供でき、高評価に繋がりやすいでしょう。システムキッチンや洗面所独立など、設備も充実しているため、快適な宿泊体験を提供できるポテンシャルを秘めています。

 

しかし、この物件を民泊として運営する際には、甘くない現実がいくつか存在します。

まず、**「礼金40万円」**という高額な初期費用です。敷金がないとはいえ、賃料の2ヶ月分以上にあたる礼金は、開業時の資金繰りに大きな影響を与えます。この高額な初期費用と月々の賃料18万円という固定費を民泊の収益で賄うには、非常に高い稼働率と宿泊単価を常に維持する必要があります。大阪市内は民泊の競合が非常に多く、価格競争も激しいため、安定した収益確保は容易ではありません。

 

次に、福駅周辺は観光地として特筆すべきスポットが少ないため、「大阪観光の拠点」としての利便性をいかにアピールできるかが重要になります。なんば線で主要駅へのアクセスは良好ですが、駅から離れると閑静な住宅街となるため、夜間の騒音やゴミ出しなど、近隣住民とのトラブルには細心の注意が必要です。

 

 

契約前に確認するポイント

 

 

「民泊利用可能」の物件であるため、契約前に以下の点を徹底的に確認してください。

  • 「民泊利用可能」の具体的な範囲と条件: 口頭での確認だけでなく、民泊運営に関する許可範囲(宿泊日数制限、騒音対策、ゴミ出しルール、外国人対応の具体的内容など)を書面で明確にしてもらいましょう。近隣住民への説明や同意の有無も重要です。

  • 事業用としての契約: 賃貸契約が事業用となるのか、それに伴う消費税の有無や、将来的な税務処理について確認が必要です。

  • リノベーションの範囲と内容: 「フルリノベーション」とありますが、具体的にどの範囲がリノベーションされているのか(水回り、電気系統、断熱材など)、築年数相応の老朽化リスクはないか、詳細を確認しましょう。

  • 消防法への適合: 宿泊施設は消防法上の規制が厳しくなります。火災報知器、消火器、誘導灯の設置など、必要な消防設備とその費用を確認しましょう。

  • 保証会社の利用条件: 「保証協会70%」という保証料は高額です。民泊として加入可能か、どのような条件で適用されるか、詳細を確認しましょう。

  • 初期投資の全体像: 礼金だけでなく、家具家電の購入、消耗品、そして民泊運営に必要な各種申請費用など、開業までに発生する全ての費用を見積もり、資金計画を立てましょう。

 

周辺地域の平均稼働率

 

 

大阪は日本を代表する観光都市であり、インバウンド需要が非常に高い地域です。特に、駅徒歩5分という好立地は、高い稼働率を期待できる大きな強みとなります。大阪市内の民泊稼働率は一般的に70%〜90%程度を目指すことも可能です。4LDKという広さがあるため、グループ旅行者やファミリー層の需要を効率的に取り込めれば、さらに高い稼働率を維持できる可能性は十分にあります。

 

しかし、大阪市内も民泊施設が非常に多く、競争が激しい地域でもあります。物件の魅力度、運営者の集客努力、競合物件の状況によって稼働率は大きく変動します。

 

 

運営した場合の想定年間利益

 

 

上記の稼働率の想定に基づき、この物件で民泊を運営した場合の想定年間利益を試算してみましょう。ここでは、比較的楽観的なシナリオと、厳しい現実を突きつける辛口シナリオの二つで試算します。

 

【前提条件】

  • 月額賃料: 18万円

  • 1泊あたりの宿泊単価: 4LDK、大阪、駅近という立地を考慮し、1泊あたり35,000円と仮定します。(高単価設定)

  • 清掃費: 1回あたり10,000円と仮定

  • プラットフォーム手数料: 売上の15%と仮定

  • 光熱費・通信費など: 月額40,000円と仮定

  • その他消耗品費: 月額8,000円と仮定

  • 民泊稼働上限: 年間180日(住宅宿泊事業法の場合)


シナリオ1:楽観的な稼働率(月間75%稼働の場合)

  • 想定稼働率: 月間75%(年間180日稼働、民泊は年間180日上限)

    • : 民泊は年間180日稼働上限のため、このシナリオは稼働率が非常に高く、ほぼ上限まで稼働した場合の理想的なケースです。

  • 年間収入の試算:

    • 年間売上 = 宿泊単価 × 年間稼働日数 = 35,000円/泊 × 180泊 = 6,300,000円

  • 年間費用の試算:

    • 年間賃料 = 18万円/月 × 12ヶ月 = 2,160,000円

    • 年間清掃費 = 10,000円/回 × 90回(180日の半分)= 900,000円

    • 年間プラットフォーム手数料 = 6,300,000円 × 15% = 945,000円

    • 年間光熱費・通信費 = 40,000円/月 × 12ヶ月 = 480,000円

    • 年間消耗品費 = 8,000円/月 × 12ヶ月 = 96,000円

    • 年間費用合計 = 2,160,000円 + 900,000円 + 945,000円 + 480,000円 + 96,000円 = 4,581,000円

  • 想定年間利益:

    • 想定年間利益 = 6,300,000円 - 4,581,000円 = 1,719,000円


シナリオ2:辛口な稼働率(月間60%稼働の場合)

  • 想定稼働率: 月間60%(年間150日稼働)

  • 年間収入の試算:

    • 年間売上 = 宿泊単価 × 年間稼働日数 = 35,000円/泊 × 150泊 = 5,250,000円

  • 年間費用の試算:

    • 年間賃料 = 18万円/月 × 12ヶ月 = 2,160,000円

    • 年間清掃費 = 10,000円/回 × 75回(150日の半分)= 750,000円

    • 年間プラットフォーム手数料 = 5,250,000円 × 15% = 787,500円

    • 年間光熱費・通信費 = 40,000円/月 × 12ヶ月 = 480,000円

    • 年間消耗品費 = 8,000円/月 × 12ヶ月 = 96,000円

    • 年間費用合計 = 2,160,000円 + 750,000円 + 787,500円 + 480,000円 + 96,000円 = 4,273,500円

  • 想定年間利益:

    • 想定年間利益 = 5,250,000円 - 4,273,500円 = 976,500円


この試算が示す通り、大阪の好立地でフルリノベーション済みの物件であれば、高単価と高い稼働率を維持できれば、年間100万円以上の利益を出すことも十分に可能です。ただし、これは初期の礼金や家具家電費用を除いた運営費のみの計算です。辛口な稼働率でも年間約98万円の利益となり、初期費用を回収しつつ、安定した収益を目指せるポテンシャルは高いと言えます。

 

 

想定利益が低い場合の改善するためのアイデア

 

 

この物件で民泊運営を行い、さらに利益を伸ばすためには、以下の戦略的なアプローチが不可欠です。

  1. 「フルリノベーション」を最大限にアピール:

    • リノベーション後の内装の魅力をプロのカメラマンによる写真や動画で最大限に引き出し、清潔感と快適さを強調する。

    • 築年数が古いことを逆手に取り、「古き良き日本の家屋」と「現代の快適さ」を融合させたコンセプトを打ち出す。

  2. ターゲット層の明確化と特化:

    • 大阪観光の拠点としての利用: ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)や道頓堀、なんばなど、大阪の主要観光地へのアクセスが良い点を強調し、ファミリーやグループ旅行者をターゲットにする。

    • 長期滞在のインバウンド: 複数路線が利用可能で、周辺にスーパーや飲食店が多い点をアピールし、大阪での長期滞在を希望する外国人を誘致する。

    • ビジネス利用: 事務所利用も相談可能である点を活かし、短期の出張者やプロジェクトチーム向けの宿泊先としても提案する。

  3. 付加価値の提供と単価アップ:

    • 体験型コンテンツの提供: 大阪ならではの体験(例:たこ焼き作り体験、お好み焼き体験、大阪城周辺散策ガイドなど)を組み合わせた宿泊プランを提案する。

    • 充実したアメニティ: 高品質な寝具、調理器具、家電、バスアメニティなどを揃え、ホテルライクな快適さを提供する。特に、大人数での利用を想定し、食器や調理器具の数を充実させる。

    • 周辺情報ガイドの充実: 福駅周辺のローカルな飲食店や商店街、穴場スポットなどの情報をきめ細かく提供し、ゲストがより深く大阪を楽しめるようサポートする。

  4. 多角的な集客チャネルの活用:

    • Airbnbだけでなく、Booking.com、Agoda、Expediaなど、海外に強いOTA(オンライン旅行代理店)に幅広く掲載し、インバウンドの露出を最大化する。

    • InstagramやX(旧Twitter)などで、物件の魅力や大阪の観光情報を積極的に発信し、視覚的に訴求する。

    • 旅行会社やインバウンド向けエージェントと連携し、団体客の取り込みや、ツアーの一部として組み込んでもらう。

  5. 運営効率の徹底的な改善:

    • スマートロック導入や、詳細なセルフチェックインガイド作成により、無人運営を基本とする。

    • 信頼できる清掃業者との連携を密にし、コストを抑えつつ高い清掃品質を維持する。

    • 光熱費や消耗品費など、固定費・変動費の細かなコスト削減を徹底する。

この物件は、大阪という好立地、駅からの近さ、フルリノベーション済みという大きなメリットを持ち、民泊事業として成功するポテンシャルは十分にあります。しかし、高額な礼金や、競争の激しい大阪市場でいかに差別化を図るかが、安定した収益を確保するための鍵となります。緻密な事業計画と、ゲストに最高の体験を提供するための努力が、成功への道を開くでしょう。